ARTIST INDEX

■ BOOKS [3/3]
Player Vol.247(1986年)
 1986年、NAMM SHOWの特集に訃報記事の如く小さく紹介されています。
 以下原文「一世を風ビした後消えて行ったMellotronが、今、暗黒の闇から蘇ったあっ・・・というほど大ゲサなものがこの、DIGITAL Mellotron。 完璧にデジタル仕様でコンピュータとディスプレイを装備されているわけだ。 これが、ヘヴィ・デューティーなルックスしてるでしょ? 音もスッゴクいいんだぜ。」・・・これが噂のDIGITAL Mellotron なのでしょうか? おそらく背後のパネルが例のDIGITAL Mellotronの広告で、これそのものはただのM400Sではないかと思われます。 Mellotronの最期でもあった1986年の楽器ショーの展示がこんなお粗末なものだったとは、なんと哀れなことか!

資料提供 yoshio氏

2002年4月11日
Player(1995年11月号)
 プレイヤーの特集「HARD WARE SPECIAL 70's ROCK KEYBOARDS」で、角屋直彦氏がキーボードの歴史、キーボーディスト名鑑、マストアイテムを自らのコレクションを用い紹介しています。
 動作不確実な特性が魅力の一つである事、MARK IIと400が違う音源を使用している事等、Mellotronの核心に迫る解説をしています。

(画像中/背後に黒い改造Doubletronを従えてローズを演奏するRick Wakeman)

資料提供 yoshio氏

2002年3月24日
STUDIO VOICE(2002年3月号)
 「My fetish design 身近で愛着のあるデザイン×10」と言う特集の中で、Fantastic Plastic Machineの田中知之さんがMellotron MARK VIを紹介しています。 写真提供(事後承諾でしたが...。)はTokyo Mellotron Studio(agito氏所有&撮影)です。
 「言わばサンプラーの元祖。鍵盤の数だけテープの再生ヘッドを持ち、実際に録音された様々な音源テープを掛け替えて、プレイバックできるキーボードがMellotronだ。63年の初代MARK Iの発表以降、数々の歴史的録音に使用されてきたが、BEATLES「ストロベリーフィールズ・フォーエバー」のイントロのフルートは特に有名。 当然、リアルに楽器の音色を再現できるはずもなく、そのしょぼいサウンドはもはやMellotronならではと重宝されてきた。 かのヴィンテージ楽器マニア、Vincent Galloの自宅スタジオにも三台のMellotronが設置されていたっけ・・・。 さて、70年に発表され、約1800台が生産されたM400Sというモデルが一番軽量でポピュラーだが、デザイン的にもこれが無骨でいながらも極めてシンプルで素晴らしい。 何と99年よりそのほぼ復刻版となるMARK VIが細々と生産をスタートしていた。 僕は早速一台オーダーする事を決意した。」

