ARTIST INDEX

■ CDS&RECORDS [8/10]
アサイラム
「ASYLUM/Crystaldays」(1987年 JAPAN)

 1985年デビューのビジュアル系ノイズバンド。 各インディーズチャートで軒並み1位になった彼等の1stアルバムは、ソドムとYBO2が中心となる「TRANS」レーベルより発売され、「Joseph K」なるクレジットで北村昌士さんのMellotronが導入されています。 タイトルトラック「Crystal Days」ではバッキングにチリチリとMellotron3バイオリンが流れ、Mellotronフルートが朗々と歌います。 アルバムラストの「円舞曲」ではMellotron3バイオリンがコードで流したと思えば、同じフレーズでオクターブを上下してみたり、リズムを刻んだりと、不安感をあおる無気味な演奏をしています。 現在のビジュアル系バンド等の原形になると思われますが、いわゆる歌謡曲っぽいとっつきやすさを残しながら、KINGCRIMSONを思わせる70年代プログレの強烈な手法を同居させるという興味深い演奏は、あなどれない内容です。

2003年2月3日
MellotronのDNA
「CREATION/Creation With Felix Pappalardi」(1976年 JAPAN)

 1973年、ハードロックバンドMOUNTAIN来日の前座を務めたCREATION。 中でも竹田和夫のギターに惚れ込んだFelix Pappalardiは、1975年の「ワールド・ロック・フェスティバル」での共演を経てCREATIONとの共同作業に入りました。 ニューヨークのベアーズビルスタジオで行われたレコーディングには、やはりMellotronが使用されました。 CREAMからMOUNTAINへとハードロックにMellotronのDNAを移植させてきたFelixは、このCREATIONのアルバム1曲目「She's Got Me」からザラザラしたMellotronストリングスを導入し、アルバムラストの「Ballad Of Sad Cafe」でもイントロから重厚なMellotronストリングスを使用しエンディングまでその演奏を引きずっていきます。 やはり彼には腕利きのギタリストとMellotronが必需品だったようです。

2003年2月2日
メロトロニストを撃つな!!
「Elton John/Don't Shhot Me I'm Only The Piano Player」(1972年 UK/画像左)

 1960年のフランソワ・トリュフォー監督映画「ピアニストを撃て」をモチーフに製作した大ヒットアルバム。 シングルヒットとなった1曲目「Daniel」ではElton自身がリバーブを効かせたMellotronフルートで、あの優しいメロディを演奏しています。 続く2曲目のロックンロールナンバー「Teacher I need You」でもEltonがサビのバックに軽快なMellotronストリングスを奏でています。

「Elton John/Goodbye Yellow Brick Road」(1973年 UK/画像右)

 GENESISなどのプロデューサーでお馴染みのDavid Hentschelの派手なARPシンセサイザーで幕を開けるこの2枚組アルバムは、レゲエまで含む意欲作でありながらしっかりとElton Johnのカラーでまとめられた傑作です。 亡くなった英国ダイアナ妃に捧げられた「Candle In The Wind」の原曲もこのアルバム収録です。 収録曲「This Song Has No Title」はEltonによる鍵盤楽器のみで構成された曲で、力強いメインのピアノに対して、震えるように繊細なMellotronフルートとストリングスが使われています。 「Gray Seal」は全力疾走のロックンロールナンバーで、高揚感溢れる素晴らしいMellotronストリングスが活躍します。 「Dirty Little Girl」の中間部はMellotronブラスとストリングスのミックスサウンドが使われていて、これがまた重厚ですごくイイ音です。 上記のアルバムと共に使用楽器はMellotron MARK IIだと思われます。

2003年2月2日
憧れの海外レコーディング
「チューリップ/銀の指環」(1974年 JAPAN/画像左)

 当時、ヒット曲を連発し、波に乗っていたチューリップがハリウッドのサンセットスタジオで録音したシングル。 海外レコーディングなど今では珍しい事ではありませんが、ジャケットには堂々とそれが記載されています。 B面収録の「セプテンバー」ではBEATLES風の親しみやすい楽曲のバッキングにMellotronストリングスが使用されていて、雰囲気を盛り上げています。 終盤はMellotronストリングスに、Mellotronブラスも加わったアンサンブルでエンディングとなる美味しい内容です。 財津和夫さんと姫野達也さんのクレジットになるこのMellotronは、音から察するにMARK IIであると思われます。 このころの海外スタジオには、当たり前のようにMellotronが備えられていたのでしょうね。

「チューリップ/ぼくがつくった愛のうた」(1974年 JAPAN/画像右)

 豪華なイラストブックレットのストーリーに添って展開するコンセプトアルバム。 帯には大きく「ロンドン、アビーロード・スタジオとスコーピオ・スタジオでレコーディング ここに念願のトータル・アルバムを完成!!」と書かれています。 場所が場所だけに、やはりMellotronの使用がありました。 収録曲「アンクル・スパゲティー(三文歌手)」には姫野達也さんの演奏するストロベリーチックなMellotronフルートが導入されています。

2003年2月2日
田園のBEATLES
「BARCLAY JAMES HARVEST/Time Hounded Ghosts」(1975年 UK/画像左)

 1968年のデビューシングルでMellotron MARK IIを導入したものの、その重さに辟易したキーボードのWoolly Wolstenholmeはその後、運搬性に優れる小型のMellotron MODEL300を愛用する事になります。 それまでの在籍していたHarvestレーベル時代に比べると、クラシカルなアプローチはやや後退し、比較的ポップにまとまった楽曲に取り組んでいます。 しかしながらMellotronは1曲目から大胆に導入され、アルバム全体の色合いを決定しています。 収録曲「Titles」ではBEATLES「The Long And Winding Road」のイントロをMellotronで演奏して始まり、歌詞はBEATLESの曲名をちりばめるなどの遊び心を見せています。 サビの歌詞は「Lady Madonna let it be」ですよ! 「In My Life」のMellotronコーラス、「Beyond The Grave」の恐ろしく滑らかなMellotronストリングスやメンバーのコーラスワークは、派手さは無いものの、まさしく英国の田園風景を思わせる美しさです。

「BARCLAY JAMES HARVEST/Gone To Earth」(1977年 UK/画像右)

