ARTIST INDEX

■ TRIVIA [1/2]
INOYAMALAND CONCERT 2019 SPRING
 2019年5月12日(日)私は日本のアンビエントミュージックの先駆者であるイノヤマランドを初体験するために奥渋にいました。 前夜放送のテレビ東京「アド街ック天国」で、渋谷は宇田川町を抜けた神山町辺りを落ち着いて洒落た街「奥渋」として紹介していたタイミングに。(なんてタイムリー!) 周りを見れば有名俳優(僕の好きな映画「もっとしなやかに もっとしたたかに」に出てたあの方)がエッセイストの奥さんや孫を連れて歩いていたりして、さすが「奥渋」一味違うと心の中で唸るお上りさんな私。
 そんなこんなでアップリンクのミニシアターに入れば、スクリーンをバックに白い机に並べられた2台のキーボードが並んでいます。 左が山下康さんのCASIO MT-750(ミニ鍵盤カシオトーン!)で、右が井上誠さんのRoland Fantom G6がセッティングされています。 ステージ右側には2人組インダストリアルミュージックのCARRE(ケアル)の機材が並んでいます。 20:00の開始時間になりケアルの演奏が始まると、ノイジーなリズムパターンやギターの轟音が会場を包みます。 緩やかにテーマを変えていきその変化になるほどと感心しながら聴き進んでいきます。 インターバルを挟んでINOYAMALAND(イノヤマランド)の登場。 演奏前のサウンドチェックからMellotron Fluteの音が確認でき期待大。 本編はMacのノートブックから出力されるバックトラックを下敷きに、Mellotron Fluteで静かに幕を開けました。 山下さんはステージ左側にあるアップライトピアノをなにやらゴシゴシと擦っては不思議な音を奏でています。 そうかと思えばカシオトーン(ミニ鍵盤の上位機種でピッチベンドやエフェクトが可能なモデル)で真っ直ぐなサイン波を出してみたり、リバースエフェクトで不思議な音を出してみたりしています。 自由気ままに演奏しているようでお互いに次の展開と間合いを計りながらなんとも気持ちのよい緊張感で音楽は奏でられていきます。 いわゆる火花散るインタープレイと言った類のものではなく、かといって予定調和でもない独特の間合いを保ちながら音楽の川が流れていきます。 柔らかな音像の曲から徐々にしっかりとリズムを感じる全体構成になっているようで、後半はタンジェリンドリームのような緊張感を感じました。 プレ・ヒカシュー時代からお馴染みの蝉の声に加え子供達(幼稚園生かな?)のパーカッションの様な掛け声が井上さんのFantom G6から流れてきたりと、メロトロン時代から変わらない自在な音色で様々な音楽景色を描いて終演。 引き続きイノヤマランドとケアルのセッションが始まる前に山下さんが「なんか決めるの?」と言いながら「俺、今日は笛を吹こうかと思ってさ」と言いながら、ガサゴソとカバンの中から竹の笛と小さなラジカセを取り出しました。 これはまさしくガチなフリーインプロヴィゼイションだと思うと、その成り行きを緊張しながら見つめることとなりました。 「とりあえず適当に行きますよ」とケアルのお二人が提示したテーマにイノヤマランドが回答したかと思えば、その逆もあったりと約25分に渡るセッションは進みます。 聴き手の私はまるで緩やかに変化する川の流れを見つめて河原に佇むシチュエーション。 井上さんは様々な音色を呼び出してボリュームを調整しながら新たな音を放流します。 山下さんの笛はほとんど聴こえないようでありながら、他の3名が寡黙になればフワリと主導権を握って上昇、ラジカセのノイズも面白いバランス感覚です。 4人の演奏家のうちの誰かが新しいテーマを放流すると他の誰かがそれに呼応することを繰り返しながら終演時間が近づきます。 相手の提示したテーマを受け入れて理解する寛容さと、新たな展開を促す対話がいったいどんなエンディングを迎えるかと聴き手としては緊張するタイミング。 するとお互いの出す音の中で収束するテーマが見つかったのでしょうか、誰ともなくそこへ主導権を集約し、流れていた川の流れはキュッと水門を閉めてピタリと止まりました。 その様子があまりに見事で驚くばかり。 申し合わせもなしに演奏を始めた音楽がこんなに綺麗に収まるものかと。 帰宅して、購入したTシャツやらCDのジャケットをぼんやり眺めていると、これは川の流れだったかも知れないが刻々と変化する天気図(ダンジンダン・ポジドンのジャケットデザイン)そのものだったのだなと再認識。 こういう世界があるのだなと、また音楽の楽しみが増える事になりました。

(画像左/夕暮れの「奥渋」にあるアップリンクファクトリー)
(画像中/まるでビジネスプレゼン会場のようなステージセッティング)
(画像右/お土産に(!)買ったイノヤマランドのTシャツとダンジンダン・ポジドンのニューマスターエディションCD)