2002年2月15日
The Beatles(1983年2月号)
 「連載:楽器研究シリーズ[6] Mellotron永遠なれ」と言う記事でMellotronを大々的に取り上げています。 1983年と言えば、デジタルMIDIシンセの登場や経営不振と共にMellotronの最も不遇な時期といえると思います。 にもかかわらず、熱心なライターさんがユニークな視点で当時のMellotronに光を当てています。
 「フランクフルト・メッセをご存知だろうか。 万博会場の10倍の敷地に展開される楽器の国際見本市だ。 78年の同見本市の一角にNovatronなる楽器が展示されていた。 これがMellotronに酷似していたのでメーカーのStreetly Electronics社に照会してみた。 (中略)[Q1]John Lennonの持ってるMellotronは何型か。 [Q2]上記のモデルの特徴はどんなか。[Q3]300型というモデルは存在するか。 [Q4]ディスク方式のMellotronは存在するか。 [Q5]NOVATRONとは何ぞや。 [Q6]ORCHESTRONとは何ぞや、ディスク方式らしいが貴社のモデルか。 これに対する答え、以下の通り。 [A1]Johnの演奏したMellotronはMarkllの変種である。 [A2]特徴−取扱説明書を同封する。 [A3]BEATLESは誰も300型は使わなかった。 300型は小型のMellotronで2トラックのヘッド(他は3トラック)を用いている。 [A4]Mellotronはディスク方式を採っていない。 マグネチック・テープ方式のみである。 今もってそうである。 [A5]NOVATRONとはMellotronの事である。 「Mellotron」の商標は77年Mellotronics社の破算により売却した。 「NOVATRON」は代用の名称である。 [A6]ORCHESTRONはMellotronに似ているが、ビデオ・ディスク方式を採っていた。 品質と信頼性において不満足なものであり、長く製造されなかった。 我々の製品ではない。 [A1]のオマケ−JohnのMARK IIはブラックでピアノ風に仕上げられている。 標準型はダーク・ウッドなのである。 (中略)昔話を少々。 当時のMellotronics代理店であった渋谷はCMC社に伺った。 この時、真新しい400型(国内はこのモデルのみであった)を弾いたり分解しながら親切に対応して下さったN氏より「Beatlesのは300型でディスク方式で」云々のお話を拝聴した。 結局これは誤りであり、誤りを発見できたのも自分というオメデタイ話になったが、当時の舶来品代理店の方々はおおむねこんな調子なのだった。 誰にも悪気はなく、どこにも事実はなかったのである。 Nothing is realとはこの事か。 (中略)筆者は金品でお礼が出来ないため、日本中の有力輸入業者を紹介した。 遠からず国内にMellotronが復活する事だろう。 新製品T-550はフライト・ケースに組み込まれた斬新なモデルだ。」

2002年2月11日
ストレンジ・デイズ(1999年12月号)
 Ian McDonaldがKINGCRIMSONに関するインタビューの中でMellotronについて興味深い発言をしています。
 「僕は昔からクラシックに影響されてきた人間だったから、どうにかしてクラシカルな要素をグループ内に持ち込めないものだろうか、と思っていたんだ。 当時の唯一の方法は、Mellotronを導入することだった。 もちろん、シンセサイザーなんてなかった頃だからね。 見た目はとても不格好な楽器だけど、最終的には3台も持つようになったよ。 最初は、新聞などの広告欄をのぞいて、売りに出している人を探していたりした。 Mellotronというのは、もともと家庭用に発売された楽器で、居間などに置いて家族や来客を楽しませるというのが、コンセプトだったんだ。 リズムが録音されたテープも付いていたからね。 だから地元の新聞などで「Mellotron売ります」という一般広告を探すのが一番手っ取り早い方法だった。 そしてロンドンの郊外をくまなくドライブして3台のMellotronを手に入れることができた。 実際は演奏がとても難しい楽器なんでね。 でも良くも悪くも、ものごとに徹底する性格が功を奏して、何とかいいサウンドを導き出す事ができたと思う」

2002年1月2日
200Rock語辞典(1995年2月発行)
 読んで字の如く、ROCKに関する用語を簡潔に解説した辞典。 ROCK楽器に欠かせないMellotronは、難波弘之さんが解説をしています。 Mellotronの原理はもともとChamberlinのアイデアである事や、録音機能の無いサンプラーの元祖である事など、Mellotronを知る上で外せないポイントを確実に言及しています。

2001年12月17日
産経新聞(2000年7月31日発行)
 でじたるミュージック(第二回)不思議な音色がサウンドを変えた。 国産シンセサイザー登場、アナログ手法の最先端機に・・・以下本文抜粋
 「その頃の電子楽器で興味深いものとして、現在のサンプラーの原形とも言える「Mellotron」と言う楽器が登場していた。 この楽器は足踏みオルガンの様な格好をしており、66個程度の鍵盤を持つもので、ストリングスと合唱団のコーラス(ウーとかワアー)をリアルに鳴らしていた。 リアルなのも当然で、66鍵各々にストリングス等が録音されたテープがつながっており、鍵盤を弾くと押された鍵盤に割り当てられたテープが再生され鳴っていたのである。 録音テープの長さに制限があるため、一つの鍵盤を押していてもせいぜい十数秒程度で途切れ、鍵盤を離すとテープが元に戻る少しの間は鳴らす事が出来なかった。 構造上早いフレーズの演奏は苦手で、主にアンサンブルのバックの厚みを増すためと、重厚な雰囲気を作る用途に活路があった。 簡単に言えば、66台のテープレコーダーをドミソに置き換えて鳴らしていた様なものである。 アナログ手法の最先端機とも言えるものであった様に思う。」

