ARTIST INDEX

■ CDS&RECORDS [10/10]
イージーリスニング古典
「コモエスタ八重樫/恋は水色」(1993年 JAPAN)

 東京パノラマ・マンボ・ボーイズ、幻のショップ「パノラマ」、DJ、ライター等、多彩な活動で知られるコモエスタ八重樫さんの素敵な一枚。 3曲目「Mellotronman」ではそのとおりストロベリーなイントロに始まるなんだか甘酸っぱい曲。 5曲目タイトルトラック「恋は水色」では、息が詰まりそうなMellotronストリングスが途中からリードをとり、ピッチ奏法も使いながら、なかなかの聴かせどころを作っています。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

(画像右/インドネシア大使館の庭園でM400S#714とたたずむコモエスタ八重樫氏)

2002年4月25日
出だしが肝心
「ザ・ブリリアント・グリーン/angel song−イヴの鐘−」(2000年 JAPAN/画像左)
「椎名林檎/勝訴ストリップ」(2000年 JAPAN/画像右)


 何事も出だしが肝心!新入生、フレッシュマンも今が最初の正念場。 ラジオオリエンテッドな事が命題のJ-POPだって同じです。 ブリグリのクリスマスソングは静かなアコギに始まり、程なくたよりなげなMellotronフルートがかぶって「聖なる感」を強調。 イントロのみで全体のムードを決定できるこの1音はすごい。 椎名林檎はアルバムトップ「虚言症」でシリアスでヘビーなイントロの合間を縫って他人事の口笛のごときMellotronフルートで幕開け。 3曲目「弁解ドビュッシー」の中間部では全力疾走する他楽器群を迷走しながらもMellotronストリングスで猛追。 音色はプロデューサー亀田誠治の選択でしょう、なかなかいけますヨこれは。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2002年4月16日
Mellotron is Beautiful
「FANTASTIC PLASTIC MACHINE/beautiful」(2001年 JAPAN)

 タイトルトラック「Beautiful Days」ではリズミカルにコードを刻むMellotronフルートの上を、Mellotronストリングスがゆるゆると流れていきます。 何がビューティフルなのかと問われれば、やはりこの音がビューティフルなのであり、音源の選択は完璧。 とても快適な曲です。 演奏(プログラム?)は田中知之さん。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2002年4月11日
シングライクトーキング
「SING LIKE TALKING/Welcome To Another World」(1997年 JAPAN/画像左)
「SING LIKE TALKING/Metabolism」(2001年 JAPAN/画像右)


 AORやファンクを得意とするシング・ライク・トーキングですが、以前からプログレッシヴ・ロックの影響も認めていました。 9thアルバム「Welcome・・」の収録曲「The Light Is You」では初めてMellotron音源を導入し、その音楽的変化の萌芽を見せています。 最新作「METABOLISM」ではあらゆるジャンルの要素を貪欲に取り込み、一聴しただけでは本質をつかめない深みのある内容になっています。 収録曲「見知らぬ空の下で」のストリングスのリードをとるMellotronチェロは、音の切り返しに出るその「音のアク」(テープアタック音)をもしっかり表現されており、キーボード藤田千章さんのこだわりは、凡百のJ-POPSとは一線を画すものです。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2002年3月8日
無人島レコード10枚相当品
「KESTREL/Kestrel」(1975年 UK)

 曲が良い、演奏が上手い、ポップである、プログレッシヴな要素を持っている。 ロックファンの考える「無人島に持っていきたいレコード10枚」の要素を全部注入したような全方位的な抜かりのない作り・・・そしてJohn Cookの演奏する大々的な Mellotron。 これは、文句無しにお勧めします。

2002年3月8日
プログレ前夜のMellotron
「CZAR/Czar」(1970年 UK/画像左)
「THE GODS/To Samuel A Son」(1969年 UK/画像右)


 サイケでイカすジャケでいきなりノックアウト。 ヘヴィでダークなCZARは鼻のつまったようなMARK IIブラス、クラシカルなGODSはめまいがしそうなくらいカラフルなMARK IIストリングスを多用。 両者共に何か勘違いしているのでは?と思うほど自信満々な表現が時代を感じさせます。 ビートポップの土台の上にサイケデリックやプログレッシヴがある感じ。 CZARはBob Hdges、GODSは後にURIAH HEEPの中心人物となるKen Hensleyが、Mellotronを演奏しています。 プログレ前夜の情熱に万歳!