2019年5月18日
メロトロン巡礼の旅 2011年上半期
 2011年2月某日、またもや縁あって白いアレが我が家にやってきた。 最新型Mellotron4000D購入の為に細々としていた貯金箱を開けて、入れ替わりに来たのはデジタルではなくアナログ且つアナクロなM400S。 ある方が放出するとのことで引き取って来たのです。 某TK氏がメロトロン購入の際その選に漏れた1台との事で、出所は某有名輸入楽器屋。 紙の資料もけっこう付属していて、一時期Mellotron Archives UKを名乗っていたStreetly Electronicsのものも含まれていた。 引き渡しの時に確認出来ていた鍵盤の歯並びがおかしい事、トラックセレクター破損に加え、いろいろと不具合があったのでメモ代わりに列記しておく。(苦情を言っている訳では無いので誤解なきよう!) キャプスタンの油過大、コーヒーこぼし、ネジ欠品、全体のゆるみ、ガタ、テープフレームのゆがみ(大)とボルト外れ、ヘッドブロック脱落、電源部コンデンサー破損。 けっこうラフに扱われていた様子が窺えるのですが、まずトップカバーを開けて驚いたのは、中の機械類が油だらけだったという事。 今まで様々な個体を見て来たけどこれにはちょっと閉口した。 楽器屋がおまけに付けたハモンドオルガン用の機械油が付属していて「定期的な注油を」と促す説明が書かれている。 しかしながらキャプスタンシャフトはおろか、各部のフェルトパッド類がおつゆの染みた油揚げのようになるまで注油するのはさすがにマズい。 まずは全体の掃除と脱脂をして、各部の増し締め、更にフレームのゆがみを矯正した。 その後脱落したヘッドブロックを固定し、トラックセレクターのパーツを献体から移植して本体はどうにか形になった。 筐体内側のコーヒーをこぼしたような痕跡はテープラックにも及んでいて、ビニールセパレーターやテープにしぶきが飛んでいる。 お約束のカビも散見出来るので、これは荒療治だがラックごとぬるま湯とカビ取り剤で洗浄した。 モーターコントロールカードは悪名高きCMC-10ではなくSMS4が付いているのだが、ピッチはあまり良く無い印象。 ピッチコントロールのポッド(ノブではなく内側の本体)はノンオリジナルで、ノブがあさっての方向に取り付けられている。 また、鍵盤が我が家の他の個体とは違うので、比較的後期型いわゆる400SM(NOVATRON)に近いのかも知れません。 それにしても部品毎のシリアルナンバーがバラバラなので結構苦労して生き長らえたメロトロンなのだと思う。 調整の末、現在はかなり調子が良くなって来ているので続きはまたの機会に。

 5月某日、ネットの情報では展示物の中にメロトロンがあると言われる東京タワー蝋人形館へ行ってきました。 フリップ先生を拝みに行って以来ですから、もう15年振りくらいでしょうか。 最寄りの駅を降りると霧雨に煙って半分から上が見えないタワーが見えました。 こんな天候でも結構な人出なのでまだまだ人気のスポットのようです。 目指す4階の蝋人形館まで階段で上がって行くとありました、ひなびた感じが場末の印象でもあります。 500円を払って入場すればいきなりマドンナとマリリン・モンローが並んでいる。 う〜ん、今はもうレディ・ガガが並んでないと若い子にはわからんかもねえ。 引き続き歴史上の人物の人形を眺めつつ一番奥へたどりつくと明らかに空気が一変。 薄暗い一角に入るといわゆるジャーマンプログレ、クラウトロックの重鎮がずらりと並んでいます(笑) 周りの子連れ観光客はおでこに?マークを貼付けた顔でウロウロしています。 王道ロックコーナーの端にはキース・エマーソンがホコリだらけのYAMAHA CS80にMini Moogを載せている!(これじゃあエディ・ジョブソン?) そしてトニー・アイオミやらイアン・アンダーソンやらメタリカの誰かを過ぎてフリップ先生のコーナーへ来てみるが、う〜ん、無い、無い、無いよ白いのが、ということはまさか木目のアレがあるのか? さらに辺りを見回してみるもやはり無いですねえ。 結論はメロトロン無し...ネットの情報では、ありがちな誤報でした。 多分CS80を見て「なんかすごい鍵盤楽器があった!」→脳内変換→「メロトロンがあった!」だと思う。 まさか配置換えでメロトロンを引っ込めたわけじゃないよね?