 ボーカルパートの向上が著しく、重層的な演奏と相まって奥行きを増した彼等の結成10周年目の作品。 飛び道具的使用法は無いものの堅実に導入されるMellotronは堂々としておりシンフォニックロックの名盤として聴き応え十分です。 中には「サテンの夜」を想起させる壮大なメロトロンソング「Poor Man's Moody Blues」なる曲もあったりします。Mellotronたっぷりでジョークのツボも心得ている・・・長く付き合えるバンドです。

2003年2月2日
パートス
「PAATOS/Paatos」(2001年 SWEDEN/画像左)

 元LANDBERKのギタリストReine FiskeとベーシストStefan Dimleを含む5人編成バンド。 Mellotronを前面に押し出した陰鬱な演奏にBjorkを思わせる女性ボーカルが、ただものでは無い印象です。 音源はメンバーの出自が明らかで、ここ10年の北欧プログレッシヴロックを模索している方なら、かなりの確率で琴線に触れることと思われます。 A面収録の「Perception」は本プロモーションシングルのみの収録です。

「PAATOS/Paatos」(2002年 SWEDEN/画像右)

 2002年発表の1stフルアルバム。 ほとんどの曲でJohan Wallemの演奏するMellotronが、大々的に導入されており、フルート、ストリングス、チェロの様々な用法を堪能する事が出来ます。 凝ったフレーズで手数の多いドラマーや、七変化のギター、曲毎に歌唱法を変える事のできるボーカル、金管楽器の効果的な使用など、シンプルなロックを基本としながらも様々な要素が混在しており奥行きのある内容になっています。 また、テクノ、ドラムンベースにアプローチした曲もあり、この手のバンドでは画期的な展開かと思います。 重い楽曲とMellotronの暴風雨はバンドの目玉ではありますが、エレクトリックピアノやオルガンの巧みな組み合わせで後味がすっきりしているのが特徴です。 アイデア先行で演奏が伴わない新人バンドも多数ある中、メロディラインが豊かで演奏技術も安定している彼等は、今後の動向に注目したいバンドのひとつです。 収録曲「Tea」におけるMellotronとボーカルスキャットでの大団円など、身震いする程の出来で、Mellotronファンには薦めざるを得ないアルバムです。

2003年1月30日
いつもそばにある楽器
「Paul McCartney/McCartney」(1970年 UK/画像左)

 BEATLES解散後、初のアルバム。 BEATLES時代からベースだけでなく、ギターやキーボード、ドラムまでもこなすマルチプレイヤーでしたが、新たな出発をするにあたって自分の力量を再度確認したかったのでしょうか、すべての楽器を自らこなしアルバムを製作しています。 収録曲「Junk」のインストルメンタルバージョンたる「Singalong Junk」では、Mellotron MARK II独特のひんやりとしたストリングスが導入されています。

「Paul McCartney/McCartney II」(1980年 UK/画像右)

 時代を反映してか、ニューウェイヴ、テクノに急接近した異色作。 再び一人で録音をするPaulですが、BEATLESやWINGSを離れて、ふと一人になった時に思い出すのがMellotronの存在なのでしょう。 収録曲「SUMMER'S DAY SONG」ではMellotronフルートの美しいアンサンブルが前面に出されています。 リズムボックスやエフェクトが大胆に導入される実験作が大半を占めるなか、逆に新鮮に聴こえる1曲です。 Mellotronで派手な演奏こそしませんが、いつの時代も常にMellotronを使い続けるPaulはMellotronプレイヤーの重要人物である事は間違いありません。

2003年1月30日
来生たかお
「来生たかお/Sparkle」(1981年 JAPAN)

 アルバムのメインテーマとして、「Much More...」という小曲がオープニングとエンディング収録されています。 キーボーディストには松任谷正隆さん、難波弘之さん、シンセプログラムに松武秀樹さんがいたりと最先端且つ豪華な顔ぶれですが、この曲では来生さん自身が、非常にいい雰囲気でMellotronフルートを演奏しています。 いわゆるAORやシティポップスの範疇で、シモンズエレクトリックドラムも導入されるような時期に、なぜMellotronにこだわったのでしょうか? 気になるところです。

2003年1月30日
レニー・クラヴィッツ
「LENNY KRAVITZ/Are You Gonna Go My Way」(1993年 USA)

 ビンテージ楽器を操り、70年代型ロックの再現を試みるLenny Kravitz。 ボーカルとギターだけでなく、ドラムスやキーボードもこなすマルチプレイヤーの才能は工業製品的にオートメーションで生産されるロック業界において、今や貴重な存在だと思います。 このアルバムでは「Just Be A Woman」に自らの演奏でMellotronストリングスを導入しています。 Mellotronは彼の音楽嗜好に完全にマッチする楽器だと思うのですが、その使用方法はだいぶ控えめです。 今後に期待したいところです。

2003年1月24日
ビージーズ
「BEEGEES/Beegees'1st」(1967年 UK)

 デビューから現在に至るまで、様々にスタイルを変化させながら第一線で活躍するBEEGEES。 現在まで外部のソングライターを一切使用しなかったことは、枯渇する事のないメロディセンスあっての事だと思います。 キーボードのMaurice Gibbはオルガン等に加えて、Mellotron MARK IIを使用しています。 「Red Chair,Fade Away」ではMellotronフルートがリズムを刻んだり、ピッチコントロールでサイケデリックなムードを出したりと活躍。 また「Every Christian Lion Hearted Man」では重厚なMellotronストリングスが導入されています。 アメリカ指向と認識していましたが、この1stアルバムからは、美しいコーラスワークと共に完成度の高いブリティッシュポップテイストを味わう事ができます。

2003年1月23日
七日目の安息日を迎えて
「THE MOODY BLUES/Seventh Sojourn」(1972年 UK/画像左)

 彼等の音楽探究の旅が一旦幕を閉じる7連作最後のアルバムは、すべてを悟ったかのような感覚とセンチメンタルなムードが漂っています。 Mike PinderのMellotron、Chamberlin演奏技術はさらに向上し、そのスムーズさはまるでビロードのような質感です。 1曲目「Lost In A Lost World」ではMellotronストリングスのバックをChamberlinオーボエがリードをとります。 「New Horizons」ではMellotron MODEL300のストリングスとChamberlinチェロが使用され、「For My Lady」では特徴あるChamberlinの3バイオリンをバックにMellotronアコーディオンがなんともハッピーな演奏を繰り広げます。 また、「The Land Of Make-Believe」での巧妙なコードに乗ったMellotronストリングスの旋律は本当に感動的です。 今までの活動を総括する最後の曲「I'm Just A Singer(In A Rock And Roll Band)」での濃密なブラスサウンドはMellotronブラスのハーフスピード音源を使用しているそうです。