2002年2月17日
ただひたすらにMellotron・・・
「DEADWOOD FOREST/Mellodramatic」(1999年 USA)

 ANGLAGARD、PINEFOREST CRUNCHのドラマー、Mattias Olsonがプロデュースしたアメリカのバンド。 KINGCRIMSON、YES、STEREOLABあり、プログレ色、フォーク色、テクノ色あり・・・いろいろな要素が詰め込まれていて、一聴しただけでは実体が良くわかりません。 しかし、すべての曲に大々的に導入されたMellotronと妙に牧歌的なムードがオリジナリティを出しています。 Mattiasのマニアックさは変わらず、スタイロフォンやテルミンを始め、これだけMellotron使えば満足でしょう! キーボードクレジットはMitch Mignano。

2002年2月6日
DaveさんのMellotronサウンド
「Neil/hole in my shoe」(1984年 UK/画像左)

 自身の本業ではほとんどMellotronを使用しなかった、カンタベリーの名キーボーディスト、Dave Stewart。 プロデュースやゲストではそれらしい音源を使っています。 コメディアン「Neil」ことNigel Planerのこの曲では、Mellotron風サウンドを使用しています。

「Pip Pyle/7 Year Itch」(1998年 UK/画像右)

 旧友、Pip PyleのソロアルバムではBarbara Gaskinらと共に「ストローベリー・フィールズ・フォーエバー」を演奏しています。 Daveさんって本当はMellotronが好きなのかも?

2001年12月22日
ニューミュージックのMellotron オフコース
「オフ・コース/ワインの匂い」(1975年 JAPAN/画像左)

 大ヒット曲「眠れぬ夜」の次に収録されている「倖せなんて」はまるでKINGCRIMSON「Moonchild」を思わせる幻想的なラジオヴォイスに導かれ、間奏では小田和正さんのクレジットで、冷ややかなMellotronストリングスを聴く事ができます。 当時最新鋭だったMellotronの使用は時代の必然だったかもしれませんが、いかにも目新しい音に感じさせないそのバランス感覚はさすがです。

「EVERYTHING SHE WANTS/Everything She Wants」(1994年 JAPAN/画像中)

 元オフコース、ヴォーカル、ギター、ハーモニカの松尾一彦さんのユニット。 収録曲「あの頃、19歳」「素足のふたり」で松尾さん自らMellotronを操り、ノスタルジックなポップサウンドを作っています。

「ザ・ジャネット/美しい季節」(1974年 JAPAN/画像右)

 プレ・オフコース。 松尾(ジュン!)さん、大間ジローさんがオフコースに参加する以前のバンド「THE JANET」のデビューシングル。 アレンジとキーボードを担当した、東海林修さんがMellotronを演奏しています。 イントロから驚くほどMellotronストリングスが活躍していて予想以上に聴き応えあります。 音から察するにMARK IIを使用している様ですが、1974年アビイロードスタジオの録音ですのでもしかしたらビートルズが使用していたMARK IIでレコーディングされているのかもしれません。 デビューアルバム「グリーン・スピードウェイ」でもMellotronが多用されています。

 現在、元オフコースの清水仁さん、松尾一彦さん、大間ジローさんは新バンド「ABC」で活躍中です。 「ABC」のサイトはLINKから是非行ってみてください!!

2001年12月6日
プログレネットワーク
「TM NETWORK/Major Turn-Round」(2000年 JAPAN)

 いきなりロゴがRoger Deanそのものじゃありませんか!(Roger Dean作ではありませんが・・・) 1曲30分もある、タイトルソングから、いかにもTMチックな小曲までバラエティに富んだ内容で、問題のMellotronはHammondの動に対し静の部分を表現しています。 Simon Philipsのバカテクドラムがプログレたるテンションを作っており、Mellotronの不穏で不安定な感じがTM NETWORKに新しい表現を与えています。

 小室哲哉さんは2000年11月、アーバンミュージックさんより、Mellotron M400SとMARK VIを購入されています。

2001年11月28日
Mellotronの桃源郷
「CELESTE/Celeste」(1976年 ITALY/画像左)

 Leonardo LagorioとCiro Perrinoの演奏するMellotronの、気が遠くなるようなストリングスとギターのアルペジオに加えてフルートが美しいCELESTE。 イタリア語のヴォーカルがまた心地よく聞こえます。 Mellotronはメイン楽器として全編に響いていて、バンドのカラーを決定しています。

「WIND/Morning」(1972年 GERMANY/画像右)

 土臭いボーカルと優しいメロディに合わせてMellotronストリングスが流れ、Mellotronブラスが歌う。 昨今流行のいきり立った音像は一切ありません。 心洗われる一枚。 キーボードクレジットはLucky Schmidt。

2001年11月19日
Mellotron原器の宮殿
「KING CRIMSON/In The Court Of The Crimson King」(1969年 UK/画像左)

