ARTIST INDEX

■ CDS&RECORDS [7/10]
Mellotronが流れる J-POP
「MIO/a Puzzle」(1999年 JAPAN/画像左)

 現在まで3枚のアルバムをリリースしているMIOのデビューシングル。 UAを思わせる泥臭さが魅力的な彼女の歌声には、Mellotronストリングスの清涼感が上手いバランスをみせます。 ややヨレ気味のMellotronストリングスで曲は始まり、曲中もメインテーマをリードします。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「RAG FAIR/Air」(2003年 JAPAN/画像右)

 アカペラブームの急先鋒、ヒットシングル5作を含む1stアルバム。 歌声だけでなく、楽器にもこだわりをみせたと言う楽曲には、Mellotronフルートと逆回転風Mellotronストリングスが大活躍する「ALL ABOUT LOVE」が収録されています。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2003年6月2日
幻想惑星
「Jean-Michel Jarre/Oxygene」(1976年 FRANCE)

 Vangelisや冨田勲と共に、世界的に認知されているシンセサイザー奏者Jean-Michel Jarreのデビューアルバム。 現在もMellotronを使用し続けている彼の楽器クレジットには、様々なシンセサイザー、リズムマシンに混じって、Mellotronも準備されています。 わき上がる音のイメージがよどみなく流れるOxygene Part I〜VIまでのトータルイメージの楽曲中、Part IIの音群にMellotronクワイアがゆらゆらと揺れています。 シンセサイザー中心のアーティストでも、クワイアの音源はMellotronを使用する例が少なくありません。 やはり、磁気テープを再生するという原始的なMellotronでも、あらゆる音を合成できると謳われたシンセサイザーには変えがたい魅力があるのです。

2003年5月29日
ツァラトゥストラ組曲
「MUSEO ROSENBACH/Zarathustra」(1973年 ITALY)

 哲学者ニーチェの叙事詩「ツァラトゥストラはかく語りき」をモチーフにしたトータルアルバム。 キーボーディストPit Corradiの暴力的なMellotronの嵐を始めとする楽曲の重厚さと緊張感は、聴く側にもそれなりの心の準備が必要な程です。 アルバム冒頭はからMellotronフルートに始まり、エンディングはMellotronストリングスで迎えるという、全編濃密、且つ美しいMellotronロック。 演奏力も曲構成も申し分なく、イタリアンシンフォニックロックの名盤として誰も疑う人はいないでしょう。

2003年5月29日
サイケデリックXTC
「THE DUKES OF STRATOSPHEAR/25 O'Clock」(1985年 UK)

 XTCの変名サイケデリックバンド。 キーボードのDave GregoryはLoad Conelius Plumと名前を変えて、Mellotronをはじめ、ピアノやチープなオルガンサウンドを奏でています。 収録曲「My Love Explodes」では、焼けつくようなMellotronストリングスを使用、「What In The World??...」では、音が渦巻くサイケサウンドの中にMellotronクワイアを無気味に忍ばせています。 「The Mole From The Ministry」では大音量のMellotronストリングスを中心に、Mellotronフルートの早弾き、Mellotronチェロと、Mellotron三昧でお腹がいっぱいになります。 本気の逆回転サイケサウンド満載の好盤。

2003年5月28日
ストローブス
「STRAWBS/From The Witchwood」(1971年 UK/画像左)

 Rick Wakeman正式加入後唯一のスタジオアルバム、STRAWBSの5作目。 フォーク、トラッドを基調とした牧歌的なムードの中、Rickのピアノ、ハープシコード、HAMMONDオルガン、Mellotronが要所を引き締めています。 「The Shepherd's Song」では、リリカルなピアノにのせて中盤からMellotronストリングスが全面に使用されています。 近年の手癖、弾きまくりのRickからは想像できない「引きの美学」を感じさせる演奏はバランスのとれた大変美しいものです。

「STRAWBS/Bursting At The Seams」(1973年 UK/画像右)

 ジャケットに、高揚したステージフォトを使用している事からもわかるとおり、フォークからロックへの接近を感じさせる7thアルバム。 労働組合員の悲哀を歌った「Part Of The Union」等、詩的、文学的世界からの脱却を試みた曲も含まれています。 前作「Grave New World」から加入した、Blue WeaverはRick在籍時よりも遥かに多くMellotronを使用しています。 10曲中5曲に惜し気もなくMellotronストリングス、クワイア、フルートが使用されており、Dave Cousinsの味わい深いヴォーカルと共に、いかにも英国的な情緒を表現しています。

 STRAWBSは1978年のアルバム「Dead Line」まで、Mellotronを全面的に使用しており、Mellotronを使用したアーティストの重要な存在である事は間違いありません。

2003年5月28日
モントローズ
「MONTROSE/Paper Money」(1974年 USA)

 アメリカンハードロックバンドMONTROSEの2ndアルバム。
収録曲「We're Coming Home」では、ゲストのNick DeCaroがMellotronを演奏しています。 この曲はヨレたMellotronフルートの囁きに始まり、その後Mellotronストリングスが全面に登場する美味しい二段構成になっています。 ROLLING STONESのカバー「Connection」では、Mellotronストリングスが導入されています。 こちらにMellotronのクレジットはありませんが、BassとSynthesizerを担当する、Alan Fitzgeraldが演奏しているのでしょうか? Ronnie Montroseの美しいギターでじっくりと聴かせる曲調を、Mellotronストリングスの切ない悲鳴がテンションを高めています。