「Mike Pinder/The Promise」(1976年 UK/画像右)

 MOODY BLUESでの長き旅を終えたMike Pinderは、新たな音楽表現をすべくアメリカ人のミュージシャンを起用し、移住したアメリカの自宅スタジオで新作に取りかかりました。 意識的に活発でリズミカルな作品にしたかったと言うだけあって、MOODYBLUESのイメージとはだいぶかけ離れた印象の明るいアルバムになっています。 Mellotron使用曲は「I Only Want To Love You」「The Promise」の2曲のみですが、速いフレーズを恐ろしくスムーズに演奏するMike PinderのMellotronテクニックは神憑かり的な領域に入っています。 彼はMellotron M400を様々な理由からMellotronらしくないと評していて、当時のラインナップの中ではMARK Vを好んでいました。 ですので、レコーディングでは新しく導入したMellotron MARK Vと従来からのMARK IIを使用したと思われます。 優しい陽光が注ぐ、LOVE&PEACEな1枚。

 使用楽器の詳細はMike Pinderのコメントに基づきますが、これほどChamberlinを使用していたとは思っておりませんでしたので、大きな発見になりました。
また、その意識で曲を聴き込むとMellotronとChamberlinの音の違いを実感できると思います。

2003年1月18日
子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ
「THE MOODY BLUES/To Our Childrens Childrens Children」(1969年 UK)

 MOODY BLUES自ら新設した「THRESHOLD」レーベル第1弾レコードとなる本作は、楽曲、演奏技術、コンセプト、アルバム構成が高次元でまとまっており、すべてにおいて勢いを感じる名盤です。 MellotronプレイヤーのパイオニアであるMike Pinderは宝刀Mellotron MARK IIに加えて、Mellotron MODEL300、Chamberlinをも使用しています。 「Floating」ではMellotronヴィブラフォンをピッチベンディングでロングトーンにし、明るくユニークなサウンドを作っています。 アルバム最後の「Watching And Waiting」で使用されるストリングスはMARK IIに比べて軽快な印象のM300ストリングスで、隠し味にChamberlinチェロを加えています。 全曲にわたってMellotronのストリングスやフルート等が満載で、Mike Pinderがこの楽器を溺愛していた事は全くを持って疑う余地はありません。 また、彼が鍵盤上の演奏だけでなくピッチコントロールやボリュームコントロールに並々ならぬエネルギーを注いでいる事がわかります。

2003年1月17日
ガービッジ
「GARBAGE/Milk」(1996年 UK/USA)

 NIRVANAやSMASHING PUMPKINSのアルバムを手掛けたプロデューサー、Butch Vig率いるGARBAGE。 95年の1stアルバム「G」からのカットとなる本シングルは各種のリミックスを生み出し、クラブ・シーンでも大変な人気になりました。 曲の冒頭からMellotron風ストリングスの暗雲が垂れ込め、時折本物のMellotronストリングスが顔を覗かせているようです。 Shirley Mansonのダークなボーカルも味わい深く、独自の世界観を作っています。 キーボードを担当するのはDuke Ericksonでしょうか。

2003年1月15日
ピンク
「PINK/光の子」(1986年 JAPAN)

 肉感的なファンクロックとサイバーパンクテイストが融合した、先進的ロックバンドPINKの2ndアルバム。 Mellotronリスペクターであるキーボードのホッピー神山さんは、調子の良いNOVATRONから愛用のEmulator IIへ自家サンプルした音源をレコーディングに使用しているようです。 「Gold Angel」では、チリチリと悲鳴をあげるNOVATRONストリングスと、甘いメロディの組み合わせで最高のポップソングを作っています。 「星のピクニック」でもシンセサイザーと絡めたNOVATRONストリングスを奏でおり、エンディング「Luccia」ではNOVATRONチェロとコーラスの組み合わせで深く幻想的な世界を演出しています。 福岡ユタカさんの泥臭いボーカルと共に生命力漲る本作は、80年代懐古的価値観だけで片付けるには惜しい作品で、特にNOVATRONの不安定な特性を理解した導入方法には感服させられます。 涙無しでは聴けない大傑作そして必聴。

2003年1月13日
クーラ・シェイカー
「KULA SHAKER/K」(1996年 UK)

 メロディのしっかりしたポップソングと安定した演奏に加えて、インドエスニック風味満載の60年代型ロックデビュー盤。 収録曲「Magic Theatre」はその名のとおりドロドロふわふわのサイケデリックナンバーで、バックにはJay Darlingtonの演奏するMellotronストリングスとフルートが流れます。 シングルヒットになった「Tattova」でもメインのオルガンを差し置いてMellotronストリングスが冒頭から緊張感を高めて行き、さらに苺畑フルートが直球勝負を挑んできます。 「Hollow Man Part1」でも前半部にMellotronストリングスが使用されていて、レトロポップなムードを盛り上げています。 カレー風味の苺ってのもなかなか新鮮な味ですな。

2003年1月12日
詩人タリエシンの世界
「DEEP PURPLE/The Book Of Taliesyn」(1968年 UK)

 様式美ハードロックを確立する以前の初期名盤。 ビートポップ風味に甘いコーラスワークなど、60年代末期の香りが漂う中、キーボードのJon Lordは得意のHAMMONDオルガンに加えて、ピアノやMellotron MARK IIを演奏しています。 「The Shield」ではピアノとユニゾンのMellotronフルート、「Anthem」では非常に美しいMellotronストリングスを主軸に配しアルバム終盤を飾っています。 ハードロックファンだけでなく、裏ビートルズ、シンフォ、ゴシックファンも評価できるアルバムだと思います。

2003年1月12日
タイトルからMELLOTRON/OPTIGAN
「STREOLAB/Peng!」(1992年 UK/画像左)

 カンタベリー系にも一脈通じる、独特の空気感を持つ彼等の初期のアルバム。 気になる収録曲はその名も「Mellotron」です。 強烈にディストーションをかけたコンボオルガンはトレードマークのように登場しますが、一体どこにMellotronが使用されているのかわかりません。 まさか、ひたすら同じフレーズをランダムに発しているバックコーラスが自家録音のテープだと言うのでしょうか?