 改めて聴きなおしてみると、「クリムゾンキングの宮殿」のMellotronサウンドは生ストリングスを意図した音に聴こえません。 Mellotronがあらゆる楽器音を鍵盤上で再現する事を目的に開発された目的とは違う次元で使用されている良い例だと思います。 BEATLESがMellotronフルートを和音で弾いたのも同じで、この曲が30年を経過しても色褪せない理由の一つはその冒険心ではないでしょうか。 いわゆるMellotron RockやCRIMSONフォロワーの絶対に越えられない世界基準の曲でしょう。 今やMellotronを弾いたIan McDonald本人も恐れているであろう、ロックの金字塔。

「Steve Hackett/The Tokyo Tapes」(1998年 UK/画像右)

 1996年、純粋なGENESIS、Hackettファンは戸惑い、外野のプログレファンが狂喜したコンサート。 「クリムゾンキングの宮殿」の曲紹介にJohn WettonがIan McDonaldへ「20何年ぶり?」とたずねるのもなかなかの演出です。 涙無しに聴けません。 MellotronサウンドがKORGのデジタルシンセで出されようが文句は言いません。 Steve Hackettのプログレ愛にも大感謝です。

2001年11月12日
P-MODELのMellotron
「MANDRAKE/Unreleased Materials Vol.1 & 2」(1997年 JAPAN)

 P-MODELの前身、プログレ時代のマンドレイク発掘音源集。 初めて聴いた時は正直、ひっくり返るほど驚きました。 これが当時メジャーで世に出なかったなんて信じられません。 2枚リリースの内、やはりトップを飾るvol.1の1曲目「飾り窓の出来事」は本当に素晴らしい! 田中靖美さんの凄まじいテンションと、怒りにも似たMellotronストリングスの暴風雨は感動の一言に尽きます。 ああ、もったいない!必聴!!

2001年11月8日
HATFIELD & THE TRON
「VOLARE/The Uncertainty Principle」(1997年 USA)

 カンタベリーの某グループにそっくりなアメリカのジャズロックバンド。 本家にMellotronはほとんど入っていませんが、こちらは「THE NORTHETTES」のコーラスに代わり、Patrick StawserのMellotronのストリングスが天空を漂います。 なかなか出来が良く楽しめるジャズロックです。

2001年11月8日
哀愁の南十字星
「SEBASTIAN HARDIE/Four Moments」(1976年 AUSTRALIA/画像左)
「SEBASTIAN HARDIE/Live In L.A.」(1999年 AUSTRALIA/画像右)


 オーストラリアのシンフォニックロックバンド。 勇壮で清々しい組曲「FOUR MOMENTS」に引っ張られて、アルバム1枚を一気に聴かせてくれます。 Toivo PiltのMellotronストリングスが雄大なイメージを盛り上げ、Mellotronファンを裏切る事はありません。 邦題「哀愁の南十字星」とは恥ずかしい気もするが、これしかないでしょう! 大傑作。

2001年11月8日
GREENSLADE
「GREENSLADE/Greenslade」(1973年 UK/画像左)
「GREENSLADE/Live」(1999年 UK/画像右)


 私が最もブリティッシュロックらしいグループを挙げよと、問われれば迷わず「GREENSLADE」と答えます。 ほどよくロックしていて、ほどよくプログレで、ほどよくMellotronで・・・しかも、ほどよく楽しくて、センスが良くて、こんなバランスのグループはめったにありません。 ダブルキーボーディストの中でも、Mellotronを愛用していたのはリーダーのDave Greensladeで、Mellotronファンが期待する場面に必ずMellotronの風を吹かせます。 Roger Deanのジャケットアートと共に本当に素晴らしいMellotronワールドへ誘ってくれます。

2001年11月4日
古代サンプラーの詩
「V.A./The Mellotron Album Rime Of The Ancient Sampler」(1993年)

 Mellotronにゆかりのあるアーティストが集結して作られた、Mellotron アルバム。 参加アーティストは、Patrick Moraz、Bill Nelson、Gordon Reed、Woolly Wolstenholme、Martin Smith、Julian Colbeck、Mike Pinder、Nick Magnus、David Cross、David Kean、Ken Freeman他と超豪華です。 曲の方はイージーリスニング的な曲が多く、Mellotronの音色をストレートに楽しめる内容になっています。 また、アルバム最後に収録されている1964年当時のMellotron MARK IIデモンストレーションレコードは本当に素晴らしい。 ラテンアメリカを代表する作曲家Rafael Helnandezの名曲「El Cumbanchero」を、Mellotronのリズムトラックとリード音源で情熱的に演奏しています。 リズムトラックとメロディを組み合わせると、こんなに楽しい楽器だったのかと再認識させられます。 MARK IIがホームエンターテイメントとして開発された事がうかがわれる歴史資料です。