2003年5月27日
ムーグクックブック
「THE MOOG COOKBOOK/The Moog Cookbook」(1996年 USA/画像左)

 元JELLY FISHのRoger Manningと、Mellotron Archives、David Keanの片腕Brian Kehewのコンビで、MOOGシンセサイザーをはじめとするヴィンテージキーボード、ギターシンセサイザー、リズムマシンだけを使用して送る、脱力系テクノミュージック。 有名ヒット曲のカバーで網羅されたクレジットには、Mellotronの名前も見つける事が出来ます。 「Come And Play」にはフェイザーを効かせたMellotronクワイアを使用し、「Free Fallin'」では無気味なMellotronクワイアの低音でエンディングを迎えます。 また、「Rockin' In The Free World」ではデジタルMellotronたる360Systemsのフルートが導入されています。

「THE MOOG COOKBOOK/Plays The Classic Rock Hits」(1997年 USA/画像右)

 前作と同様、有名ヒット曲を網羅した2ndアルバム。 こちらにはMellotronにとって替わり、Chamberlin M2とRhythmate(テープ式リズムボックス)が導入されています。 「Sweet Home Alabama」の終盤には無気味なChamberlinクワイアを導入。 様々な曲調に展開する「Hotel Calirornia」では、カントリースタイルの部分に、Chamberlinギターをピッチコントロールで演奏し、スライドギターを表現。 その後のストリートオルガンスタイルでは、Chamberlin Rhythmate独特のリズムパターンにのせて、Chamberlinストリングスがリズムを刻みます。 最後のスカスタイルでもChamberlinクワイアでリズムを刻む面白い演奏を聴く事が出来ます。

 レコーディングで使用された途方も無い数のレアな楽器は、Brianらが所有するAUDITIES Classic Keyboard Studio(現BOMB FACTORY)のコレクションを使用しており、1stアルバムのクレジットには堂々と「No MIDI」と記載されています。 シンセ、テクノファンも納得のマニアックさと、誰もが楽しめるノー天気さを兼ね備えた推薦盤。

2003年5月21日
ウイングス
「PAUL McCARTNEY AND WINGS/Red Rose Speedway」(1973年 UK/画像左)

 ヒットシングル「My Love」を含むWINGS名義の2作目。 アルバム後半メドレーの「Lazy Dynamite」「Power Cut」には、美しいMellotronストリングスが使用されています。 後のWINGSのライヴでもっぱら使用したMellotron MARK Vは、1975年の発表ですのでレコーディングには恐らくMARK IIを使用したのではないでしょうか。

「PAUL McCARTNEY AND WINGS/Wings Over America」(1976年 UK/画像右)

 1976年のWINGSアメリカンツアーの模様を収めたアナログ3枚組アルバム。 Mellotron MARK V、Mini MOOG、HAMMOND B-3、Rhodes、Solina、Clavinetをずらりと並べた、超豪華なキーボードの要塞に収まるのは、愛妻Lindaです。 「Spirits Of Ancient Egypt」ではMellotronストリングスがゆらゆらと悲鳴を上げ、「Live And Let Die」では豪快なMellotronストリングスの合間に、Mellotronソロバイオリンの音源も使用しているようです。 「Silly Love Sonng」では、サビの「I Love You...」のバックをはじめ、大々的にMellotronストリングスを使用し、ムードを盛り上げています。 アルバムラストの「Soily」で聴こえるストリングスサウンドは恐らくSolinaかと思います。 Lindaのキーボードテクニックに特筆する部分はありませんが、Paulの甘いメロディに乗るヨレたMellotronサウンドの心地よさは、たまらないものがあります。

資料提供 Brother of mine氏

2003年5月18日

「猫/二枚目」(1973年 JAPAN)

 吉田拓郎のバックバンドを経て、同じく吉田拓郎のアルバム「青春の詩」収録「雲」のカバーでデビューしたフォークグループ。 2ndアルバムには3曲にMellotronが使用されています。 やなせたかしさん(アンパンマンの作者?)作詞の「えくぼの唄」では、なんと柳田ヒロさんの演奏による冷ややかなMellotronフルートが導入されています。 「小さな店で」では、中島みゆきの大ヒット曲「地上の星」等の編曲で有名なアレンジャー瀬尾一三さんの演奏で、Mellotronストリングスの嵐が吹きます。 「Kiss」では、柳田ヒロさんと瀬尾一三さんの二人のクレジットでMellotronフルートが細かくリズムを刻んだり、ストリングスがバックを流したりします。 レコーディングはCBSソニー第一スタジオとなっています。

2003年5月14日
マリリオン
「MARILLION/Market Square Heroes」(1982年 UK)

 本家GENESISがポップ化する中、70年代のGENESISを彷佛とさせるプログレッシヴロックスタイルでデビューしたMARILLION。 17分を超える大作「Grendel」を含む彼等のデビューシングルの12インチバージョン。 Fishの演出過剰なボーカルや、Mark Kellyの重厚長大なキーボードフレーズ、きらびやかなアコースティックギターやボリューム奏法等、本家GENESISにも劣らないプログレスタイルの中、「Three Boats Down from The Candy」ではMellotronフルート、「Grendel」ではMellotronストリングス、クワイアが使用されています。

2003年5月8日
MARK IIのリズム&フィルを楽しむ
 35鍵づつ左右に分割された鍵盤を備えるMellotron MARK IIは、右鍵盤にストリングスやフルート等のリード楽器音源、左鍵盤には様々なリズムパターンやフィルインのフレーズがセットされています。