 6月某日、元オフコース松尾一彦さんのライヴへ行ってきました。 恐らく四半世紀振りくらいのご無沙汰感いっぱいで向かうのは横浜関内のオシャレなライヴバー。 席へ案内されるとド真ん前(距離約1メートル)で驚いた。 多分松尾さんも正面はかわいい女の子の方が良かったと思ったはず。(汗) オフコース時代の名曲をはじめ、稲垣純一や柏原芳恵に提供したヒット曲などをガットギターとピアノのアレンジで熱唱。 歌声は昔と変わらぬハリで素晴らしいものでした。 同じ日にどこかでライヴを行っている小田さんに思いを馳せながら歌った「言葉にできない」のハーモニカソロはやはり本物。 当たり前だがレコードと全く同じ音がした。 1982年の解散コンサートで、ソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」の映像と松尾さんのハーモニカが重なる瞬間は、5人オフコースの集大成を飾るワンシーンであった事は間違いなかったと再認識。 終演後サインを頂きに伺い、デビューバンドであるザ・ジャネット「グリーン・スピードウェイ」のLPにサインしていただいた。 ジャネットはテレビのコンテストで優勝しアビーロードスタジオでレコーディングされた本作でデビュー。 アルバムの全編にMellotron MARK IIの素晴らしいメロトロンが使用されていると当サイトでも紹介した。 当時の事をお伺いすると「実は何かの手違いでスタジオの予約が取れていなかったんだよねェ♪」とのことで、実際のレコーディングは日本の東芝EMIのスタジオで行ったという事実。 アルバムで聴かれるメロトロンは素晴らしくMARK IIで間違いないと思っていたので、これにはちょっと驚いた。 まあ70年代らしいエピソードだなあと思いつつも、私の耳もいい加減なものだと思った次第。 松尾さん、またライヴへお邪魔しますね。

 6月某日、お誘いを受けて新●月関連の元セレナーデ、高津昌之 with T-Friendsを観に行ってきました。 ギターの両名が同時にリッケンバッカーの12弦ギターを弾くというユニークな構成はザ・バーズの心地良さを想起。 プログレ色は感じられず、瑞々しい日本語歌詞が印象的な良質なポップスでした。 12弦ギターでマンドリン的奏法をすると70年代のイタリアンポップスみたいな華やかさも感じたりしてなかなかイイですね。 ステージ左側には赤いnord waveがスタンバイ。 中の基盤がスリットから透けて見えて赤いLEDが点滅しています。 終盤の2曲には新●月の花本さんがゲストプレイヤーとして登場し、Mellotron Fluteのサウンドを大量に投入して終演。 メロトロン目当てに行っていなかったのでこれは嬉しいサプライズだった。

(画像左/外観はリペイントされていて真っ白な新入りのMellotron M400S)
(画像中/ビートルズ「レディマドンナ」を歌う松尾さん)
(画像右/Nord Waveのメロトロンフルートを演奏する花本さん)

2011年6月12日
Summer Sonic 2010からメロトロン・レジェンドまで
 BIGELFがサマソニ2010で初来日。 2010年7月下旬、BIGELFに近しいY氏より「メロトロンが手配出来ていない」との連絡あり。 おおっと...確かDREAM THEATERに帯同したツアーではMemotronを使っていたりしたので、恐らく日本でもデジタル機材で行くものだと思っていたら、どうやらヴィンテージセットで行くらしい。 しかもLudwigのビスタライトなんかも手配が出来ていないとの事。 もう少し時間があれば自力でお手伝い出来たのだが、時間的猶予が全くないのでヴィンテージ楽器に強い業者さんをピックアップして伝えたが果たして間に合うのだろうか。