2001年11月23日
ロック&キーボード'79 シンセサイザー(1978年10月発行)
 鍵盤楽器カタログ本。 巻末のシンセサイザー&E・キーボード全カタログのコーナーに的確な文章でMellotronが紹介されています。
 「ストリング・アンサンブル系のキーボードが登場するまでは、アンサンブル系のサウンド創りになくてはならない存在だった。 本モノの楽器の音、コーラスなどを録音したテープが内蔵され、鍵盤を押すと同時にそのテープが再生されるという、実に画期的なアイディアが生み出した楽器だ。 やはり、本モノの音が録音されているだけに、愛用するプレイヤーは多い。」
価格900000円也。

2001年11月17日
電子音楽 イン・ジャパン 1955-1981(1998年10月発行)
 ミュージックコンクレート等の初期の電子音楽からYMO等により一般に定着するテクノポップまでを楽器の進化とあらゆるジャンルの音楽を資料として体系化した資料価値ある一冊。 以下、Mellotronを使用したアーティストのコメントを抜粋。
 平沢進氏(MANDRAKE、P-MODEL)「CRIMSONの音というよりは、欲しかったのは楽器としてのMellotronですね。 ああいうふうな音が出せるというのが、悪いことをしてるというか、いかがわしい感じでね。 泥棒が七十何人入ってるみたいな楽器を扱えるというのが、すごい快感でしたね。 出てくる音は、Solinaのアメリカ的な明るい能天気な音に比べて、ダークで絶望的な暗さを持ってる。 しかも、絶望的なワウフラッターがあって(笑)。 実はMellotronは、正規の値段で買ってないんですよ。 だから、Solinaなんかよりも値段的にはよっぽど身近な楽器だったんですね。」 井上誠氏(ヒカシュー、イノヤマランド)「当時は定価が98万円だったんだけど、ヤマハやクロサワにも卸してたから、そこで買った人はとんでもなく高く買ったんだと思う。 日本にある代理店というのが滅亡寸前だったんです。 スタジオに入れても評判悪くて、メンテナンスが大変で。 それで、入ってきた新品を限定で何台か安く売りますって、投げ売りしてた。 あとで聞いたら、みんなその値段で買ってるの。 新品が30万円切ってたから、Solinaなんかよりよっぽど安かった」「で、あちこち壊れてきてパーツを買いに行ったら、こっから適当にパーツを取ってくれって言われて、壊れたMellotronを3万円で売ってくれた。 そういう買い方をしたMellotronがさらに2台入ってきて、ヒカシュー・Mellotron 3台伝説になる(笑)」 やはり1/4インチコンバージョンキットを使用したとの記述もある。

(画像右/井上氏のMellotron M400S)

2001年11月8日
サウンド&レコーディング・マガジン(2001年10月号)
 Vincent Galloのソロアルバム発表に伴って、彼のプライベートスタジオが紹介されています。 以前は2台所有していたMellotronも現在では5台に増えたらしいのですが、スタジオ内に設置されていたのは白いM400Sのみでした。 テープも多数所有しているらしく、専用のケースに収められたテープフレームが紹介されています。

2001年11月8日
ロック・マシーン・クロニクル(1999年7月発行)
 Rock楽器の40年史、と銘打った豪華本。 鍵盤楽器のコーナーで取り上げられてるのは、電子オルガン、電気ピアノ、シンセサイザーのみで、Mellotron単独の記述は無し!!! 他の楽器を紹介するために引用されているのみで、鍵盤楽器の歴史から完全に黙殺されています。 Harbie Hancockの背中に1台、Rod Argentのスタジオに1台、写真に写っているのみです。

2001年11月4日
地球音楽ライブラリー キング・クリムゾン(1995年10月発行)
 音楽を理解する上で欠かせないのがアーティストが使用した楽器の研究です。 KINGCRIMSONの歩みが楽器の発達史と深く関わっているとして、一番最初にMellotronを紹介しています。 この本はRobert Frippとの訴訟で敗訴し店頭から回収されています。