(画像中/NOVATRON 400とPatrick Moraz)
(画像右/白熱の演奏が楽しめる 1964 Mellotron Demonstration Disc)

2001年11月3日
プレ・ヒカシュー
「PRE HIKASHU/Pre Hikashu」(1998年 JAPAN)

 メジャーデビューする前の、オリジナル・ヒカシュー。 井上誠さんのMellotronから奏でられる、ひぐらしやつくつくぼうし!の鳴き声で曲は始まります。 使用されている3台のMellotron M400Sの内訳は、[Flute/Strings/Cello] [Mix Choir/Trumpet/Trombone] [虫/鳥/獣/人/銅鑼/梵鐘/爆発音]となっていて、3番目のテープは驚きのセルフサンプリングです。 これは本当にすごい。 1/4インチテープのコンバージョンキットを最大限に活用してここまで使われれば楽器も本望でしょう。

(画像中/演奏中のメンバーの後ろにMelotron M400Sが2台)
(画像右/デビューライブのチラシにはMellotronの後ろ姿が写ってます)

2001年10月26日
ZOMBIES
「THE ZOMBIES/Odessey & Oracle」(1968年 UK)

 60年代のビートポップバンド、ZOMBIESの2ndアルバム(未発表音源集)。 解説によるとビッグヒットとなった「TIME OF THE SEASON」以外チャートの反応はあまり良くなかったらしいのですが、すべてポップで良い曲ばかりです。 どプログレとまではいかないものの時代のせいかヒネクレ、サイケ感があり聴き応えあります。 Rod Argentの操るMellotron MARK IIは深いリバーブをかけスウェルペダルを使ってスムーズな演奏をするかと思えば、ほぼドライでラフに演奏してみたりと結構凝っています。 全編Mellotronの音色が楽しめる1枚です。

2001年10月24日
Vincent GalloのMellotronワールド
「Vincent Gallo/When」(2001年 USA)

 マルチアーティストVincent Galloのソロアルバム。 非常に内省的でまるで独り言のような内容です。 本人いわく、スタジオの反響等を一切排したレコーディングと言う事なので、すべての音が耳元で鳴っているかのようです。 1曲目「i wrote this song for the girl paris hilton」では、寂しげなMellotronフルート、4曲目「was」ではうつろなMellotronヴィブラフォン、5曲目「honey bunny」ではひんやりとしたすきま風のようなMellotronストリングスを聴く事が出来ます。 どれも素晴らしいですが、特にMellotronヴィブラフォンの音色は必聴です。 その他の曲でもあちこちMellotronが顔を出します。

2001年10月24日
Mellotron国歌
「CALLIOPE/La Terra Dei Grandi Occhi」(1992年 ITALY)

 90年代、イタリアヴィニールマジックレーベルから大量にリリースされたバンドの一つCALLIOPE。 Moog、Hammond、Mellotronを武器にたたみかけるようなプログレ教科書フレーズを連発し、ファーストアルバム「LA TERRA DEI GRANDI OCCHI」を印象に残らないほど疾走しています。 しかし、最後を締めくくる曲「Mellotronmania」ははっきり言って名曲です。 Rinaldo Doroの演奏するMellotron多重録音が奏でる音色は荘厳で流麗な1分32秒の大曲です。 Mellotronの決定版を探していらっしゃる方にもろ手を挙げてお勧めします。 そして勝手ながらこれを、Mellotron国歌に認定します。

(画像右/左下Mellotron M400Sを含む電子古楽器群を前にするメンバー)

2001年10月21日
急逝が惜しまれる幻のアーティスト
「Kevin Gilbert/Thud Promotion CD」(1995年 USA/画像左)

 Progfest'94で「眩惑のブロードウェイ」を再現して、GENESISファンをぶったまげさせたKevin Gilbert。 このプロモーションCDでは、ソロアルバム「Thud」に収録された3曲の別バージョンに加えてLED ZEPPELINの「Kashmir」を収録しています。 その「Kashmir」ではORCHESTRONストリングスを、「Goodness Gracious」ではMellotronフルートを、「Waiting」ではオルガンとストリングスを混ぜたようなMellotronサウンドを聴く事が出来ます。 曲が良い上にアレンジも冴えていて聴き応えがあります。 キーボードクレジットはDavid Kerznerとなっています。

「V.A./Tales From Yesterday」(1995年 V.A./画像右)

 YESトリビュートアルバムでは STANLEY SNAIL名義で「Siberian Khatru」を演奏しており、Kevin Gilbertはキーボードと三声ボーカルの低音部を担当しています。 ここでも「Waiting」と同じ音色を選択し、いい味のMellotronを弾いています。 両方ともドラムはSPOCK'S BEARDや「Calling・・・」GENESISに参加しているNick D'virgilioです。 それにしても、Phil Collins脱退後のGENESISオーディション参加直前に急死するとは・・・今でも本当にショックです。 彼の足跡を追った日本唯一のサイト「不思議の国のKevin」はLINKから是非どうぞ!