 2010年8月7日(土)の初日、猛暑の大阪野外ステージでは本物のメロトロンがステージにあるとの情報があった。 どうやら間に合ったようで一安心。 私は8月8日(日)の東京(というか千葉だが)公演目指して気持ちが高まる。 夏のロックフェスには初参戦なので、どんな雰囲気なのか全くわからなかったが、とりあえずロックTシャツを着てればそれなりになるだろうと、KINGCRIMSON「Discipline」Tシャツで出発した。 観測史上最高の猛暑の中ヘロヘロになりながら会場に到着すると入口の若い係員さんが「キングクリムゾンですか、ボク大好きなんですよ! 今日初めて着てる人見ました!!」ってな具合で冗談みたいな高評価。 なるほど周りを見渡せばさながらロックT博覧会の様相で、見ているだけでその人の音楽嗜好がわかって楽しいね。 13:05開演のBIGELFを目当てに少し前からマウンテンステージに行って待機。 チケットが「Lブロック」となっていたので、A、B、Cと順番に数えたらもの凄い後ろじゃんなどと想像していたら、単に「L、R」(左、右)ってだけだった。 開演時間が近づいてきたので、ここはやはりトイレへ行っておかねばと歩き出すと、トイレへから出てきたデカイ外人さんと鉢合わせした。 顔を見上げればBIGELFギタリストのAce Markで、明らかに私のTシャツを見てニヤッとしたのがわかった。 開演。 1曲目「The Evils of Rock & Roll」から時代錯誤も甚だしい素晴らしいステージがスタート。 客層は結構幅広く、40代以上の客からは「モロ70年代じゃん」と言っている声が聞こえる。 20代と思われる客はDREAM THEATERのTシャツを着ている人が多く、ここはBIGELFを評価してくれているMike Portnoyに感謝する他は無い。 Damon Foxの右手側にHammondとMemotron(ヨーダの人形も!)、左手側にMellotron M400SとMini MOOGというセッティング。 ドラムのFrothはビスタライトではなかったが、26インチのバスドラを中心とした赤いLudwig。 レフティベースのDuffyは白いRickenbackerに、ギターのAceは黒のレスポールという機材。 DamonのMC「どうも、ジョニー・デップです!」なんてジョークをはさみ、 続いて「Neuropsychopatic Eye」「Pain Killers」「Blackball」「Hydra」「Money Machine」(参考:大阪公演セットリスト「The Evils of Rock & Roll」「Neuropsychopatic Eye」「Blackball」「Hydra」「Money,It's Pure Evil」「Money Machine」)が演奏され終演。 メロトロンにトラブルが無くてホッとした。 轟音ライヴの中、Mellotronの音はどうにか聴き取れた。 その後Y氏の尽力でVIPルームへ入れてもらう事が出来た。 バックステージの暗がりの中にゴージャスなDJブースやバーラウンジがあり、今どきバドガールみたいなおねいさんもたくさんいる。 タレントのマリエやらJ-POPのAIなんかもウロウロしててここは別世界。 Damonはソファで雑誌の取材やら楽器メーカーと打ち合わせをしている。 DuffyとAceはスタッフとピンポンをして楽しんでいる。 Frothが案内してくれたのはミュージシャン達が自由に書き込めるサインボードで、そこに自分が大ファンのVAN DER GRAAF GENERATORとサインしたのを見て大笑い。 ソファに戻りDamonと挨拶、思ったより穏やかで誠実な印象。 Aceに挨拶すると、Tシャツを見て「やっぱりお前か!」的な流れで好印象。 Duffyには思いっきりハグされて、なんだかイイヤツばっかりなBIGELFだった。 バンドの中で最もメロトロンマニアなのは実はFrothであり、彼が機材の調達に一番気を配り心配していた。 会った時の第一声が「機材の調達先を紹介してくれてありがとう」だった。 ある意味BIGELFの本質を維持し続けているのはFrothなのだろうと思う。 「X型のスタンドに載せたデジタルハモンドでBIGELFを演ったら笑っちゃうだろ?」って言ってた。 その通りだ。 彼からは近年のメロトロンに関する有益な情報をたくさん聞かせてもらい、その情報量とアメリカのメロトロンコミュニティの力強さに羨ましさを感じるばかりだった。 それに比べると日本のメロトロン情報など皆無に等しい。 メロトロンのドキュメンタリー映画「Mellodrama」ではバンドのスポークスマンであるDamonのコメントばかりでほとんど話す機会を逸していた彼も、9月にはアメリカで行われる映画のイベントで、監督のDianna Dilworthと元MOODY BLUESのMike Pinderと共に登壇すると言っていた。

 9月某日、ユニークな活動で知られる映画配給会社UPLINKから突然連絡が来た。 メロトロンのドキュメンタリー映画「Mellodrama」の日本語字幕版を作るので協力出来るかとの打診。 映画の撮影が始まった事はDVDが発売になる大分前から聞いてはいたが、日本語字幕版が出そうに無いので業を煮やして2月に輸入版を買っていた。 ディスクユニオンのプログレ総本山へお参りがてら「字幕版は出ないの?」「字幕を付けられるのはユニオンしかないでしょ」などと店員さんへ愚痴を言いながら輸入版を買ってから半年、まさかその話がこちらへ来るとは夢にも思わなかった。