「blur/13」(1999年 UK/画像中)

 それまでの確立したスタイルから一歩抜け出すための実験を試みた意欲作。 アルバムラストには「Optigan 1」という曲が収録されています。
OPTIGANのワルツのリズムにのせてOPTIGANオルガンがリードをとる、夢見心地の1曲。 もしかしたら「OPTIGAN 2」「OPTIGAN 3」も存在するのでしょうか。

「PNAU/Sambanova」(2001年 AUSTRALIA/画像右)

 オーストラリアのダンスミュージックユニットのデビューアルバム。 収録曲にはズバリ「Mellotron」という物がありますが、これまた何処にMellotronが使用されているのでしょうか? アルバム全体はサンプリングとプログラムによって、構成されているので、ある意味Mellotron的と言ったら、あまりに広義な解釈ですよね。

2003年1月12日
Chamberlinの重要人物
「Fiona Apple/Tidal」(1996年 USA/画像左)

 不機嫌なポップスを聞かせる、Fiona Appleの1stアルバム。 生のストリングスを導入する1曲を除いて、他9曲にはChamberlinが様々な方法で導入されています。 Chamberlinの最重要プレイヤーと言えるPatrick Warrenがボリュームペダルやピッチコントロールを多用し、とてもテーププレイバックキーボードとは思えないような素晴らしい演奏をしており、楽器の可能性を飛躍的に高めています。 もう一人の重要人物、Jon BrionもChamberlinとOPTIGANでクレジットされており、曲によってはChamberlin奏者が二人いるクレジットもあります。 Chamberlinの全貌がわかる一枚と言っても過言ではない、推薦盤。

「Peter Gabriel/Up」(2002年 UK/画像右)

 Peter Gabriel久々のオリジナルアルバム。 ここでもChamberlinでJon Brionの名前を見つける事が出来ます。 いままでのアルバムで詳細な楽器クレジットは無かったと記憶していますが、Peter Gabriel名義でMellotronのクレジットまであります。 PeterがMellotronやChamberlinの生音を使用するはずがなく、楽器の使用箇所を特定するのは非常に困難です。 レコーディングに使用したスタジオは一ケ所ではありませんが、所有するREALWORLD STUDIOにMellotronは設置されていないとの噂もあります。

2003年1月7日
一時休戦
「KING CRIMSON/STarless And Bible Black」(1974年 UK)

 戦争状態の過酷なロードの最中リリースされたアルバム。 曲の大半がライブ収録だった事はだいぶ後になってから認識された事実だと思います。 Bill Brufordの予測不可能なドラムス、John Wettonの轟音ベース、Robert Frippの鬼気迫るギターの暴力的な音圧の中で少しずつ叙情的な感性を失いつつあった末期CRIMSONで、バイオリンとMellotronと言う非力な武器で立ち向かうDavid Crossが唯一心休まる瞬間は収録曲「Trio」だったのではないでしょうか。 John Wettonのベースアルペジオをバックに、David Crossの平和を謳歌するバイオリンと、まるで少女の独り遊びのようなRobert FrippのMellotronフルートがすべてを忘れさせてくれます。 この戦乱はすべて臨界を迎える次作「RED」の為の実験でした。

2003年1月1日
キャメル
「CAMEL/Camel」(1973年 UK/画像左)

 文学青年がロックをはじめたかのような、思慮深くも荒削りな印象のデビューアルバム。 後にAndy Latimerがメインボーカルを担当する事になりますが、この当時はキーボードのPeter Bardenceも味わい深いボーカルをとっていました。 「Never Let Go」では、速いフレーズのユニークなMellotronフルートソロに続くMellotronストリングス、そして一旦イントロを繰り返したあとのMellotronストリングスの嵐は何度聴いても感動的です。

「CAMEL/Mirage」(1974年 UK/画像右)

 数々のフォロワーを生む事になるCAMEL的叙情路線の萌芽を確認できる2ndアルバム。 三部構成の大作「Lady Fantasy」では、終盤再びメインテーマへ戻るところでMellotronストリングスを流し、そのまま静かにエンディングを迎えます。

2002年12月31日
VAKO ORCHESTRON
「Patrick Moraz/The Story Of i」(1976年 SWITZERLAND/画像左)

 YES在籍中から製作に取り組み、メンバーのソロ活動の波の中でリリースされた1stソロアルバム。 ピアノ、HAMMOND、MOOG等の多彩なキーボードのクレジットの中にMellotron MARK IやMARK II、ORCHESTRON Bのクレジットも見つけることができます。 ラテンテイストやジャズフュージョンも内包した複雑な構成で、ワンフレーズ毎にキーボードを変えてレコーディングした部分も見受けられる非常に手間のかかった作品になっています。 アルバムオープニング「Impact」の冒頭や「Best Years Of Our Lives」、終盤「Rise And Fall」の高速フレーズからエンディング「Symphony In The Space」で聴かれる、乾いた奇妙なストリングスサウンドはORCHESTRONだと思われます。

「KRAFTWERK/ショールーム・ダミー」(1978年 GERMANY/画像右)

 1975年の「Radio-Activity」から正規リリース前のORCHESTRONを入手してレコーディングに導入していたKRAFTWERKは、1976年の「Trance-Europe Express」でも使用し、ポリフォニックシンセサイザーにとって代わる1981年までライブで使用したようです。 後者からのシングルカットになるこの曲のバックにはORCHESTRONによる無機的なコーラスが流れ、Mellotronとは明らかに違うことがわかります。 演奏者はRalf Hutter、Florian Schneiderでしょうか。

 VAKO社からORCHESTRONがリリースされる1975〜76年はポリフォニックシンセサイザーやMellotronの後継機とも言えるORCHESTRON、BIROTRON等が次世代の主役を狙っていた時代でした。 Mellotronの不安定な動作や少ない音源の選択肢を改善する後継機としてORCHESTRONに注目したPatrick Morazと、Mellotronの使用実績が無いにも関わらずORCHESTRONを導入したKAFTWERKではその着眼点に大きな違いがあるのではないでしょうか。 いずれにしてもこれらのアーティストの作品は短命に終わった楽器の存在を記録する貴重な資料であると言えます。

Patrick Moraz 資料提供 Brother of mine氏

2002年12月29日
パトリック・モラーツ
「REFUGEE/Refugee」(1974年 UK/画像左)