2001年10月31日
Player Vol.101(1976年)
 Patrick Moeazが、自ら開発に関わる光学式Mellotronともいうべき、ORCHESTRONの可能性について言及しています。
 「Keyのタッチもいい感じですし、私が今使っているORCHESTRONは3段鍵盤になっていて、8台のMellotronに相当する能力をそなえています。 それに24種類もの音が出せます。」「サウンドはスイッチ操作で簡単に変えられます。 大きなユニットは私の回りには置けないので、キーボードと離しています。勿論ヘソの緒(コードの事)でしっかりつながっていますよ。」「両方ともストリング・シンセサイザーというわけですが、それぞれがそれぞれに良し悪しがあります。 Mellotronの場合、よりシンフォニックなサウンドだと言ってもいいし、実際ORCHESTRONより生の音に近いものもあります。 例えばフルートの音などはMellotronの方が本物に近いはずです。 が、ORCHESTRONはMellotronよりしっかりしています。 勿論、これはMellotronが8秒間しか1つの音が出せないといったような、そういった条件の事を言ってるんですが、キーボードを選ぶさいは、当然これの事を十分に考えるべきです。」

2001年10月29日
Player(1998年5月号)
 album Legendのコーナーで「クリムゾンキングの宮殿」が、とりあげられています。 時代背景からグループ結成、レコーディングの詳細、機材の分析とさすがPlayer、抜かりはありません。 特にRobert Frippの機材分析は驚くほどの情報量で結論を導き出しています。 Mellotronについては、レコーディングにMARK IIを使用していると明言した数少ない雑誌として評価できます。

(画像右/ステージ中央にDavid crossのMellotron M400S)

2001年10月29日
キーボードマガジン(1997年2月号)
 名物企画 MY KEYBOARD ROOMのスペシャル版です。

(画像左/なぜかChamberlin Rivielaが写っている特集扉)
(画像左から2番目/XTCのDave Gregoryの自宅スタジオ下段Mellotron M400S)

 デイヴは1983年「Mummer」のレコーディング中に300ポンドで購入し、「Dukes of stratospher」でも使用したとの事。 Mellotronについて「それほど大きくないし、上に物が置けるのがいいね。」とコメント。

(画像右から2番目/ホッピー神山さんの自宅スタジオ奥にプロテクトマフを被ったMellotron M400Sがある)

 以下神山さんのコメント抜粋「12年前くらい前に程度のいいNovatronから、じっくり自分でEmulator IIにサンプリングしたディスクがあるんですよ。 今までMellotronのサンプリングを試したけど、みんな音程がきれいになりすぎちゃってだめなんです。 Mellotronは音色だけじゃなくて、各キーのチューニングのばらつきと、立ち上がりのばらつきがいいんです。 (中略)だからスタジオではEmulator II、家では本物を使っていますね。」

(画像右/Auditiesスタジオの楽器群、左から、400SM-Rosewood/400SM/BIROTRON B90/Chamberlin Rythmate 40/MARK V/Chamberlin M2/WHITE MARK II/MARK II)

 THE MOOG COOK BOOKのBrian KehewとMellotron ArchivesのDavid Keanが運営する夢のようなスタジオ。
 以下Brianのコメント抜粋「(音源テープについて)1960年代にレコーディングされたもので、Mellotronのセットでは作ってなかったんだけど、Davidが自分で作ったんだよ。 バイオリンのソロとビオラ、あとはきれいな音のベルも入ってる。 ずっとお蔵入りになっていて、最近になってやっとリリースされたやつなんだ。」

2001年10月29日
キーボードマガジン(1987年6月号)
 創刊8周年記念特集、Hello,Good&Old InstrumentsでMellotronを取り上げています。 文章は熱心なMellotronユーザー、ホッピー神山さんで、歴史や構造解説、代表的なレコードを紹介しています。 当然時代はサンプラーが台頭しているのですが、神山さんは不安定な音がその特徴であり人間的な響きであると指摘し、サンプリングでは出せない肉感的な魅力があると結んでいる。 ヒカシューの井上さんもコメントを寄せており、1/4インチテープでセルフサンプリングした事や、お勧めのアルバムとしてMatching Moleを挙げている。 最後には、DX-7、CZ、JUNO-106でMellotronサウンドを作る、セッティングチャートも記載されています。