「George Harrison/Wonderwall Music」(1968年 UK/画像左)

 Jane Birkin主演のサイケデリックムービー「Wonderwall」のサウンドトラックとして発売されたGeorgeのソロ第一弾、そしてAppleレコードの記念すべき一作目。 それまで探究してきたインド音楽の帰結として、シタール、タブラ、ハーモニウムが全面に使用されています。 「Red Lady Too」ではTony AshtonがMellotronフルートで無機的にコードを刻んだり、「Drilling A Home」ではMARK II独特のディキシーランドリズムが大々的に使用されたり、Mellotronもインド楽器の存在感に負けないほど積極的に演奏されています。 「Greasy Legs」ではMellotronヴィブラフォンとフルートが幻想的な世界を作り、「Wonderwall To Be Here」ではピアノとの絡みでドラマティックなMellotronストリングスが終盤を盛り上げています。 先進性とサイケデリックテイストがGeorgeのバランス感覚でまとめられた、大変心地よい好盤。

「KING CRIMSON/Epitaph Live 1969」(1997年 UK/画像右)

 EURO-ROCK PRESS(2001年11月発行)のインタビューでも、Mellotron MARK IIのリズムトラックを使用したと答えているIan McDonaldは、その通りオリジナルKINGCRIMSONの初期ライブにおいて、左鍵盤のリズム&フィルを演奏しています。 「Mars」の導入部となる10曲目「Improv-Travel Bleary Capricorn」で、BEATLES「Continuing Story Of Bungalow Bill」と同じ、スパニッシュギターのフレーズや、ボサノヴァのエンディングフィルなどを大胆に楽しんでいます。

George Harrison 資料提供 Brother of mine氏

2003年4月27日
オザンナ
「OSANNA/Palepoli」(1973年 ITALY)

 映画のサウンドトラックだった「Milano Calibro 9」を経て発表された、3rdアルバム。 イタリアナポリ方言で歌われるアルバムオープニングから、演劇性や呪術的なムードが大きく前面に出ています。 クラシカルなムードから一転してロックのダイナミズムに変貌する、叉はその逆の緩急がとても心地良く、非常にいきいきとしたエネルギーに満ちています。 Lino Vairettiの演奏するMellotronも、全曲にわたって大々的に使用されており、期待を裏切りません。 ブリティッシュロックからの影響も感じられ、まんまKINGCRIMSONのフレーズも出て来たりしますが、管楽器やMellotronの絡みは物まねの域では無く、高い基準で評価できるものだと思います。 イタリアンロック絶頂期の名作群に埋もれることのない傑作。

2003年3月19日
世良公則&ツイスト

「ツイスト/性(サガ)」(1978年 JAPAN)

 「Wowoh、Wowoh、耐えきれず、落とした涙、このまま酔わせてよ・・・」 やさぐれ女(死語)の言葉をロックにのせて歌う、世良公則&ツイスト。 「あんたのバラード」「宿無し」「銃爪(ひきがね)」の連続ヒットに続くシングルで、2ndアルバムに先駆けてリリースされたシングルバージョン。 キーボードの神本宗幸さんが、いいムードのオルガンと併せて、間奏とエンディングにMellotron 3ViolinsとCelloの美しいアンサンブルを演奏しており、特にMellotron Celloのベースラインは大変心地良いものになっています。 神本さんは、ツイストを経て、後期オフコースのツアーサポート、燦燦スーパーユニット(渡辺香津美、野村義男、等のプロジェクト)、大黒摩季のツアーや、A.B.C.(LINK参照)、世良公則with櫻井哲夫(元CASIOPEA)のアコースティックユニットで現在も精力的に活動されています。 シリアスなMellotronサウンドは、情念の世良ROCKと良い相性を見せています。

2003年3月16日
シャーラタンズ
「THE CHARLATANS/Wonderland」(2001年 UK)

 現時点での最新オリジナルアルバムは、前作のストレートさに比べて、様々な小技が目立つ凝った録音になっています。 キーボードのTony Rogersは、1963年型のMellotron(MARK IorII)を所有しており、前作から積極的に楽曲へ導入していますが、本作では、あからさまな使用は少なくなってはいるものの、楽曲の色合いを決定する重要な部分に、巧みにMellotronを配しています。 「And If I Fall」では、サビのバックにMellotronフルートの低音部がゆらゆらと響きます。 「Is It In You?」ではのっけからMellotronフルートで始まり、バックでは常時Mellotronストリングスが飛び交っています。 アルバム1曲目「You're So Pretty-We're So Pretty」冒頭の不自然なピアノシーケンスは、もしかしたらMellotronのピアノ音源かもしれません。 独特のクリックや音のもつれ具合は怪しい雰囲気です。

2003年3月14日
シンフォニックスラム
「SYMPHONIC SLAM/Symphonic Slam」(1976年 CANADA)