 12月18日(土)、日本版DVD「メロトロン・レジェンド」発売記念上映会に伴い、監督挨拶、元ヒカシュー井上誠さんとのトークショーがセットされた。 渋谷の真ん中でマイクを持って「メロトローン!」と叫んでも変人扱いされない時代が来るとは、こちらもまた夢にも思わなかった。 終演後、通訳のUPLINK平井氏(一番ご苦労をおかけいたしました)よりご紹介いただいた日本語字幕担当の川合氏から「あなたのサイトが無ければこの翻訳は出来なかった」と伝えられ、なんとも胸のすく思いがした。 当サイト開設当初より単なる私個人のメロトロン備忘録としてしか機能していなかったモノが、こう言う形で世に還元出来た事は感無量だったし、そのような言葉を掛けていただくまではその存在意義について自分でも迷う事ばかりだった。 そして(プログレマニアでもある)UPLINK上原氏の尽力が無ければ日本語字幕版で楽しむ事が出来なかったであろう事に敬意を表し、そこにGOサインを出したUPLINK代表駒井氏へ最大限の謝辞をお伝えしなければならない。 来日していた監督Dianna Dilworthさんは、キラキラお目目のキュートな方で、日本ではオタクイメージしか無いメロトロンのお話をするお相手としてはなんともギャップの大きい印象でした。 彼女は2002年にMarkus Resch(Mellotron Archives)の元で働いていた経験があるそうで、それゆえメロトロンの知識やコネクションがあるのだそうです。 もしかしてMellotron Mark VIを作ってたの?と聞くと「私は細かい配線や小さな部品の組み立てをしていただけ」と言っていました。 時期的にはMark VI生産の最盛期だったと思いますので、恐らく何かしらの部位には関わっていたのでしょう。 コアなメロトロンマニアの間ではタブーとされるMellotron ArchivesとStreetly Electronicsの確執について尋ねると「イギリスにも撮影に行ったのよ、その約束もしてスタッフとカメラを同行して、でもドタキャンされたの」そして「メロトロンなんてすごく小さなマーケットなのだけどね」と少々困惑していた。 映画「メロトロン・レジェンド」は、映画「テルミン」や「モーグ」のような単なる回顧録ではないと言う事。 今でも覇権争いのようなものが存在するのは事実。 未だに本気で戦っている人がいて、それを見守るメロトロンフリークが世界中にいるのだ。 DVDのジャケットにサインを求めると、既に入っていたDamon FoxとFrothのサインに驚いて「どこで彼らに会ったの? Frothには9月にイベントで会ったのよ」と喜んでいた。 そう、メロトロンの世界は驚くほど小さい事は私も感じている。 トークショーで流した日活ロマンポルノのサントラ音原にも興味を持って「あのアーティストは誰? どこで入手出来る?」と聞くので「Hard to find」と答えてCD-Rを送る事を約束。 途中から会話に加わったイケメン外人さんはヘヴィメタル関連の著書がある方だとか...もしや旦那さん? と尋ねると「そうなのよ!」と即答。 私はそのイケメンさんを見上げて、すげえハンサムだなあとつぶやけば、旦那さんは笑顔で一言「僕は(彼女と結婚出来て)ラッキーだよ!」だって(笑) まったくなんというナイスカップルなんだ。 彼女にはイギリス側を取材した続編をお願いてお別れした。

(画像左/サインボードにVAN DER GRAAF GENERATORとサインしてしまったBIGELFのFroth)
(画像左から二枚目/左より、BIGELFのFroth、Taka、Y氏、GOBLINのTシャツを着たBIGELFのミキサー)
(画像右から二枚目/渋谷の公衆に告知されたメロトロン・レジェンドのチラシ)
(画像右/井上誠氏を迎えたトークショーの様子)

画像左から二枚目提供
株式会社スズキ楽器貿易 画像右提供 YDroom 安谷隆志氏

2011年1月2日
ヒカシュー Pataphysique Noel 〜形而超のクリスマス〜
 2008年の暮れも押し迫った12月22日の晩、明日に迫るヒカシューのライヴが30周年の記念的内容であり、オリジナルメンバーを交えてのステージである事に気がついた。 これはマズイ(汗)、気付くのが遅かったか・・・どう考えても初期の名曲群とメロトロンサウンドの嵐になる事が予想されるではないか! 調べてみると当日券の販売もあるらしいから、明日に電話で問い合わせてみる事にする。

 明けて23日(祝)、当日券の存在を確認し今まさに出かけようとする直前、井上誠さんから「今夜のライヴはメロトロンサウンドの嵐です、是非来てください」(←要約)とのありがたいメールが来た。(号泣) おっ、行きますよ、今出るところです、そして「メロトロンの音量は大きめにお願いします」と返信。 代官山の駅を降りて会場のUNITへ向かう途中、ドラマーの佐藤正治さんとすれ違う。 おおっ、確かにメンバーの方々は代官山に集結されている事を実感。 17:00丁度に会場入り口で当日券を無事入手し、開場までの1時間、恵比寿駅の方まで散策する。 おおおっ、向こうからタバコを吸いながら歩いて来るのは一風堂の土屋昌己さんではありませんか!(見間違えようが無かった) なんだかこれはテクノニューウェイヴな香りがして参りましたよ。