2001年10月18日
ザ・シンフォニック・スペクタクルズ
「SFF/Symphonic Pictures」(1976年 GERMANY)

 Schicke、Fuhrs、Frohlhingのトリオ、SFFの1stアルバム。 ドイツのブレインレーベルからリリースされたスイスのアーティストという情報でしたが、どうやらドイツのアーティストというのが正しいようです。 音触はソフトですが切り返しの非常に多い、構築的なシンフォニックプログレです。 いわゆるEL&P的なオルガンロックでもなく、トリオ構成としては独自の個性を構築し得たと言えるでしょう。 全編に渡ってMellotronがメインキーボードとして使用されており、聴き応えは十分。 メロトロンマニアには一聴をおすすめ出来る作品です。

(画像中/スタジオで演奏するGerhard Fuhrs minimoogの下にMellotron)
(画像右/ダブルネックとMellotronで忙しそうなHeinz Frohling)

2001年10月18日
ランドベルク
「LANDBERK/Dream Dance」(1995年 SWEDEN)

 北欧Mellotronロックの代名詞的な彼らのアルバム「Indian Summer」からのシングルカット。 シンプルなリズム体と空間系のギターとボーカルに一喝を入れるようなMellotronストリングス。 Mellotronが好きな人なら「ここで出てこい!」と言ったドンピシャのタイミングでMellotronが直球勝負を挑んできます。 プログフェスト'95で同曲を演奏した時、Mellotronの音が予想外に小さく、キーボードのSimon Nordbergがミキサーに「音を上げろ!」とサインを送っていたのが印象的でした。

2001年10月18日
U2
「U2/All That You Can't Leave Behind」(2000年 IRELAND)

 収録曲「Beautiful Day」「Kite」は、両曲ともイントロからMellotronライクなストリングスを使用しています。 一節入れるだけでその曲のイメージを決定するくらい、存在感は大きいのですが、U2のシンプルなロックにローファイなMellotronサウンドは非常にマッチしています。 キーボードはプロデューサーのENOでしょうか。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2001年10月18日
さよならMellotron
「KING CRIMSON/Dinosaur」(1995年 UK)

 「僕は恐竜、誰かが僕の骨を掘り起こしている」、わざわざMellotronをクレジットに表記するほどなので、シンボル的に上手く使用されています。 Robert Frippいわく、70年代的手法も解禁したとの事なので、Mellotron使用は必然ですが、恐竜になぞらえて過去の遺物に仕立てている様にも聞こえるのは考え過ぎでしょうか? これがKING CRIMSONにおけるMellotron最後の咆哮となります。

2001年10月16日
ラジオスターのMellotron
「BRUCE WOOLLEY & THE CAMERA CLUB/Promo EP」(1980年 UK)

 ラジオスターの影の立役者Bruce Woolleyも、使ってなさそうで意外と使っているものです、Mellotron。 「TROUBLE IS」ではちょっとイカレタ、ニューウェーブっぽく、フルートと3バイオリンが使われておりどちらかというと効果音的扱い。 「ONLY BABIES CAN FLY」では寂しげな曲調に合わせてストロベリーチックなフルートが登場し、間奏では大々的にチェロと3バイオリンが登場します。 演奏はThomas Dolbyでしょうか。

2001年10月14日
ヴィンテージシンセイサイザー
「Matthias Becker,Klaus Stuhlen/Vintage Synths Vol.1」(1990年 GERMANY)

 Mattias BeckerとKlaus Stuhlenが、ARP、Moog、EMSシンセ等22種類のヴィンテージシンセで作ったオリジナルのデモソングを集めたCD。 Mellotronも入っていますが、何やらすごく音が奇麗で、微妙に似てない。 ライナー(英語)を見てみると所有するNOVATRONのテープがだめになっていて使えず、MIDI音源を使用したとの事・・・。 うーん、これは詐欺? しかしセンチメンタルな曲は意外と良く、Mellotron の雰囲気を表現しているので許そう。

2001年10月14日
枯葉が落ちる庭園
「ENGLAND/Garden Shed」(1977年 UK/画像左)