 NICEのBrian Davison、Lee JacksonがKeith Emersonの後釜にPatrick Morazを迎えた一作。 クラシカルなアプローチの中にもジャズロック、フュージョンを思わせるモダンなアプローチが含まれており、全ての作曲を手掛けるPatrickの高いポテンシャルを実感できます。 シンセサイザーやピアノ、オルガン、Mellotron等が満遍なく使用されており、その正確な演奏技術とセンスには驚かされます。 難易度の高い楽曲にも関わらず、1曲目を除く全曲にMellotronが導入されています。 「Ritt Mickley」でのMellotronストリングス、「Credo」エンディングでのMellotronチェロの速弾きは聴きものです。

「YES/Rerayer」(1974年 UK/画像右)

 Rick Wakemanの後任でYESへ加入したPatrick Morazは、再びYESを戦場の最前線へ導きました。 前作までの有機的な演奏の絡み具合とはやや異にする、高い演奏技術に裏付けられた幾何学的なバンドアンサンブルを聴くことができます。 「The Gates Of Delirium」では目まぐるしい展開を終えた後半部、Steve Howeが演奏するスライドギターとユニゾンになるMellotronストリングスが美しい。 また、中間部のパーカッションフレーズはもしやMellotronの音源ではないでしょうか? 「To Be Over」では今までの戦乱を浄化するような美しいMellotronストリングスが鳴り響く中、アルバムのエンディングを迎えます。 イエス史上最も攻撃的な作品。

資料提供 Brother of mine氏

2002年12月29日
サンプラーかそれともプリセットか・・・
「セガサターンO.S.T.(Ian McDonald)/Wachenroder」(1998年 UK/画像左)

 セガゲームソフトのサウンドトラックにIan McDonaldが参加しています。 担当した2曲「Catastrophie-崩壊-」「Blind Girl」は、冒頭からゆらゆらとストリングスが先導するまぎれも無い「宮殿+エピタフ」のクリムゾンコンプレックスな曲。 Ianは例によってシンセストリングスで演奏しますが、これをMellotronに置き換えたら恐ろしいことになる作風です。 この仕事の依頼を受けたIanはどう言う心境だったでしょうか。

「IAN McDONALD/Drivers Eyes」(1999年 UK/画像中)

 非常にバラエティに富んだ作品と多彩なゲストで我々を驚かせたIanの初ソロアルバム。 John Wettonがボーカルをとる「Foever And Ever」とGary Brookerがボーカルの「Let There Be Light」はあきらかにクリムゾンを想起させる重厚な「宮殿+エピタフ」調。 前者にはシンセストリングスが流れ、後者にはシンセストリングスと低音の生ストリングスが導入されています。 劇的なムードを強調するようなリズムのバックには是非本物のMellotronを流して欲しかった。

「Steve Hackett/The Darktown」(1999年 UK/画像右)

 毎回作風を変えてくるSteve Hackettの本作は「Guitar Noir」を思わせる雰囲気。 ジャケットやタイトルの通りやや暗くハードな印象で、時折見せる無気味な明るさはまさしくHackett節。 「Twice Around The Sun」ではSteve Hackettが所有するMellotron MARK IIが故障する直前にサンプリングした貴重な音源を使用しています。 得意のロングトーンギターと清々しいMARK IIストリングスでなんとも伸びやかな曲に仕上がっています。 「In Memoriam」ではこれまた明らかな「宮殿」調サウンド。 ここにも滑らかなMellotronのサンプルが使用されています。

いずれにしても、1996年のSteve Hackett「Genesis Revisited」(含むライヴ)が好評であったことが背景にあると思います。 我々リスナーだけでなくミュージシャン当人も「あの曲」を再評価、再確認する波が来ていたのではないでしょうか。

2002年12月25日
ジェネシス
「GENESIS/Nursery Cryme」(1971年 UK/画像左)

 ギタリストを凌駕するかのようなベーシストMike Rutherford、キーボーディストにならんとする特異なギタリストSteve Hackett、ギタリストに接近するキーボーディストTony Banks、ボーカリストのようなドラマーPhil Collins、役者のようなボーカリストPeter Gabrielがそれぞれパートの領域を越えるアイデアを持ってGENESISの基本形を築いた重要作品。 「The Return Of Giant Hogweed」では後半に爆発的なMellotronストリングスを配して、そのままエンディングに向かいます。 「Seven Stones」ではMellotronストリングスによる泣きのソロプレイを聴かせながら穏やかなエンディング。 「The Fountain Of Salmasis」ではフェイドインフェイドアウトで丁寧に仕立てられた荘厳なMellotronストリングスが全編を支配します。

「GENESIS/Foxtrot」(1972年 UK/画像右)

 オープニングの「Watcher Of The Skies」は、Mellotronストリングスとブラスのミックスサウンドが怒濤の地鳴りを響かせるMellotron ROCKの傑作。 「Get'em Out By My Friday」では、中間の爽やかなTony BanksのMellotronフルートソロに続いて一部Peterのフルートとの掛け合いになります。 「Can-Utility And The Coastline」では中間の12弦ギターに上乗せする様にドラマチックなフレーズのMellotronストリングスが流れます。 大曲「Supper's Lady」の中の「Willow Farm」ではHAMMONDのバックにMellotronブラス、「Apocalypse・・」「As Sure・・」にはHAMMONDと共に壮大なMellotronストリングスが使用されています。 逃げ場の無いほど濃厚なブリティッシュテイスト満載の名盤。

資料提供 Brother of mine氏

2002年12月25日
フェリックス・パパラルディ
「CREAM/Goodbye Cream」(1969年 UK/画像左)

 4人目のCREAMと言われるプロデューサーFelix Pappalardiが育てたと言っても過言ではない彼等のオリジナルラストアルバム。 Mellotronの広告に写真入りで登場するほどの熱心なユーザーであるFelix PappalardiはEric ClaptonとGeorge Harrisonの共作「Badge」にMellotronストリングス、「Doing That Scrap Yard Thing」にMellotronマンドリンを自らの演奏で導入しています。

「MOUNTAIN/The Best Of Mountain」(1973年 USA/画像中)

 Felix PappalardiがCREAMで培ったプログレッシヴテイストのハードロック手法を自らのバンドで発揮したMOUNTAIN。 「Theme For An Imaginary Western」ではSteve Knightの演奏するオルガンのバックに隠し味としてMellotronストリングスが使用されており、単なるオルガンサウンドに留まらない良い音が出ています。
「Don't Look Around」にもどうやらMellotronが使用されているようです。