 カナダのヘヴィ・シンフォニックロック名盤。 アルバムオープニング「Universe」、エンディング「How Do You Stand」に、後にRAINBOWへ加入するキーボーディスト、David Stoneが弾いていると思われるMellotronクワイア、フル−トが流れています。 しかし、目玉はヴォーカルとギタ−のTimo Laineが演奏する、360 Systems社のギターシンセサイザーで、このシンセの重奏がアルバム全体を埋め尽くしています。 360 Systems社は、フルート、チェロ、ヒューマンヴォイス、ブラス、ギタ−、ピアノ、オルガン等、50を超える楽器、人声音をスタジオ録音し、そのノンループ音源をデジタルメモリーにより供給する、360 Systems Digital Keyboardをリリースしています。 それはまさにデジタル式のMellotronであり、カタログにも「これはシンセサイズされた音では無く、本物の楽器音なのです」とMellotronと同様の宣伝コピーがあります。 David StoneのクレジットにはMellotronとは明記されていませんので、Timo Laineのギターシンセの音源にクワイアやフルートの設定があり、前述のMellotronらしき音も、すべてこの360 Systemsから発せられたとするのはちょっと深読みしすぎでしょうか。 アルバムの完成度は非常に高いものです。

2003年3月14日
デヴィッド・ボウイ
「DAVID BOWIE/Diamond Dogs」(1974年 UK/画像左)

 ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984」をヒントに制作された74年作品。 「Ziggy Stardust」での宇宙人を演じ終え、カバーアルバム「Pinups」を経て、今度は終末の地球にダイアモンドの犬として現われました。 オープニング「Future Legend」のMellotronストリングスに始まり、「Sweet Thing」の小刻みなMellotronフルート、そして「Sweet Thing(reprise)」でのMellotronフルートによるエンディングとなる一連の流れは、プログレッシヴロックとしても十分機能しています。 後半「Big Brother」での無気味なクワイアなど、飛び道具としての役割もMellotronは十分果たしています。 MellotronのクレジットはBowie自身になっています。

「DAVID BOWIE/David Live」(1974年 UK/画像右)

 大規模なステージが話題を呼んだ、1974年フィラデルフィアの演奏を収録した、Bowie初のライヴアルバム。 キーボードのMike GarsonがMellotronを導入しています。 「Moonnage Daydream」「All The Young Dudes」でMellotronストリングスを聴く事が出来ます。 Bowieはその後もレコーディングに、MellotronやChamberlinを使用しており、プロデューサーのTony Viscontiの弁によれば、現在もChamberlinを大切に所有しているとの事です。

資料提供 カワカタ氏

2003年3月14日
キングダムカム
「ARTHUR BROWN'S KINGDOM COME/Journey」(1973年 UK/画像左)

 サイケデリック、アートロックの奇才Arthur Brownが、当時の最新兵器だったリズムマシンを全面に導入して、シンセサイザーやMellotron、SEが飛び交う楽曲をクールにまとめたスペースロック名盤。 表層的には外的宇宙へ向かうかのような派手な音作りですが、内的宇宙への探究も想起させる内容は聴き応えがあります。 キーボードのVictor Perainoは、Mellotron、ピアノ、シンセサイザーに加えてテルミンを導入して、独自の世界観を形成しています。 収録曲「Gypsy」「Superficial Roadblocks」「Spirit Of Joy」で、Mellotronストリングス、フルートをはじめ、様々な音源を堪能できます。

「VICTOR PERAINO'S KINGDOM COME/No Mans Land」(1975年 USA/画像右)

 現在もアメリカで、Diversion Studioのオーナー、プロデューサーとして活動するVictor Perainoは、Arthur Brownとの活動後、アメリカはデトロイトへ戻り、自らのKINGDOM COME作品を手掛けます。 この作品は、ARTHER BROWN'S KINGDOM COMEとほぼ同傾向なスペーシーな内容でありながら、生のドラムスを全面に出してロック色が強く、全曲徹頭徹尾Mellotronが流れる音源として特筆すべきものです。 微妙にフェイザーのかかった重量級Mellotronと、極太シンセのうねりが寸分の隙間も無く流れる楽曲は、恐ろしく濃厚で充実しています。

2003年3月13日
Mellotronが流れる J-POP
「高野寛/Thanks」(1992年 JAPAN/画像左)

 Todd Rundgrenのプロデュースだった前2作を経て、セルフプロデュースで、制作された5thアルバム。 収録曲「島」では、中間1フレーズのみ明らかにMellotronを思わせるフルートが入り、これまたMellotronような独特のストリングスソロでエンディングとなります。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「宇多田ヒカル/SAKURAドロップス」(2002年 JAPAN/画像右)

 テレビドラマの主題歌としても話題となった、彼女の11thシングル。 ふわふわと揺らいだ、春らしいイントロに導かれ、中間部ではMellotronフルートがリズムを刻みます。 レコーディングに本物のMellotronを手配できず、サンプルの音源を使用したとの事です。

2003年3月7日
恐怖の旋律
「V.A./...e tu vivrai nel terrore」(1998年 V.A.)

 イタリアBlack Widowレーベルの、ホラー映画サントラトリビュート作品。 150分を超えるCD2枚組には、29組のアーティストが参加しており、Mellotronや、それに準ずる音源を使用した作品が多数あります。 70年代ハードロックスタイルで人気のSTANDARTEは「Necropolis incle.Verso l'Ignito」で、冒頭からキーボードのMichele ProfetiがMellotronフルートでメロディを奏で、Mellotron 3Violinsを重ね、終盤はMellotronクワイアを使用する大サービス。 ANEKDOTENとLANDBERKの合体バンドMORTE MACABREは「Irrealta Di Suoni」で、ループさせたMellotronクワイア音源の上に、Mellotronフルートでメロディを乗せると言う、相変わらずの暗黒ぶりを発揮。 Nicklas Berg、Stefen Dimle、Reine Fiske、Peter NordinsのメンバーすべてがMellotronを演奏しています。 イタリアのABIOGENESIは「Belfagor」で、クワイア音源が固めるバックに、ソロバイオリン音源でリードをとっています。 ロンドン出身のサイケバンドSUN DIALは「Theme From Psychomania」の冒頭から、Gary Ramonがボリュームコントロールで揺るがせたMellotronチェロの低音部を使用し、中盤以降Mellotronブラスを重ねています。 Mellotronとホラー映画のサントラ(叉は架空のサントラ)は、非常に相性が良いですね。 MORTE MACABREが、その勢いでオリジナルアルバムに発展した理由がわかります。