 時代からするとMellotronはそろそろ時代遅れのムードが漂いはじめた1977年発表の名盤。 1曲目の「Midnight Madness」から、Robert Webbの演奏するかすれて、引きずるようなMellotronが大活躍する上に、曲もブリティッシュ・プログレのエッセンスを集約したように出来が良く満足の内容。

「ENGLAND/The Last Of Jubblies」(1995年 UK/画像右)

 長年オクラ入りになっていた、2作目。 Mellotronの使用頻度はだいぶ減ってはいるが、なぜかワクワクさせるENGLAND節は健在。 後年、Roine StoltやPar Lindhらとプロジェクトを組む事になるドラマーのBrufordスタイルは相変わらず。 それにしてもこれはスネアのスナッピーを外しただけじゃないの?

2001年10月14日
こわれもの
「YES/Fragile」(1972年 UK)

 YESのシンフォニック化に伴いクビになったTony Kayeの後釜となった、 Rick Wakeman入りの一作目。 「Roundabout」間奏のフルートや、「Heart of Sunrise」の混沌とした部分や曲がブレイクした後のストリングスをしっかりとMellotronが表現しています。 その後、Tony kayeは「BADGER」でMellotronをしっかり演奏しているのがなんとも皮肉。

(画像右/ADVISIONスタジオで演奏中のRick右手側にMellotron M400S)

2001年10月12日
P.F.M.
「P.F.M./蘇る世界」(1974年 ITALY/画像左)

 Flavio Premoliが操るMellotron MARK IIからは素晴らしいストリングスが聴かれます。 それにしても、M400Sのストリングス(3バイオリン)とは全く音色が違う様に感じます。 やはり、音源テープや内蔵リバーブの違いがここまでの表現力の差となるのでしょうか。 テープを再生するだけでこれほど人の心を惹き付けるとは本当に恐れ入る楽器です。

「P.F.M./Dolcissima Maria」(1974年 ITALY/画像右)

 こちらもMARK IIストリングスの活躍する穏やかな名曲。 M400Sのストリングスと決定的に違うのは、こういった牧歌的な曲にマッチするかどうかと言うところだと思います。 M400Sのストリングスはどうしても、ヒステリックなムードから免れないし、いくら静かに弾いてもシリアスになる。 MARK IIは録音次第で分厚く人を飲み込むような音圧にもなるし、うっすらと漂う涼しさも表現できる。 何度聴いてもいいですね、P.F.M.。

2001年10月10日
ストロベリー・フィールズ・コンプレックス
「CHARA/やさしい気持ち」(1997年 JAPAN)

 BEATLESのストロベリー・フィールズ・コンプレックスが蔓延するJ-POPの最右翼はこの曲ではないでしょうか。 小さなオルゴールを開けたような、Mellotronフルートのささやきは全くをもってストロベリー。 おもちゃ箱をひっくり返した様なアレンジとチャラさんの歌唱はMellotronと良くマッチしています。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2001年10月10日
Mellotron地獄
「MORTE MACABRE/SYmPhOniC hOLOCaust」(1998年 SWEDEN/画像左)

 ANEKDOTENのNicklas Berg、Peter NordinsとLANDBERKのStefan Dimle、Reine Fikeの合体プロジェクト。 イタリアのBlack Widowレーベルからホラー映画のサントラトリビュートアルバムの話を持ち掛けられて結成、出来が良かったためフルアルバムまで発展したそうです。 オリジナル曲とカバー含めて全編絶望的で一分の望みもありません。 何曲かには心休まる部分もありますが、バッキングからメロディまでMellotronで演奏されたら平常心ではいられません。 ロックアルバム史上最高のMellotron含有量を誇れるでしょう。 メンバー4人ともMellotronのクレジットがあり、この楽器への偏愛を感じます。

(画像右/薄暗いスタジオの様子下段にMellotron M400S)

2001年10月9日
ニューミュージックのMellotron チューリップ
「チューリップ/風のメロディ」(1976年 JAPAN/画像左)

 70年代テイストがあふれる「ひと夏の恋」を歌った名曲。 姫野さんが歌うBメロに待ってましたとばかりに指一本奏法で登場する、Mellotron M400Sの3Violins。 切なさ倍増です。 これはすごいなー、単音でこれだけムード出せる楽器はそうないでしょう。 THE BEATLESや10ccを思わせるスローなブギのB面「ともだちのあなただから」でも3Violinsがエンディングまで活躍。 ちょっとコミカルな曲調にしっとりとした華を添えています。

「チューリップ/ライヴ!!アクト チューリップ」(1973年 JAPAN/画像中央)