「MOUNTAIN/The Road Goes Ever On(The Music Goes Ever On)」(プロモシングル盤 USA/画像右)

 MOUNTAINの1stアルバムと言える、Leslie West名義のアルバムからカットされた「Look To The Wind」はFelixの演奏で大胆なMellotronフルートのイントロに始まり、曲中はMellotronストリングスが使用されています。 さらにそのバックにはMellotronブラスが使用されているようで、これはなかなかいい感じの曲です。 このプロモシングルはファンの間で存在理由が問われる1枚だそうですが、上記の「Theme For An Imaginary Western」と「Don't Look Around」を含むMellotron収録の3曲で構成されているのは、ベーシストながらMellotronに愛着のあるFelixの意向か、それともMellotron好きなレコード会社のスタッフが選曲したのか気になるところです。

2002年12月23日
Par Lindh周辺
「PAR LINDH PROJECT/Gothic Impressions」(1994年 SWEDEN/画像左)

 北欧のヴィンテージキーボーディスト、Par Lindhのデビューアルバム。 アルバムタイトルの通りゴシック色強烈なチャーチオルガンを始めとして、全体をHAMMONDやMellotronが覆い尽くす重厚な仕上がり。 オープニングからチャーチオルガンに加えてMellotronのストリングスが登場します。 「The Iconoclast」では曲調の変わる後半からMellotronフルートが導入され、徐々にMellotronストリングス、チェロが重なる美味しい曲。 素朴で美しいMellotronフルートソロを含む「Green Meadows Land」はカンタベリーチックなヴォーカルで歌われる美しいナンバー。 約20分の大曲「The Cathedral」では後半のテンションが上がったところでかなり早いMellotronストリングスのフレーズを聴くことができたりと、聴きどころが満載です。 FLOWERKINGS、KAIPAのRoine Stolt他、ANGRAGALDのメンバー多数参加。

(画像中/Par LindhのCRIMSONIC STUDIOには白いMellotronがセッティングされています)

「THE NEW GROVE PROJECT/Fool's Journey」(1996年 SWEDEN/画像右)

 キーボードにPar Lindh、ギターにRoine Stolt、ドラマーにENGLANDのJude Leigh他のメンバーで構成された、プロジェクト。 ヴォーカルのIngemar Hjertqvistらが1984年からアイデアをあたためていたストーリー仕立てのこのコンセプトアルバムは、Jude LeighのまるでENGLANDな高揚感溢れるドラムスを土台に、Roine Stoltの縦横無尽なギターフレーズ、加えてMellotronとオルガンを中心とした暖かみのあるレコーディングで高い完成度を保っています。 特にMellotronのストリングス、フルート、コーラスは、ほぼ全曲にわたって大々的に登場し様々なフレーズが試みられています。 クレジットはMellotron MARK Vとなっています。

2002年12月22日
フォーカス
「FOCUS/Moving Waves」(1971年 NETHERLANDS/画像左)
「FOCUS/Hamberger Concert」(1974年 NETHERLANDS/画像左)


 ロックンロールの疾走するエネルギーから、バロック音楽、そしてヨーデルの唱法まで混在する寛容な姿勢はまさしくプログレッシヴロック。 Thijs Van Leerのオルガン、ボーカルとJan Akkermanのギターとの掛け合いの中で、Mellotronの叙情的ムードが全面的に出ることはありませんが、「Le Clochard」「Focus II」「Eruption」「Hamberger Concert」では繊細なMellotronストリングスがバックを支えます。 「Hamberger Concert」など、聴いているうちに天に召されそうな美しさです。 古楽器のリュート演奏までこなすJan Akkermanの多面性にはヨーロッパの懐の深さを感じざるをえません。

資料提供 Brother of mine氏

2002年12月22日
光に目もくらみ
「MANFRED MANN'S EARTH BAND/The Roaring Silence」(1976年 UK)

 BRUCE SPRINGSTEEN「Blinded By The Light」のカバーで勢い良く始まるこのアルバムは、プログレ風味をちりばめたポップな作品が並んでいます。 Chris Hamlet Thompsonのハスキーなボーカルとは対照的に、とても上品なManfred MannのMellotron演奏を聴くことができます。 Mellotronストリングス、コーラスが入念に練られたアレンジの楽曲の使われるべき場所でしっかりと前面に登場します。

2002年12月20日
ゴダイゴ
「GODIEGO/Godiego-組曲新創世記-」(1976年 JAPAN/画像左)

 A面が「僕のサラダガール」等のヒットを含む小曲、B面が「組曲新創世記」なる大曲で構成された1stアルバム。 A面収録の「マジック・ペインティング」ではストリートオルガン風の怪しげな曲に、タケカワユキヒデさんがいたずらに演奏したと言われるMellotronフルートがリズムを刻みます。 中間から曲調が一変して壮大になり、Mellotronコーラスで聖なる感を醸し出しています。

「GODIEGO/Dead End」(1977年 JAPAN/画像右)

 1stから1年3ヶ月の間を経てリリースされた2ndアルバム。 シリアスな印象のアルバム最後に収録されている「御国」ではイントロから大々的にMellotronコーラスを導入しています。 熱心なローランドユーザーであったミッキー吉野さんもこの音はやはりMellotronを使うしかなかったでしょう。

2002年12月18日
カルメン マキ&OZ
「カルメン マキ&OZ/III」(1977年 JAPAN/画像左)

 前作「閉ざされた町」でクリムゾン「冷たい街の情景」を臭わす作風があったと思えば、今回収録の「昔」では完璧なクリムゾンモード。 「エピタフ+宮殿」である事は間違いのない14分もあるこの曲には、リズムを刻むMellotronフルートと痛々しいMellotronストリングスが大胆に使用されています。 このMellotronが心配になる位、音程がギリギリな上に音が揺れること揺れること! そんな状態で後半はMellotronの嵐ですからファンには本当にたまりません。 マキの情念がこもったヴォーカルとハードプログレの組み合わせが格好いい。 これは聴くべきです。

「カルメン マキ&OZ/Live」(1978年 JAPAN/画像中)