2003年3月4日
アスガード
「ASGARD/Tradition & Renouveau」(1978年 FRANCE)

 幻想的なジャケットが印象的な、フランスのフォーク・トラッドバンドの2ndアルバム。 収録曲「Les Landes Hharou」では、アコースティックギターのつま弾きに導かれて、フランス語の語りまで入る穏やかさですが、ドラムスやMellotronのクワイアが重なるにつれて盛り上がって行きます。 さり気ないMellotronは、聴き疲れのない優美で繊細なものです。

2003年3月3日
同名異バンド
「ASIA/Armed To The Teeth」(1980年 USA)

 1979年録音の1stアルバム「ASIA」と、1980年録音の2nd「Armed To The Teeth」をまとめた、2in1CD。 あのASIAとは同名異バンドの元祖ASIAは、元WHITE WINGのメンバーらが結成したアメリカンハードポップバンド。 KANSAS、STYX、JOURNEYを凌ぐ、恥ずかしい程ドラマチックな世界を構築していて、もはや戦隊モノの主題歌かと思わせる勢いです。 1stからは「The Taiming Of The Bull」で、コーラスが掛けられた華やかなMellotron 3Violinsを堪能できます。 2ndアルバムは、冒頭から雷鳴と豪雨のSE(これもMellotron?)に始まり、全曲にやたらとMellotronが多用されており、聴きどころに事欠きません。 ラストのバラード「The Bard」では、Mellotron 3Violins、Cello、Fluteの王道アンサンブルをじっくりと堪能できます。 リードギターのMike CoatesがMellotronを担当しています。

2003年3月3日
オセアニア2態
「RAGNAROK/Nooks」(1976年 NEW ZEALAND/画像左)

 ニュージーランドのシンフォニックバンド、RAGNAROKの2ndアルバム。
YESやGENTLE GIANT等と同様の、硬質で切り返しの多い展開ですが、アイデア先行に陥らず、しっかりとした演奏技術で高度にまとまっています。 脱退した女性ヴォーカルから、男性ヴォーカルに変わった事で、全体が更に引き締まった印象です。 「Water Fall」でのMellotronストリングス、コーラスの全面使用は、豊かな展開のアレンジと相まって、スリリングで聴き応え十分です。 キーボードはAndre Joyetが担当しています。

「ALEPH/Surface Tention」(1977年 AUSTRALIA/画像右)

 オーストラリアのツインキーボードバンド。 テクニカル且つドラマチックな内容は、いわゆるアメリカンプログレの質感に近いかと思います。 ピアノがメインのキーボーディストと、シンセとMellotronのキーボーディストの住み分けがあるようで、リリカルなピアノにMellotronストリングスが上乗せされ、それに泣きのギターが加わる分厚い音圧は、なかなかのものです。 アルバム冒頭「Banshee」から、動きのある豪快なMellotronが聴け、得に中盤からエンディングにかけてのMellotronストリングスは、一聴に値する名演です。 キーボードクレジットは、Mary-Jane CarpenterとMary Hansenとなっています。

2003年3月2日
サンクチュアリ
「SANCTUARY/Sanctuary」(制作年不明 USA)

 アメリカ自主製作のプログレシッヴロック、隠れた名盤。 全収録曲にEric Bikalesの演奏するMellotronが、たっぷり使用されています。 オープニング「All In My Dreams」では、非常に良い音でMellotron 3Violinsの味わい深い演奏を聴く事が出来、素朴な曲に華やかさを加えています。 エレクトリックピアノの導入や、クールでありながら人なつっこい感触は、カンタベリーの匂いも感じさせます。 YESのカバー「Time And A Ward」も収録されており、こちらもMellotron 3ViolinsとCelloが使用されています。 アルバムB面を費やした大曲も出来が良く、埋もれるには惜しい作品だと思います。

2003年3月2日
タンクス
「T.REX/Tanx」(1973年 UK)

 大ヒットアルバム「Electric Warrior」「The Slider」を経て、Tony Viscontiが単独でプロデュースした最後の作品。 ストリングスアレンジの独自性において抜きん出ているTonyは、このアルバムでも、生のストリングスとMellotronを巧みに使い分けてアレンジしています。 アルバムトップの「Tenement Lady」からMellotronストリングスが全開で、間奏ではフェイズシフトをかけたMellotronを使用して、T-REXのグロテスクな美しさを強調しています。 珍しくハッピーで穏やかな曲調の「Mister Mister」では、Mellotronストリングスに始まり、曲中はMellotronフルートがリズムをとり、Mellotronのグリッサンドとアドリブでエンディングとなります。 「The Street & Babe Shadow」でも、バックにMellotronフルート(ストリングスも?)が流れ、キ−クリック音もかすかに聴き取れます。 「Highway Knees」では、Mellotronストリングスが大々的に導入されており、フルート音がリードをとります。 このフルートは、曲中の音から察するにMellotronでは無いようなのですが、混沌として終わるエンディングでは、明らかにMellotronフルートが使われているのがわかります。 Mellotronにこだわった病的なストリングスアレンジと、T.REXのブギーとの組み合わせは、今も強烈な魅力を放っています。