 ヒット曲「心の旅」における「あ〜だから今夜だけは〜」で始まる最初の部分から、けなげにMellotronストリングスが鳴っています。 なにしろこのアルバムはブート録音の様に観客の歓声が大きく入っている上にミキサーバランスが悪いのです。 せっかくの演奏もギターの音がでかくてほとんど聴こえません。 せめてジャケだけでも楽しみましょう。 演奏はゲストキーボーディストの石川鷹彦さんで、「夏色のおもいで」にもMellotronの使用があります。

(画像右/ジャケット右端にMellotron M400S)

2001年10月9日
BRITPOPのMellotron
 友人と話していて、BENFOLDS FIVEやらOASISやらBECKの話題になり、僕が「ところで、BRITPOPってどういう意味?」って言ったら「BRITISH POPに決まってるでしょー!」て言われた。 しまった! そんな簡単な事だったのか!! なら最初から「BRITISH POP」って言えばいいのに(涙) だって俺「BRITISH ROCK育ち」なんだもん、それじゃあ「BRITROCK」とも言うのかい?

「THE CHARLATANS/Forever」(1999年 UK)

 新キーボーディストのTony Rogers大活躍の1曲。 所有しているのは1963年製とのことなのでMARK II(or MARK I)を使っているのでしょう。いかにもMARK II的な「シャーシャーヒーヒー」鳴るストリングスが聴き応えあります。 イントロは分厚いオルガンサウンドで始まり、その後、宇宙を漂うようなMellotronストリングスがかぶってきます。 質感としては60年代後半のスペースエイジ感覚で、Mellotron ROCKとして大変完成度高し。

2001年10月8日
Mellotronのアタック音が楽しめる名曲
 Mellotronは鍵盤の裏側についているプレッシャー・パッドが音源テープの上面を押さえつけ、裏面の録音部分を磁気ヘッドに擦り付けて再生させる構造になっています。 それゆえ、演奏法やプレッシャー・パッド等のセッティングによって、「プッ」と言うわずかなアタック音が出てしまいます。 そうすると、ストリングスやフルートがいかにもMellotronで演奏したというのがわかり、それを嫌うミュージシャンは、スムーズな演奏をするためにボリュームペダルを使うのが普通です。 今回ご紹介の2枚はそのアタック音もそのままに、いかにもMellotronな演奏が楽しめます。

「MATCHING MOLE/Matching Mole」(1972年 UK/画像左)

 Robert Wyattの演奏するMellotronフルートに導かれる1曲目から全編にわたってMellotronが楽しめる名盤中の名盤。 ほとんどドライなMellotronサウンドはまるで耳元で演奏しているかのようです。 MellotronチェロのバッキングもWyattのヴォーカルと共に暖かく、夢見心地にさせてくれます。 同じく、Mellotronチェロを好んで使ったRobert Frippの暗黒世界とは好対照なのが面白い。

「Elton John/Lucy In The Sky With Diamonds」(1974年 UK/画像右)

 BEATLESのカバーと共にJohn Lennonとの共演で話題になりました。 Eltonは多数のアルバムで、Mellotronを使用しており、愛好家であったものと思われます。 曲中で聴かれる音は非常にはっきりとアタック音が聴き取れます。

2001年10月5日
ストローベリー・フィールズ・フォーエバー 三昧
 友達に「メロトロンって何?」と、たずねられた時、必ず「ほら、BEATLESのストロベリー・フィールズのさぁ、イントロで鳴ってるフルートみたいなのあるじゃん」と答える事にしています。 あの曲を知らない人はほとんどいないので、これで事の半分が済んだ様なものです。 又、BEATLESのようにメジャーなものを出しておけば、質問をした人間は「オタクの世界じゃないんだ・・」と少し、ホッとする事でしょう(笑) と言う事でMellotronの音色を全世界に知らしめた名曲。

「THE BEATLES/Strawberry Fields Forever」(1967年 UK/画像左)

 Paul McCartneyのMellotronフルートの音は優しく内省的で、発表当時からノスタルジックな味を醸し出していたかもしれません。 曲中のピッチベンド・ギターもMellotron MARK IIで出しています。

「THE BEATLES/It's Not Too Bad」(画像中央 UK/コレクターズ盤)

 これはCDまるまる「ストローベリー」な1枚です。 「ストローベリー」のデモテイクが25トラック入っており、Mellotron ファン必聴。 一部は「BEATLES ANTHOLOGY」で聴く事が出来ますが、John Lennonの鼻歌から完成形まで楽しめるこの一枚はとても便利です。

(画像右/特注の黒いMellotron MARK IIを弾くJohn)