 当日券は入場番号が無いので列の最後尾に並んでいると、通り掛かるカップルの声が聞こえる、彼「すげえ並んでるな」、彼女「ヒカシューって何、ピカチューみたいなのじゃなくて?」・・・実話。 会場へ入ると、NHK「600こちら情報部」「若い広場」をはじめ、初期ヒカシューの貴重な映像が流されていた。 これは開演まで退屈しないね。 ステージ奥右寄りにKURZWEILのキーボードがあり、その横には「TDF-PO1」(これはウルトラセブンのポインター号だよね)と書かれたキーボード(DX7?)が並んでいるので、きっとこの辺りが井上さんの機材かな。 そうこうしているうちに開演となり、いきなり現メンバーとオリジナルメンバーの8人全員が登場した。 サックスの戸辺さんは高田純次ばりのダンディさだし、巻上さんは劇団ひとりだし、井上さんはスピードワゴンの井戸田くんみたいないわゆるベッカムヘア風な若々しさで、そして山下さんはロマンスグレーのロングヘアで遠目の坂本龍一を思わせる登場♪ 1曲目「レトリックス&ロジックス」から圧倒的な演奏力で、マジに演奏が上手い。 KRAFTWERKのカバー「モデル」を終え続く3曲目、井上さんの作曲と紹介される「ドロドロ」では井上さんのメロトロンストリングス、フルートサウンドが炸裂。 その後、現メンバー5人を残し新曲「生きること」からインプロ混じりに怒濤の演奏。 これはまいった本当に演奏が上手いし、曲もすごく良い。 今夜初めて生ヒカシューに触れる俺は知らなかったけど、現在もずーっと進化し続けているのね。 キーボードの清水一登さんはどんな曲でも饒舌だし、巻上さんのヴォーカルと自由自在なテルミン演奏にはブッたまげた。 演台を前に身振り手振りを交えて演説する独裁者、もしくは激しいアクションの指揮者にも見える。 間奏には三田さんのギターソロをかき消すほどの激しいテルミンソロが飛び出す(リングモジュレーションが掛かってる?) これほどまでテルミンが曲と演奏と歌に溶け込んだ上、使用量も半端じゃないロックバンドは世界を眺めても類を見ないでしょう。 時に女声コーラスのように、時にディストーションギターのように、時にコミカルなSEのように。 続いて時節柄、山下達郎「クリスマスイヴ」の話題も交えた巻上さんのトークに笑いながら、ヒカシューのクリスマスソング「天国を覗きたい」を披露。 オリジナルではメロトロンでは無かったフレーズが、清水さんのメロトロンストリングス、ブラス、フルートサウンドで演奏され、笑っちゃうほど無気味なクリスマスソングに仕上がっていました。 しかも、メロトロンサンプルを速弾きする清水さんのなんとも楽しそうな事!

 休憩を挟んだ後半、再びオリジナルメンバーを迎えて「人間の顔」でスタート。 井上さんを中心に意欲的に使用されるメロトロンサウンドは音量も大きく聴き応え充分。 ヘヴィプログレの王道とも言える「キメラ」など、いわゆるメロトロンストリングスの暴風雨はハイライトの一つ。 本編全14曲に、プレヒカシューでも使用されたメロトロンセルフサンプルの蝉の声が飛び出て来たり、かなりメロトロンに比重を置いた音色選択でメロトロンファンも納得の内容。 それにしても、テクノでも無いし、GSでも無いし、プログレでも無いし、ジャズでも無いし、レゲエでも無いし、ニューウェイヴでも無い、日本的ってだけでも無いし、かなり無国籍。 カテゴライズしたがる日本人にはウケないよなぁヒカシューは。 でも恐らく日本で最も先進的でエネルギッシュなロックバンドである事は間違い無いですね。 ライヴへ行って手拍子したり踊ったりしなくても良いと言う奇特な(マトモな)方は、必ず行くべきバンドですよ。

 どの曲も本当に良かったのだが、アンコールの「プヨプヨ」のヘヴィさには完全にノックアウト。 爆発音と共に始まる四つ打ちのリズム、無気味で東洋的なメロディラインにアナログ臭いシンセとメロトロンサウンド。 「リズムボックスとメロトロンをバックに・・」と紹介される初期のヒカシューはやっぱり伊達じゃ無い、こんなにもオドロオドロしくヘヴィで、そして何よりカッコイイ。 同行したプログレが苦手な友人曰く「アネクドテンよりキツかった、あんな先が読めない曲じゃ、モロにプログレじゃん」とコメント。 ・・・これは最高の褒め言葉だと俺は思ったね。 終演後にステージの機材を確認するため前へ移動すると、左側の清水さんのキーボードセット下段にはMEMOTRONがセットしてあった。 おおおおっ、俺はPA前の最後列で見てたから気付かなかったよ。 メロトロンモードだったのは井上さんだけじゃなかったのね。 メロトロンサウンド目当てに行く俺がいれば、演奏する方もその気充分だったとは! そりゃ凄いライヴになるはずだよ、見ておいて本当に良かった。

2009年1月1日
I.B.C.レコーディングスタジオ
 タイトルは「THE MELLOTRON 'A world of music at your fingertips'」、アーティスト名は「A Demonstration Record By Mellotronics Limited」、それをタイプライターで表記したI.B.C.レーベルのアセテート盤。 メロトロントリビュートアルバム「The Rhyme Of The Ancient Sampler」(1993年)の最後に収録されていたトラック、「1964 Mellotron Demonstration Disc」のオリジナル盤です。 「The Rhyme・・」では約3分に編集されていましたが、これはAB面合わせ8分を超える内容で、Mellotron MARK IIの様々な音源を使い、最新鋭の楽器「メロトロン」を男性ナレーションで詳細に解説します。 最後には販売会社のMellotronicsと生産工場のStreetly Electronicsの連絡先を連呼し、ラテンスタンダード「El Cumbanchero」を超絶テクニックで独奏し終了します。 レコード番号も無いこのデモ盤は、当時Mellotron MARK IIの宣伝用として、放送局や音楽関係者へ配付したものなのでしょう。