資料提供 カワカタ氏

2003年2月28日
マイケル・ジャクソン
「MICHAEL JACKSON/Dangerous」(1991年 USA)

 蒼々たるメンバーがバックを固めるMichaelの1991年作品。 シリアスな印象の収録曲「GIVE IN TO ME」では、Bill Bottrellがすべての楽器をこなし、Mellotronまで導入しています。 曲の出だしからピッチコントロールで味付けされた、Mellotronストリングスが演奏され、曲中も大々的に使用されています。

2003年2月28日
西暦2112年
「RUSH/2112」(1976年 CANADA)

 DREAM THEATER等のハード・プログレッシヴ・ロックの源流として、現在も精力的に活動を続ける、RUSHの4thアルバム。 アルバム前半は、ドラムスNeil Peartの哲学的ストーリーを元に展開するコンセプト作品になっており、後半はコンパクトな曲が並ぶ構成になっています。 アルバム終盤に収録される「Tears」は、ヴォーカル&ベ−スのGeddy Leeのペンになるバラードで、ジャケットデザインも手掛けたHugh Symeが、Mellotronフルートとストリングスの美しいアンサンブルを演奏しています。

2003年2月25日
アメリカを探しに
「YES/アメリカ」(1972年 UK/画像左)

 Rick Wakemanの加入、「Fragile」のレコーディングを経て、上昇気流に乗るYESが、アトランティックレコードのコンピレーションアルバム「The New Age Of Atlantic」に提供した1曲。 SIMON AND GARFUNKELのシンプルなオリジナルに、アートロック的なYES流アレンジを施した曲中には、RickのHAMMONDやMellotronが炸裂しています。 ストリングスとブラスをミックスしたような、重厚なMellotronサウンドは、M400定番の3Violinでは無く、16Violinもしくは、String Sectionの音源テープではないでしょうか。 また、後のSteve Howeインタビューにある、終盤のMellotronはBill Brufordが演奏したというエピソードは、ステレオL側の録音を指していると思うのですが、得に奇妙な演奏をしている訳ではありません。 RickのMellotronはR側を中心に録音されているようです。

「YES/Yesterdays」(1975年 UK/画像右)

 4分6秒のエディットだったシングル盤に対して、オリジナル10分31秒の長尺演奏を収録した、YES初期ベスト盤。 カットされていたイントロから、RickのMellotronが活躍しています。 アタック音もしっかりと聴き取れる、リアルな録音です。 Tony Kaye在籍時のライヴでは、Mellotronの導入こそありませんが、18分以上にも渡る音源も残っています。

2003年2月24日
イリュージョン
「ILLUSION/Out Of The Mist」(1977年 UK/画像左)

 YARDBIRDSとオリジナルRENAISSANCEの創始者であるKeith Relfが、その後のハードロックバンドARMAGEDDONの失敗を経て、原点に立ち返り、オリジナルRENAISSANCEのメンバーと新バンドのリハーサルを始めるも、感電死するという事故が起こります。 その無念の遺志を受け継いで、このILLUSIONというバンドは生まれました。 Keithの妹Jane Relfと、YARDBIRDSからの盟友Jim McCartyの素朴ながらも誠実に歌い込まれたヴォーカルワーク、そしてオリジナルRENAISSANCEのメンバーで、STRAWBSから移籍したJohn Hawkenのリリカルなキーボードワークからは、霧に包まれたROCKサウンドが聴こえてきます。 オープニング「Isadra」ではうっすらとMellotronストリングスとフルートが楽曲の背景を彩ります。 その他「Beautiful Country」でのMellotronフルートや、エンディングの「Candles Are Burning」でもMellotronコーラスが、バランス良く配されています。

「ILLUSION/Illusion」(1978年 UK/画像右)

 霧の向こうから我々に訴えていた、タイトルの通りの1stに比べて、この2neアルバムは、やや音像がはっきりして軽快な印象です。 オープニングの「Madonna Blue」から、荘厳なMellotronコーラスを使用しています。 「Wings Across The Sea」では、出だしからMellotronフルートが曲のテーマを提示しており、John Hawkenの鍵盤さばきが見えるような素敵な音色を味わえます。 「Man Of The Miracles」では深く神秘的なMellotronストリングスを、「The Revolutionary」では派手にMellotronコーラスを使用しており、アタック音もはっきり聴き取れるほどの勢いです。 メンバー誰一人として、出しゃばる事のないバランス感覚と、湿度の高い英国式田園ROCKは、かなりの完成度を提示しています。

2003年2月23日
抱擁の歌
「MELLOW CANDLE/Swaddling Songs」(1972年 IRELAND)

 TUDER LODGE、SPIROGYRAと並んで、幻のブリティッシュフォークアルバムと言われた本作。 2人の女性ヴォーカルを擁し、ハープシコードや、リリカルなピアノ、そして隠し味にMellotronを使用して、フォーキーでクラシカルなアンサンブルを聴かせています。 収録曲「Sheep Season」では、中盤から終盤までClodagh SimondsがMellotronフルートのアンサンブルを演奏しています。 クリアーなコーラスワークに、くぐもったMellotronフルートの音色は好対照のマッチングを見せています。 続く「Silver Song」でのチェロパートは、生のチェロを導入しているのではないでしょうか? Mellotronチェロとは微妙に違う揺らぎを感じます。