 1977年5月21日の日比谷野外音楽堂と10月18日の新宿厚生年金会館での演奏を収めたライブ盤。 ステージ上にはMellotronを見つける事が出来ますが、音源ではオルガン、ストリングスアンサンブルやシンセサイザーの音が大きく、ハッキリと聴き取る事は出来ませんでした。 という事で、目の保養だけでもどうぞ。

(画像右/ジャケット裏の写真。MAKIの後ろで白いMellotron M400Sを演奏するキーボードのラッキーこと川崎雅文さん)

2002年12月17日
Mellotronが流れる J-POP
「中村一義/歌」(1998年 JAPAN/画像左)

 作詩作曲からほとんどの楽器の演奏までこなす中村一義さんのシングル「そこへゆけ」カップリング曲。 アナログシンセサイザーやオルガンの暖かい音に囲まれてMellotronストリングスが顔をのぞかせます。 このMellotron演奏は、アンビエント・テクノ関連で活躍される、細海魚さんのクレジットになっています。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「岡北有由/ファイ」(2002年 JAPAN/画像右)

 個性的な歌詞と独特の歌唱が印象的な彼女のシングル。 間奏からMellotronストリングスがリードをとり、テンションを上げたままエンディングへ進みます。 またカップリングの「ファイ(Enjoy the rain version)」では逆回転風にエフェクトの掛けられたキモチイイMellotronストリングスを楽しむ事が出来ます。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2002年12月17日
Mellotronの先駆者
「THE GRAHAM BOND ORGANization/There's A Bond Between Us」(1965年 UK)

 Graham Bondは最も早い時期からMellotron使用したプレイヤーの一人と言われています。 Dick Heckstall-smith、Jack Bruce、Ginger Bakerを擁したこのグループはR&Bをベースにした洒落たジャズロックを聴かせます。 1965年の彼等の2ndアルバムにはしっかりとMellotronが使用されており、ジャケットのライナー(英語)にも解説者のコメントで「Mellotronと呼ばれる新型楽器を見せてくれた。 彼等はレコーディングとステージワークで使用している。 このオルガンに似た楽器は全鍵盤から様々な楽器音を出す事のできる機能が備わっている。」と誇らしげに書かれています。 収録曲「Baby Can It Be True?」では静かなMellotronフルートと、いかにもMARK IIのストリングスとわかる豊かな音を奏でながらムーディーな雰囲気を出しています。 オルガンも間に交えながら丁寧な組み立てをしていますので、やはりMellotronの音にはこだわったものと思われます。 その他「Here Me Calling Your Name」ではMellotronギター、ブラス、「Walkin' In The Park」ではMellotronストリングス、「Last Night」「Dick's Instrumental」「Don't Let Go」ではMellotronオルガン(もしくはストリングス)が使用されているようで、彼のトレードマークと言えるファズオルガンとは違う独特の音を出しています。

2002年12月15日
トレイス
「TRACE/Trace」(1974年 NETHERLANDS)

 キーボードのRick van der LindenがEKSEPTIONを解散し、FOCUSのPierre van der Lindenらと結成したキーボードトリオのデビュー盤。 Rickのキーボードはクラシカルな曲調に良くマッチし、Mellotronやオルガンを用いて饒舌な演奏を聴かせます。 全曲に渡ってMellotronの音源を聴く事が出来、ひりひりとやけどをするようなMellotronストリングスと清らかなMellotronコーラスが効果的に使用されていて、シンフォニックな楽曲を盛り上げています。 ドラムスとベースも安定したテクニックなのですが、ミキシングが悪いのかキーボードを中心とした中高音部ばかり聴こえるのが残念。 地上のリズム体に向かってRickは成層圏から妙なるMellotronを奏でているようです。 ROCKの悪の香りとは無縁なこの音世界は、クラシックのアルバムとして聴く事をお勧めします。

資料提供 Brother of mine氏

2002年12月14日
MUGEN
「夢幻/Sinfonia Della Luna」(1984年 JAPAN/画像左)
「夢幻/レダと白鳥」(1986年 JAPAN/画像右)


 プログレッシヴロック専門CDショップ「GARDEN SHED」の林克彦氏率いる完全ヨーロッパ指向のシンフォニックロックバンド。 欧州中世風か神話風か、日本語で歌うのは正直無理を感じますが、MellotronやHAMMOND等のキーボードを導入した楽曲はその気にさせる内容です。 特にMellotronの録音が綺麗で、よほどコンディションの良い物でないとこれほどまで安定して発音しないのではないでしょうか? 底無しの叙情と強烈な美学に浸れます。

2002年12月12日
爽快なMellotron Rock
「ANGEL/Angel」(1977年 USA/画像左)

 KISSを擁するCASABLANCA RECORDよりデビューした、ビジュアル系ハードロックバンド。 現代のビジュアル系とは違い、テクニックやセンスも高く、後にGIUFFRIAを結成するキーボードのGreg Giuffriaは何かにとりつかれたようにMellotronやシンセサイザーを弾きまくります。 1曲目冒頭からシンセのサンプル&ホールドに始まり、Mellotronフルート、ストリングス、コーラスの嵐。 当時、目標であったはずのQUEENやAEROSMITHとは一線を画す非常に個性的な音を聴かせてくれます。 エンディングには「Angel(Theme)」というMellotronとシンセによる壮大なインストルメンタルが収められており、結成当初のコンセプトがキーボードオリエンテッドなハードロックバンドであった事が伺われます。 次作以降からはギターの比率も高くなり、キーボードマニアックな香りは少なくなっていきます。

「NEW ENGLAND/New England」(1979年 USA/画像右)

 KISSのPaul Stanleyと後にASIAにも関わるMike Stoneがプロデュースした新人バンド。 全曲キャッチーでコンパクトにまとまっており、恥ずかしくなるくらいのさわやかさで突き抜けています。 Jimmy Waldoの演奏する、MellotronのストリングスやMellotronコーラスを大々的に導入しているのですが、なぜか暗くならない不思議な一例。 夏の海辺も似合う希有なMellotron Rock。

2002年12月12日
バグルズ イエス エイジア
「YES/Drama」(1980年 UK/画像左)

 Jon AndersonとRick Wakemanの脱退と言う難局を乗り越えるべく画策された、BUGGLESとの合体劇。 前作では使用されなかったMellotron(NOVATRON)を再び登用するGeoffrey DownesとJon AndersonになりきるTrevor Hornがそこにいました。 「Machine Messiah」の中間部からエンディングにかけて重厚なNOVATRONコーラスを使用しています。