2001年10月29日
インターミュージックネット(1996年10月発行)
 音楽関連のインターネットサイト電話帳(住所録)みたいな本です。 検索エンジンや有名なアーティストのサイト紹介、オンラインショッピング等を紹介しています。 面白いのがこの筆者さん、オンラインでビンテージ楽器を探すと言って突然「Mellotron」を検索してしまうところです。 メルボルン・ミュージック・センターで見つけた写真が右の画像です。

2001年10月27日
キーボードマガジン(1995年6月号)
 世界を席巻した20のキーボードと言う特集でMellotronが取り上げられています。

(画像左/なぜかMELLOTRON 4TRACKの写真が載っている特集扉)
(画像右/Mellotron M400S)

2001年10月27日
THE 楽器 METAL&MIDI'85-'86(1985年1月発行)
 Rockin'f別冊の楽器カタログ本。 シンフォニック・キーボードのカテゴリーにNOVATRON400SMが掲載されています。 色は白と黒が選べて価格980000円也。輸入元は(株)レオ・ミュージックでした。

2001年10月27日
EURO-ROCK PRESS Vol.10(2001年8月発行)
 厚見玲衣さんが、John Wettonのツアーで来日したIan McDonaldへインタビューしています。 当然話題の中心はMellotronなわけで、Ianから「君は本当に凄くMellotronに興味があるんだね(笑)」と言われて「ええ、Mellotronマニアなもんで(笑)」と答える厚見さんのやりとりは最高です。 以下、Ian McDonaldのコメント要約。
 「宮殿やEpitaphは、Mellotron後ろの端子からラインアウトしてHIWATTかMarshalのアンプに繋げかなり大きな音で鳴らした。そこから20〜25フィート離れたところにマイクを立てて録音した。」「Epitaphでは2トラック録って、ミキサーのフェーダーを操作し、動きを出した。」「(使用マイクは)Neumannだったのではないか。」「(コンソールは)Neveだった。」「(ボリューム操作は)ミックスの際自分でやったのと、フット・ペダルも併用したかもしれない。」「レコーディングには内蔵リバーブではなくスタジオのプレート・リバーブを使った。」「宮殿のMellotronパートはすべてオーバーダブした。」「ライブではWEMのスプリングリバーブを使った。」「もう32年もMellotronに触っていない。」

2001年10月27日
炎(1997年7月号)
 月刊ハードロック・マガジン「炎」の企画ザ・奏者 第2回 Mellotron。 赤岩和美さんがMellotronの歴史に絡めて、使用アーティストの解説をしています。 Mellotronを初めてツアーで使ったアーティストはGraham Bondである事や、MOODY BLUESがBEATLESと同じく1967年にMellotronを導入している事など興味深い記述が多く、資料性高いです。 Mellotron名盤10選にはKINGCRIMSON、MOODY BLUES、GENESIS、PFM、GREENSLADE、JONESY、LED ZEPPELIN、YES、HAWKWIND、TANGERINE DREAMの各アルバムを挙げています。

2001年10月26日
キーボードスペシャル(1994年7月号)
 永川敏郎さんの「プログレ・ラボ 第11回」KINGCRIMSON特集。 NOVELAやEARTHSHAKERのレコーディングで使用したMellotronの話題や、Mellotronを世界に知らしめたバンドとしてKINGCRIMSONを紹介しています。

2001年10月24日
最新音楽用語辞典(1996年4月第9版発行)
 リットーミュージックの音楽用語辞典。 Mellotron[KEY]サンプリング・キーボードの草分け的な楽器。 ノーマルな仕様ではバイオリン、フルート、人間のコーラスが入っており(自分で録音することも可能だった)、ソースの選択は再生時にヘッドを移動させて行った。 (中略、後略)・・・とある。 この辞典、「メロトロン」の後が「メンテナンス」だなんて・・・なんという皮肉。

2001年10月24日
MUSIC LIFE 1978 プロフェッショナル ロック・マシーン(1978年12発行)
 「気になるアイツのサウンドマシーン総まくり」と言うサブタイトルのミュージックライフ別冊。 1001人のミュージシャンを紹介しているのですごい情報量です。 Mellotronを使用しているミュージシャンは多い割に、写真が掲載されているのはRick WakemanとTANGERINE DREAMの演奏風景に小さく写っているのみです。 個々の楽器解説は特になし。