2001年9月19日
Mellotronが流れる J-POP
「高嶋政宏(スターレス高嶋)/こわれるくらい抱きしめたい」(1993年 JAPAN/画像左)

 高嶋芸能一家の兄ちゃんのシングルカップリング曲、KING CRIMSONのカバー「STARLESS」です。 当然ながらオリジナルどおり、イントロからMellotronストリングスが救いようのないほどの終末感を演出。 歌いだせば、なんとJohn Wetton風の歌声で聴きごたえ十分。 数あるCRIMSONカバーの中でもトップクラス、かなり良く出来た作品だと思います。 何より、高嶋政宏さんのKING CRIMSONへの愛情を感じます。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「ザ・ピーナッツ/ザ・ピーナッツ・オンステージ」(1972年 JAPAN/画像右)

 KING CRIMSONの「Epitaph」をカバーしています。 1972年の実況録音盤で、おそらくMellotronは本物ではなく、生弦またはストリングスキーボードだと思われますので番外編扱いです。 なにしろ楽曲が一流、歌い手も超一流ですから、オリジナルに負けないほどの世界が構築できています。 私はピーナッツ世代ではありませんが、これは感動した上にその実力を再認識しました。 ピーナッツってすごい! この曲を知らずにコンサートへ行った人はどういう感想を持ったのでしょうか? とても気になります。

2001年9月18日
Mellotronが流れる J-POP
「L'Arc-en-Ciel/虹」(1997年 JAPAN/画像左)

 Mellotronフルートとアコースティック・ギターに導かれるイントロで始まるこの曲はバンド名をそのまま曲名にした新生ラルクの第一弾。 Mellotronフルートをバックに穏やかなギター・ソロは焦燥感を醸し出し、エンディング近くの情熱的なサビからは宮殿調のMellotronストリングスの嵐。 かすれきったストリングスはラルクのドラマティックな世界にぴったり。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

「ガーデンズ/愛のうた」(1999年 JAPAN/画像右)

 SPEEDのプロデュースでおなじみの伊秩弘将のプロジェクトだけに、本気感漲る演奏は、ある意味70'Sテイスト。 イントロから全開の壮絶なMellotronストリングスは、ゴスペル風コーラスや鐘の音等の「神聖」な感じの音にも負けない存在感を発揮。 引きずるようなMellotronストリングスは軽快なJ-POPに本物感を与えていると思います。 キーボードは編曲も担当している田辺恵二さんでしょうか。
(*Mellotronはサンプラーもしくはラック音源と思われます。)

2001年9月17日
ジャケットからMellotronなCD
「BIGELF/Closer To Doom」(1997年 USA/画像左)

 ジャケからすでにMellotronです。 中央にMellotron MARK II、Chamberlin M-2、M-1の砦、右にはMellotron M400Sの2段重ね ! もう、ハッキリ言ってクレイジーです。 音の方も70'Sコンプレックス丸出しで、ハード且つサイケ且つプログレッシブなロックです。 CRIMSON+PURPLE+BEATLES等のいいとこ取りの好盤。 Damon Foxの演奏するピッチコントロールやボリュームペダルを多用したサイケデリックな MellotronとChamberlin、そして火を噴くHammondの組み合わせは必聴。 満腹です。

「PINEFOREST CRUNCH/Shangri-La」(1997年 SWEDEN/画像中)

 画像は裏ジャケです。 こんなにあからさまにMellotronの写真が載ってるジャケットも珍しいのではないでしょうか? 元をたどれば北欧プログレ「ANGLAGARD」の残党が作ったポップバンドです。 「Cup Noodle Song」なんてシングルヒットを飛ばして、CARDIGANSの2匹目のどじょう的な扱いでチヤホヤされたけれども、本性は隠せないですね。 流行のスウェーデンポップに初期CRIMSONの叙情性が加わったような、隠れプログレポップです。 甘い曲調から一転、キーボーディストのMats Lundgrenが演奏するEpitaph的Mellotronの嵐、これはたまりません。 ちなみにこのMellotronはボーカルのAsa Eklundさんの持ち物みたいです。

「ヒカシュー/ヒカシュー1978」(1996年 JAPAN/画像右)

 独自の録音テープを仕込んだ井上誠さんのMellotronは不気味で非常にイイ味出してます。 きっとMellotronが嫌がる位、こき使ったんでしょうね(笑) この画像は裏ジャケと言うか、CDのクリアトレイの下にある物で、なかなか素敵です。 また、このCDはおまけに膨大な画像データが付いていて、その中にもたくさんのMellotron解剖写真が載っています。 これは歌詞の背景に使われてたりして、ちょっとした宝探しの気分です。

2001年9月13日
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