 I.B.C.(International Broadcasting Company)といえば、ADVISIONやOLYMPICなどと並ぶレコード会社直営では無い、いわゆる独立系のレコーディングスタジオで、1960年代にはTHE BEATLES、THE BEE GEES、THE WHO、THE ROLLING STONES、Jimi Hendrix、THE KINKS、CREAMなど、蒼々たるアーティストがレコーディングやマスタリングをしてきたロンドンの名門スタジオ。 レーベルに記載されたスタジオ住所は「35 PORTLAND PLACE LONDON W1」とあり、Mellotronics社の住所は「28/30 MARKET PLACE LONDON W1」となっていて、両社は近所であった事がわかります。 試しに我が家のMellotron M400S(恐らく1973年製造)のシリアルプレートを見ると「35 PORTLAND PLACE LONDON W1N 3AG」とありI.B.C.と同じ住所に変わっている。 どうやらその後同じビルに入居したらしい。 初期のメロトロン音源は、バンドリーダーのEric Robinsonがスタジオミュージシャンの指揮を執り、I.B.C.スタジオでレコーディングされていた。 また後の名エンジニアGlyn Johnsもこのスタジオを主な活動の場としていた縁からか、メロトロン音源のレコーディングに参加している。 加えてTANGERINE DREAMやPaul McCartneyらが特注したSE音源もI.B.C.でレコーディングされていて、I.B.C.内にメロトロンに関するアーティストのツアーサポートや修理までも担当する部署があったと言われている。 そしてスタジオオーナーのGeorge Cloustonは、Mellotronics社のオーナーでもある。 なるほど、メロトロンの営業販売からテープの制作を行うMellotronics社とI.B.C.は密接な関連会社であり、生産工場であるStreetly Elctronicsも含めた3社は重要なメロトロン企業体であった事がわかった。

 1965年8月初旬、I.B.C.スタジオに集まったTHE BEATLES。 John Lennonはレコーディングの休憩時間にスタジオに備えてあったMellotron MARK IIを試奏するように促され、5分後には「これは1台持っていなきゃ」と発言し、8月16日にはJohnの家へMellotronが配達される。 これはレコーディングと称するものの詳細なデータが残っておらず、実際はメロトロンのデモンストレーションをI.B.C.スタジオへ見に行ったという説もある。(その後他の3人もそれぞれMellotronを購入) また、THE BEE GEESの初期の作品にはオーケストラの代用としてこのスタジオのMellotronを使用させたり、英国王室マーガレット王女へMellotron MARK IIを納入したりと、単なるレコーディングスタジオだけでなくMellotronのメインディーラー、ショールーム的な役割までも果たしていたのかも知れません。

(画像左/1964年I.B.C.発行、メロトロンデモンストレーションレコード)
(画像右/Mellotron M400S背面のシリアルプレート)

2008年5月16日
ロビンちゃんブロードウェイに立つ?
 東京では桜も散り始めた2008年4月6日(日)、下北沢MOSAiCにて行われたGENESISトリビュートバンド「GARDEN WALL」のライヴへ行ってきました。 「The Lamb Tour again... GENESIS KNIGHT III performed by GARDEN WALL」と題された内容は、Peter Gabriel在籍最後の問題作「The Lamb Lies Down On Broadway」(邦題:眩惑のブロードウェイ)を完全再現するというもの。 ブロードウェイツアーのライヴ映像はオフィシャルでリリースされていない現状に、海外のバンドRe:GENESISや、GIRAFFEなどで再現を試みた例はありますが、唯一の存在である日本国内では大変貴重なライヴと言えるでしょう。 開場前、御挨拶に伺うと、キーボードの河井さんは黄色と紺のラグビージャージで登場! 私も赤と紺のラグビージャージを着て行きましたので、お互いを眺めて笑ってしまいました。 70、80年代のTony Banksと言えば、やはりラグビージャージですよね。

 ステージ左から、Steve Hackett役の松田氏は黒のレスポールカスタムにBOSS GT-5をセット、Mike Rutherford役の別意氏はスタインバーガータイプの12弦と4弦の特注ダブルネックに、必需品であるMoog Taurusベースペダルを、Phil Collins役の山崎氏は特徴的なアクリル胴を付けたロートタム(Phil Collins1976年のセットか?)を並べ、ハイハット横には小型のMIDI鍵盤まで装備、Tony Banks役の河井氏はRoland Fantom X6、XP-30、KORG Prophecy、ARP PRO-DGX、YAMAHA CBX(ミニ鍵盤)が2台の6キーボード体制、Peter Gabriel役の西田氏は長尺ライヴに備え、自作のフットスイッチで画面を切り替えられるモニターで足下に歌詞を表示...以上のような大掛かりなセッティングです。

 1曲目は予想外の「Watcher Of The Skies」で、箱男に扮した西田氏が登場。 Rolandのエクスパンションボードで鳴らされる幻想的なMellotron Stringsで、ライヴは無事に離陸しました。 2曲目は、私も大好きな「Time Table」というマニアックな選曲に感激。 ここでファンタジーのGENESISは終わり、羊の横たわるシュールなブロードウェイを舞台に、革ジャンにジーンズ姿の主人公RAELが自己探究の冒険を始めました。