(画像右/TANGERINE DREAM、左側Edger Froeseが使用するMARK Vと右側奥の黒いM400S)

2001年10月24日
SWITCH(1999年7月号)
 Vincent Galloの自宅スタジオには、この時点で2台のMellotron M400Sがあります。 以下Vincent Galloのコメント
 「これがスタジオさ。(はじの方に置かれた茶色の鍵盤楽器を指して)これはホントにレアなMellotronだ。Mellotronの会社の社長の為に最初に作られた一台だ。」「(もう一台の白いMellotronを指して)これがKINGCRIMSONが使ってたMellotronだ。 だが、その前はMOODY BLUESのものだった。 「Nights in white satin」はこれでプレイしたんだ。 その後(KINGCRIMSONの)Ian McDonaldに売られたんだ。 オレは彼からこれを買った。」

(画像右/Vincent Galloの自宅スタジオ、ローズ・ウッド?仕上げのMellotron M400Sと白いMellotron M400S)

2001年10月22日
キーボードマガジン(2001年10月号)
 小室哲哉さんの特集でしたので、きっとMellotron MARK VIが見れるかと思えば、残念スタジオの奥へ押し込められて写真は無し。 ヨシンバのニューアルバム「ハズムリズム」収録の「あてのないままで」では自前のMellotron M400Sを使用しているとの事。

(画像左/ヨシンバの吉井さんと西村さん、後ろにMellotron M400S)

 以下キーボード西村さんのコメント
「(入手は)今年の2月くらいです。 最初はホコリだらけで、すぐには使えない状況でした。 また、夜中に知人とふたりで運んだのですが、いろんなところに蓋が付いていて、しかもそれがすごく外れやすいんですよ。 もう、どこを持てばいいか分からないし、持ったところはすぐ外れるしで、元通りになるのか不安でした(笑)。」「フルートとチェロとバイオリンのテープが入っています。 音程なども大変でモーターが温まらないとピッチが安定しないので、スイッチを入れてから10分くらい待たなくてはいけません。 あと、テープやヘッドの劣化もひどいのでノートによってはすごくこもっていたりもします。 ノイズも多いですよ。 でも、それが味になってるんだから卑怯な楽器ですよね(笑)。」

(画像中/西村さんの自宅スタジオ、右にMellotron M400S)
(画像右/巻末に掲載されていたステキなイラスト)

2001年10月22日
The Beatles(1998年8月号)
 The Beatles Club発行オフィシャル月刊誌の使用楽器研究/Part13 Mellotron特集です。 さすが本家?あらゆる文献を照らし合わせて非常に正確な文章でMellotronを解説しています。 また過去の文献でThe Long And Winding RoadのコーラスがMellotronであるという説を生コーラスだという事で否定しています。 EMIオークションでMIKE OLDFIELDが落札したFX Consoleは現在Paul McCartneyが所有していると書かれています。

(画像右自身のドキュメンタリービデオ「IN THE WORLD TONIGHT」でMARK Vを操るポール)

 文章中に「さまざまな楽器の音を1台のキーボードで出せるという点で、まさに夢のような楽器であった」とある。

2001年10月19日
サウンド&レコーディング・マガジン(1995年2/3月発行)
 2号連続の特集、ヒストリー・オブ・タンジェリン・ドリーム。 ディスコグラフィーに合わせて機材の変遷が克明に紹介されています。 Edgar Froeseは、「ATEM」でMellotronを導入した事は最大の変化だったと言い、Chris Frankeは「EXIT」でMellotronにセルフレコーディングしたテープをセットし演奏したと記憶している、とある。

(画像はMellotron MARK Vを操るEdgar Froese)

2001年10月18日
KORG Prophecy&TRINITY スーパー・オペレーションブック(1996年1月発行)
 KORG SynthesizerのHOW TO本。 近代シンセの母体として歴史の最初に紹介されていて、KINGCRIMSONやKRAFTWERKを引き合いに出して解説しています。 Prophecyのセッティングチャートでは、TANGERINE DREAM「Phaedra」風のMellotronサウンドが紹介されています。