「YES/Dramashow」(画像中 UK/コレクターズ盤)

 1980年ニューヨーク、マジソンスクウェアガーデンでのライヴ。 Rickの後釜だけあって、予想以上ににNOVATRONを使用する場面があります。 「And You And I」の間奏から使用される大音量のNOVATRONストリングスは強烈で身震いしそうです。 アルバム未収録の「We Can Fly From Here」では縦横無尽に弾きまくるSteve HoweのギターのバックにNOVATRONストリングスを流します。そして「Machine Messiah」ではNOVATRONコーラスが活躍します。 ライヴ後半の「Starship Trooper」「Roundabout」でも当然NOVATRONのストリングスとフルートが導入されています。 このライヴ、Jon Anderson脱退の危機を乗り切ろうとうするTrevorの切実なYES愛が感じられて、涙無しには聴けません。

「ASIA/Asia」(1982年 UK/画像右)

 イエス解体後、Steve Howeと共にスーパーグループの一角に収まるGeoffrey Downesは、膨大な数のキーボードを使用する様になりますが、このアルバムでも再びNOVATRONを使用しています。 BUGGLES、YES時代から頻繁にヴォコーダーを使用していましたので、この手の音が好きなのでしょう。 「Cutting In Fine」の後半部に得意のNOVATRONコーラスを使用しています。

2002年12月7日
マシュー・スウィート
「Matthew Sweet/Blue Sky On Mars」(1997年 USA)

 シンプルでストレートなロックへと変貌した、彼等の6枚目のアルバム。 「Behind The Smile」ではサビの転調する美味しい部分にシンプルな一本指奏法でMellotronストリングスが導入されていて、これが結構よれよれなイイ味を出しています。 「In Your Drug」ではピッチコントロールで過剰に演出されたMellotronストリングスが妙な音を出しています。 Brendan O'Brienの演奏するオルガンもセンスよく配された、この青々としたロックは、60年代、70年代の香りが漂います。

2002年12月2日
ケヴィン・ギルバートに捧ぐ
「TOY MATINEE/Toy Matinee」(1990年 USA/画像左)

 MADONNA「True Blue」のプロデューサーとして一躍、名を馳せたPatrick LeonardとProgfestやKeith Emerson、Sheryl Crowらとの活動でお馴染み、Kevin Gilbertのプログレッシヴ・ポップユニット。 シリアスでハードな印象の「Queen Of Misery」ではドラマチックなMellotronストリングスのキーボードソロが聴きもの。 「There Was A Little Boy」ではサビに登場するMellotronストリングスがなんとも強烈な印象。 間奏からエンディングではMellotronコーラスがサブリミナル的に現れます。 優れた作曲と入念なレコーディングで聴き応えのあるプログレポップ推薦盤。

「SPOCK'S BEARD/Beware Of Darkness」(1996年 USA/画像右)

 急逝したKevinと交流の深かったSPOCK'S BEARDが、彼に捧げた2ndアルバム。 1曲目George Harrison作品の「Beware Of Darkness」からほぼ全曲に渡って、奥本亮さんのMellotronが大々的に導入されています。 曲もポップ且つコンパクトにまとまって、「緩」の部分で活躍するMellotronと「急」の部分でのHAMMONDとの対比は文句の付けようが無い程気持ちよくキマっています。 大作指向の1stと、SPOCK'Sの完成形をみる次作「The Kindness Of Strangers」の間をつなぐ重要作品。

2002年12月2日
苺畑のピクミン
「STRAWBERRY FLOWER/愛のうた〜ピクミンCMソング」(2001年 JAPAN)

 任天堂ゲームソフト「ピクミン」のCMソング。 かわいらしい曲調は苺畑の直球勝負。 1コーラス目の後半からなんともMellotronライクなフルートがリズムを刻み、中間のアコーディオンを挟んで最後はフルートの印象的なソロで終わります。 これはまた素敵なお茶の間トロンですな。

資料提供 Buchi氏

2002年12月2日
MARK IIのリズム&フィルを楽しむ
 35鍵づつ左右に分割された鍵盤を備えるMellotron MARK IIは、右鍵盤にストリングスやフルート等のリード楽器音源、左鍵盤には様々なリズムパターンやフィルインのフレーズがセットされています。

「THE BEATLES/The Beatles」(1968年 UK/画像左)

 BEATLESホワイトアルバム収録の「Continuing Story Of Bangalow Bill」は、スパニッシュギターのMARK IIフィル(左鍵盤)に始まり、曲中は軽やかなMellotronマンドリンが鳴り続け、加えてメロディを追いかけるMellotronトロンボーンのとぼけた音源まで楽しめる一曲。 演奏はJohn Lennonと、エンジニアのChris Thomas。 既存のリズムやフィルを巧みに取り込んだサンプリングミュージック初期の傑作

「THE KINKS/The Kinks Are The Village Green Preservation Society」(1968年 UK/画像中)

 紆余曲折の末、発売されたKINKSの7枚目のアルバム。 いかにもブリティッシュロック然とした楽曲からは、Ray Davisの演奏するMellotron MARK IIの素敵な音があちこちから流れてきます。 「Starstruck」はMellotronチェロのにがい音に始まり、MARK IIストリングスのなんとも言えない上品な音が前面に現れ、更にMellotronブラスが加わり、厚い音を聞かせています。 「Phenomenal Cat」では、まるで猫がじゃれるかのようなMARK IIフィルのスウィンギング・フルートに始まり、そのままフルートがリードをとります。その後、独特のMellotronギターが絡んで来て再び優しいフルートの音でエンディングを迎えます。 「Days」では、か細いMellotronマンドリンがバッキングをとり、要所でMellotronストリングスが重なります。 「Mr.Songbird」ではMellotronフルートが結構な早弾きにも追随しています。 エンディングがMARK IIフィルに聞こえるのは私だけ? 1968年!隠れMellotron ROCK推薦盤。

「YES/Lightning Strikes」(1999年 UK/画像右)

 アルバム「The Ladder」収録のこの元気の良いナンバーは、驚いた事にKINKS「Phenomenal Cat」と全く同じスウィンギング・フルートのMARK IIフィルに始まります。 これは偶然なのか、意識しての事なのか。 いずれにしても、魅力的なMARK IIフィルには変わりありません。 キーボードは新加入のIgor Khoroshev。

2002年11月29日
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