2003年2月23日
亜米利加は市俄古
「CHICAGO/VII」(1974年 USA/画像左)

 「Saturday In The Park」等のポップソングを経て、再び2枚組のシカゴフォーマットへ戻った7作目。 ジャズ色が強いこのアルバムは、混沌としたインストルメンタルで幕を開けます。 オープニング「Prelude To Aire」では、Danny SeraphineとLaudie de Olivieraのドラムス、パーカッションと、Walter Parazaiderのフルートが流れる中、Robert Lammが不穏なMellotronストリングスとチェロを大々的に導入しています。 「Byblos」では、終盤にクールなMellotronストリングスを導入しています。 こちらは、CHICAGOのプロデューサーと同じJames William Guercioが担当する弟バンド、「MADULA」のキーボディストDavid Woliuskiが、ARPやRhodesと共にMellotronを担当しています。 典型的なブラスロックだけでは無い彼等の幅広さは、予想以上に聴き応えがあります。

「CHICAGO/X」(1976年 USA/画像右)

 アルバムラスト、Terry Kathがしっとりと歌う「Hope For Love」では、前述のDavid Woliuskiが、Mellotronの滑らかな演奏で完全なオーケストラサウンドを再現しています。

2003年2月21日
Mellotronが流れる J-POP
「Cocco/Rainning」(1998年 JAPAN/画像左)

 98年の3rdシングル。 魂をすり減らし歌い上げる痛々しさは独特の世界で、強烈な訴求力を持っています。 富田泰弘さんと柴田俊文さんのクレジットになるキーボードは、出だしからMellotronフルートを思わせる音源でリズムを刻んで行き、終盤からMellotronストリングスがそれにとって変わり、最後にはリードをとってエンディングを迎えるという構成。 これはまた、すごくいい音です。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「Kiroro/未来へ」(1998年 JAPAN/画像右)

 卒業式、結婚式の定番ソングとして定着した、98年のヒットシングル。 後半からシンセストリングスが入るのですが、音質をザラザラさせて、立ち上がりを不自然に遅く設定した音源は、Mellotronテイストたっぷり。 編曲とキーボードは山下達郎バンド等で活躍する、JAZZ、R&B系オルガン奏者の重実徹さんです。

2003年2月21日
ABBA
「ABBA/All About ABBA Mama Mia」(1976年 SWEDEN)

 フィリップスレコードから、ディスコメイトレコードへ日本配給先が変わり、来たるべき大ヒットを迎える彼等の、初期の楽曲をまとめた日本編集盤。 ジャケット本体のデザインには、「B」が背中合わせになるあの「ABBA」のロゴは、まだ使用されていません。 73年の1stアルバム「Ring Ring」からの収録曲「Another Town,Another Girl」では、Bjorn Ulvaesの素朴なボーカルに乗せて、Mellotronフルートがリードをとります。 同じく1stアルバムからの「Ring Ring」ではMellotronストリングス特有の高音部が、ABBA独特のキラキラしたコーラスに、なるほどマッチしています。 74年の2ndアルバム「Waterloo」からの「Hasta Manana」では、最初のサビを終えてから、Mellotronストリングスが登場します。 同じく2ndからの「Gonna Sing You My Lovesong」では、中盤からMellotronストリングスが使用され、途中、同じような音色のシンセサイザーと掛け合いになる部分もあり、興味深いアレンジになっています。 キーボードはBenny Anderssonが担当しています。 彼等のホームスタジオである、POLAR STUDIOには、現在もMellotron M400Sが置いてあります。

2003年2月20日
身も心も
「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド/身も心も」(1977年 JAPAN)

 73年デビュー、宇崎竜童率いるロックンロールバンド。 「スモーキン・ブギ」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」等のヒットを連発し勢いづく彼等の、初の海外レコーディング作品となった3rdアルバム。 現在も先鋭的なインスタレ−ション作品を発表し、精力的に活動をされているピアニスト、千野秀一さんがキーボードを担当しており、楽器のクレジットにはSteinway PIANO、HAMMOND B3、MINI Moog、Mellotron400等が挙げられています。 収録曲「しのび逢い」では、流麗なピアノのバックにMellotronストリングスを使用しています。 アルバムラストのタイトルトラック「身も心も」では、Mellotronストリングスのバッキングに加えて、エンディングにはMellotronコーラスを使用して壮大なエンディングを迎えます。 鍵盤楽器の選択は前述の通り、完璧なROCK黄金セッティングで、千野さんの卓越したキーボードワークにより、惚れ惚れする程の良い音がしています。

情報提供 I氏

2003年2月20日
宮殿の合わせ鏡
「KING CRIMSON/In The Wake Of Poseidon」(1970年 UK/画像左)

 いくつかの楽曲が、オリジナルKING CRIMSON時代に既に存在しており、それらをFrippのギターブリッジで繋いで完成をみたもので、「宮殿」後の残務整理というには、あまりに完成度が高い内容の2ndアルバム。 タイトルトラック「In The Wake Of Poseidon」のMellotron MARK IIストリングス、ブラス、フルートの暴風雨は、Mellotorn ROCK最高峰といって過言では無く、Robert Frippのキーボードセンスはかなりのものです。 また「The Devil's Triangle」でのMellotron地獄絵巻も圧巻で、曲中に後の「Starless」を思わせるMellotronフレーズや、奇妙なMellotronリズムトラック、そして「宮殿」の一節が出てきたりと、意味深な内容。 緩急のバランスを考慮したアルバム構成は、結果として1stアルバムの焼き直しに見られがちですが、死してなお、このアルバムを産み落とす余力のあったオリジナルKING CRIMSONの巨大なエネルギーを味わいたい傑作です。