2001年10月16日
ジェネシス写真集(1985年1月発行)
 GENESISを長きに渡って追い続けたカメラマン、Armando Galloの写真集。 KINGCRIMSONから譲り受けたMellotron MARK IIを駆使して「Watcher of the skies」等の名曲を生んできたTony Banks、1978年のセッティング。 下段左手にMellotron M400Sがある。 Tony Banksの白いMARK IIは現在、Moog CookbookのBrian Kehewが所有している。

(画像右/黒パネルのMellotron M400S)

2001年10月13日
キーボードマガジン(1986年4月号)
 キーボードマガジンの今も続く、企画「MY KEYBOARD ROOM」の第4回は、日本のマルチ・キーボーディストの草分け的存在の深町純さんの特集。 部屋中所狭しと置かれるキーボード群の中にありましたMellotron M400S。 以下深町氏のコメント
 「Mellotronはロンドンで買ったんだけど、買った当時でも笑っちゃうような楽器だった。 日本人だったらまず作らないだろうね、あんなばかばかしい楽器は(笑)。 今でもEmurator llにサンプリングして使ってるけど、それなりにいいものを持っていると思う。 もちろん"オーケストラの音を1人で出したい"というのが原点にあるんだろうけど、"お金がないからこれで我慢しよう"というのじゃないんだよね。」 ちなみに日本に最初に入ってきた物だそうです。

(画像右/深町氏所有の Mellotron M400S)

2001年10月12日
Fool's Mate Vol.12(1980年5月号)
 プログレだった頃の Fool's Mate。 大田区に新設された「Moonchild Studio」が当時の新月のディレクターによって紹介されている。 以下抜粋
 「Moonchild Studioの代表である竹中氏は、自分でもヨーロッパ指向のロックグループをやっておられ"Moonchild"というスタジオ名や、Mellotronを常備しているなどということからも、その斬新な指向がうかがわれる。」

(画像中、右/スタジオに設置されるMellotron M400S)

2001年10月12日
レコード・コレクターズ(2000年1月号)
 クリムゾン・キングの宮殿特集の中の一つ「哀愁を帯びた音色でRock史に名を残すヴィンテージ・キーボード、Mellotron」。 歴史背景や構造解説等、限られた誌面でここまで正確にまとめた難波弘之さんの熱意はすごい。 Mellotron文献の決定版といっても言い過ぎではないでしょう。 入魂の文末にはこうある「Mellotronに限らず60〜70年代は、楽器に関する情報が少なく、用語の意味を理解しないまま訳した奇怪な解説や、ミュージシャンや開発者のホラやジョークをまともに取った「Mike PinderのMellotronはPINDERTRONと呼ばれる特注品」と言った噴飯ものの誤った言説が横行した。 モンドだかラウンジだか知らぬが、フォロワーの人たちに、当時の音楽雑誌や邦盤ライナーを鵜呑みにしていい加減な知識を吹聴しないよう、釘を刺しておこう。」とある。 20世紀の迷走したMellotron伝説もここに完結か。

(画像右/文中掲載されているP.F.M.「友よ」の内ジャケ。トップカバーを外したMellotron MARK II)

2001年10月10日
誰にでもわかるシンセサイザー入門(1977年11月発行)
 学校教育にシンセサイザーを導入するため尽力してきた、鈴木寛氏著、音楽之友社発行の教則本。 モーグ博士や冨田勲氏と親交が深く、内容は丁寧且つ非常に充実しています。 当時神戸の中学校教師をされており、授業にそれらを取り入れていたようで、Mini Moog、YAMAHA SY-1、Roland SH-1000等を合奏! する女子中学生の写真も掲載されています。 本書の中で、発信の原理と人声の合成の2項目でMellotronを取り上げていますが、出ている写真はトロント大学でのMellotron原理モデルなるものとVAKO ORCHESTRON。 注釈には「ディスク式の Mellotron(レーザー光線で検出する)Mellotronは商品名なのでMellotronとはいわない」とある。