「V.A./Schizoid Dimension A Tribute to King Crimson」(1997年 V.A./画像右)

 米CLEOPATRAレーベルよりリリースされたKING CRIMSON TRIBUTEアルバム。
本家David CrossやBRAND X等、聴きどころも無くは無いのですが、いかんせん他のレベルが低すぎる。 SOLID SPACEなるバンドの「In The Wake Of Poseidon」における、Mellotronサンプリング音だけが、せめてもの救いか? 加えて、醜悪なジャケットデザインには絶句する他はありません。

2003年2月15日
FSAW2002
「V.A./Future Sound Adventure Wave 2002」(2002年 V.A.)

 Fab Cushion、Plus-Tech Squeeze、Electronico等のポップエレクトロニカユニットを擁するレーベル「VROOM」の2002年コンピレーションアルバム。 OPTIGANでお馴染みの、OPTIGANALLY YOURSもアルバム未収録曲を提供しています。 バンジョーのOPTIGANトラックを使用する「Spanish Flea」はコミカルで、ちょっと懐かしい感じのするポップソングです。 彼等の2ndアルバムではOPTIGANを使用せず、ORCHESTRONやCHILTON TARENTMAKERを使用したそうですが、楽器にこだわる姿勢に変化はないようです。

2003年2月15日
スウィート75
「SWEET75/Sweet75」(1997年 USA)

 Kurt Cobainの自殺によるNIRVANA解体後、3年のブランクを経てKrist Novoselicが、女性ボーカリストYva Las Vegasと共に結成したSweet75。 XTC等を手掛けた、Paul Foxがプロデュースをしており、MellotronやOrchestronも演奏しています。 アルバム冒頭「Fetch」からMellotronストリングスが流れ、「Lay Me Down」ではOrchestronストリングス、「Red Dress」では再びMellotronストリングスが使用されています。

2003年2月14日
カヤック
「KAYAK/Royal Bed Bouncer」(1975年 NETHERLANDS)

 後にCAMELに加入するキーボーディスト、Ton Scherpenzeel率いるオランダのKAYAK。 プログレ色の強い前2作から、ややポップに移行し、シンフォニックな要素とユーモアをも兼ね備えたこの3rdアルバムは、カラフルで完成度の高い作品になっています。 ハスキーなボーカルのMax WernerがMellotronを兼任しており、その柔らかく奥行きのある演奏は、MOODY BLUESやKING CRIMSONとはまた違う特筆すべきものです。 半分以上の曲で大胆にMellotronが使用されていますが、得に「Life Of Gold」でのとろけそうに甘いMellotronストリングスは、巧みなコードワークと共に、その筋の方なら絶対に唸る一曲でしょう。 ほとんどの作曲をこなすTonの華麗なキーボードワークをはじめとする入念な演奏で、充実したプログレポップ快作。

2003年2月14日
マッシュルーム
「MUSHROOM/Anarog Hi-Fi Surprise」(1999年 USA)

 6人編成ツインキーボード、アメリカのサイケデリックジャムバンド。 思いきりディストーションをかけて、元の音が無くなってるFender Rhodesや、MOOGの強烈なリングモジュレーションと、ワウワウギターで延々とサイケジャムを続ける彼等の3rdアルバム。 解説にはスペースロックやエレクトロニカに、Mellotron、MOOG、Rhodesを乗せた新しいバンドだと、謳われています。 3曲目の「October 1970」は、キーボードだけで構成される、中でも異色な存在。 サンプリングバイオリンのアンサンブルを中心に、Michael Holtの演奏するやさしいMellotronフルートとシンセサイザーがバックを流します。 このバイオリンも、リリースが無く不自然な感じで、なかなかMellotronチックな味を出しています。 特殊キノコによる幻覚効果をお望みの方にお勧めいたします。

2003年2月14日
少女プログレ
「螢/カゼドケイ」(2000年 JAPAN)

 1985年生まれの彼女は、1993年に既に1stライヴを成功させていたという話題の人。 ポエトリーリーディングを基本として、自分の存在理由を探究するような独特の心象表現を、歌うとも無く淡々と伝えていきます。 楽曲は重厚で暗く、驚く事にシンフォニックプログレの、ど真ん中を行っています。 10曲の要素を1曲にまとめたという収録曲「羽火」では、暗雲垂れ込めるMellotronストリングスで幕をあけ、過剰に演出された9分を越える曲中にMellotronコーラスらしき音も顔を出します。 サウンドプロデュースとキーボードは坂出雅海さんとなっています。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2003年2月8日
ヨシンバ
「ヨシンバ/足りないもの」(2002年 JAPAN)

 Mellotron M400Sを所有するキーボーディスト西村純さんを含む、6人組のヨシンバ。 いわゆる喫茶ロックの手法で、力みのない心地よいロックを聴かせてくれます。 Mellotronが不安定で、自家サンプリングした音源を使用したという「ニノウデ思案」では、とてもいい感じでMellotronフルートが鳴っています。 エンディングはもしかしてMellotronチェロの音でしょうか、余韻を残してエンディングになります。

2003年3月28日
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