2001年10月9日
アビイ・ロード−ザ・ビートルズ最後の伝説(1985年10月発行)
 月刊宝島発行のBEATLES翻訳本。 筆者がイギリスEMIの人なのでEMIレコーディングスタジオでの一部始終が克明に記録されています。
 1980年10月15日と16日の両日に渡って、EMI第1スタジオにミキサーやレコーダー等の機材が所狭しと並べられ、オークションにかけられました。 EMIの屋上にスタジオを新設するため、機材保管庫がなくなったためだそうで、BEATLESゆかりの灰皿やスタジオ名物の固いトイレットペーパー等も高額で落札されました。 もちろんBEATLESがレコーディングに使った「Mellotron FX Console」も出品されており以下の落札結果になったそうです。うらやましい限り。 本文抜粋「BEATLESが使用した電子音楽楽器メルトロン・テープオルガン(オリジナルテープ付き)は、ロックスターのMIKE OLDFIELDが千ポンドで落札した」

2001年10月8日
日刊スポーツグラフ 1976楽器の本(1976年6月発行)
 プレイヤー・コーポレーション発行のムック。 ギターがメインの構成だが、そんな中でもMellotronを大きな写真で取り上げたのは素晴らしい。 カラー写真はなぜかトップカバーが外されているが、あのアングルなら外さないと味気ないという事でしょうか。 最後にMOODYBLUESのMike Pinderがカセットテープ式Mellotronを開発中とあるが、これは後の8トラックテープを使用したBIROTRONの事を言っていたのでしょう。

2001年10月6日
広告の中のMellotron[1]
 1975年Rick Wakeman地底探検ツアーのパンフレット内の一項。 高級車輸入等の総合商社である、Cones and company Limitedの子会社「株式会社CMC」の広告です。 全国有名楽器店で発売中!!ローンも取り扱っております。・・・とある。 パンフレットに合わせて主要ユーザーである、Rick Wakemanの写真を大々的に載せて、気合十分。 価格887000円。

2001年10月3日
marquee 044(1992年8月号)
 特集 こだわり感覚「私とMellotron」 Mellotronとの出会いと、当時日本で未発売だった、Mellotron Rockを多数紹介しています。 当時、音源紹介を参考にレコード屋を巡らせていただきました。 先人の努力に感謝。

2001年9月17日
キーボードマガジン(1998年10月号)
 「Mellotron Complete History」 Mellotronファンが渇望していた企画がこれだったのではないでしょうか? 同じく「ビートルズ・マジックを支えたキーボード」なる企画もあり、Mellotron2大特集の様相を呈しています。 いろいろな専門誌やHP、研究家の成果でMellotronの歴史や機種の全貌が明らかになり、歴史を俯瞰出来る記事が載せられる時代になった証拠だと思います。 それまでのMellotronに関する雑誌記事はユーザー(アーティスト)の使用状況や憶測の域を出ないMellotronの歴史を記述するのみで非常に信頼性の低いものでした。 Mellotronの版権を所有するDavid Kean氏の解説は資料性が高く必見です。

2001年9月16日
VINTAGE SYNTHESIZERS(1994年4月発行)
 私をこの道へ引き込んだ一冊。 リットーミュージック「ビンテージ・シンセサイザー」です。 もともと私はKINGCRIMSON、GENESIS、YES等の熱心なプログレファンでMellotronの存在は知っていたのですが、楽器自体を解説する本があるなんて夢にも思いませんでした。 その頃は、キーボードマガジンも読んでいませんでしたので、この本を手に入れて急に「伝説の楽器」が身近な存在になりました。 Mellotronと言えば、一番有名な「M400S」だけと思っていたら、姉妹機がたくさんあるのにビックリ! BEATLES、Original KINGCRIMSON、MOODYBLUES等が使用し有名な「MARK II」BARKLEY JAMES HARVESTの「MODEL300」Rick Wakemanの「M400S」後期ZEPPELINの「MARK V」それに「T550」や「4TRACK」等など、もう目が回りそうです。 その詳細な解説もさる事ながら、現在でもパーツやテープが入手出来る事がわかってしまったからには、居ても立ってもいられません。 また、Mellotronの設計母体であるChamberlinや、8トラックカセット式のBIROTRON、光学式Mellotronたる、OPTIGAN、ORCHESTRONの存在を知ったのも本書です・・・これがMellotron道の始まりです。

2001年9月13日
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