 ピアノのイントロに導かれグルーヴィーな「The Lamb Lies Down On Broadway」が始まり、「Cuckoo Cocoon」での西田氏入魂の生Fluteソロ、「In The Cage」のARPソロなど、オリジナルを再現する抜かりの無い演奏に頷く私。 河井氏の6台のキーボードは、MIDIの切り替えによりMellotron音源だけでもXP-30、Fantom X6、CBXと演奏位置が移動します。 「The Lamb Lies Down On Broadway」では速いアコピイントロの後、ドラムが入った瞬間にRMIエレピの音源に切り替えたり、ARPによるまんまBanksなソロはもちろん、細かなSFXサウンドまでProphecyで再現していて、そのアクロバティックな切り替え操作と鍵盤移動、そして丁寧なボリュームペダル操作に驚く他はありませんでした。 山崎氏の改造ロートタムも「In The Cage」のオカズを筆頭に冴えていて、リバーブの掛けられた曲ではモロに(80年代的)Phil Collinsサウンドになったりと迫力満点。 さらに、「The Waiting Room」におけるフリーパートでは多くの金物(パーカッション)で騒乱を牽引していました。 別意氏は「Back In N.Y.C.」「Hairless Heart」をはじめ、宝刀Moog Taurusをブンブン唸らせ、ベースとギターを忙しそうに行き来しています。 松田氏は淡々と無気味なトーンを出していて、もし会場にGENESISを知らない人がいたとしたら「このギタリストは何をやっているんだ?」と思わせる、由緒正しきHackett節を再現していました。 「Lilywhite Lilith」でのMellotron Strings、「The Waiting Room」でのMellotron Choir、そして「The Lamia」での西田氏のファルセットと共に高みへ上昇するMellotronサウンドに、私の涙腺は臨界を迎えていました。 そして幻想的な「Silent Sorrow In Empty Boats」を経て、RAELはスリッパーマンのコロニーへ辿り着きます。 あまりにリアルなスリッパーマンに扮した西田氏が登場すると、どよめきと笑いが起こりましたが、ここはRAELが旅の最終地点へ向かうきっかけを得る重要な場だと思うと、なんだか神妙な面持ちにもなりました。 「Ravine」では別意氏のさざ波のようなギターワークが最終章へ誘導し、「The Light Dies Down On Broadway」が幕を開けます。 急流に飲み込まれる兄Johnを助ける為、RAELが飛び込むことを決心する「Riding The Scree」では、リズム隊が淡々と変拍子を刻む中ベンドサウンドが特徴的なARPのソロを堪能できます。 松田氏のサスティンギターも光る「In The Rapids」を経て、ようやく助け出した兄の顔が自分だったという衝撃を一気に放出する「It」の頃既に、私は幻のステージを前にプチ号泣状態で、バンドのテンションも最高潮のままエンディングを迎えました。

 大盛り上がりのアンコールには「The Knife」を演奏し、エネルギッシュなステージは終了。 河井氏は今後、キーボードの台数を可能な限り減らしたシステムで、ブロードウェイを完全再現してみたいとおっしゃっていました。 GENESISトリビュートと言えば「復刻創世記」でのサービス満点なステージや、LED ZEPPELINを楽器、衣装、演奏まで寸分違わぬ精度で再現する「CINNAMON」のようなバンドまで、一口にカバーバンド、トリビュートバンドと言っても様々な方法論があるのだなと感心させられました。 次回のライヴも計画されていますので、すべてのGENESISファン、メロトロンファンにお勧めしたいと思います。

 おまけ:ブロードウェイに横たわっていたのは羊では無く、ロビンちゃんだった?
開演後ほどなくして、見たことのある女性が入って来ました。 はりゃ〜、どう見ても「がんばれロボコン」のロビンちゃんこと、島田歌穂さんではありませんか!
会場は既に満員でしたので、椅子に座った私の横で立ち見となりました。 よく見れば、お隣には御主人のあの島健さんまでいらした。(ドラムの山崎さんのお知り合いだそうです) 島田歌穂さんは以前、Mike RutherfordのソロプロジェクトMIKE+THE MECHANICSの大ヒット曲「Living Years」をカバーした事があったので、そのGENESISつながりに勝手に嬉しくなりました。 ミーハーな私は、そのカバー曲のお話をしながら休憩時間に握手していただきました。 10年位前の話だったでしょうかと伺うと、もう20年近く前に出したCDだったとの事です。 握手してくださいと言うと「私でいいんですか?」と、こちらが恐縮するほど腰の低い方で、ほんとに素敵でしたよ〜♪ 以上、ミュージカル女優さんがブロードウェイに登場したというお話。

(画像左/オープニング「Watcher Of The Skies」の箱男が登場するステージ全景)
(画像左から2枚目/衝撃的な「スリッパーマン」までも完全再現)
(画像右から2枚目/演奏中の河井氏)
(画像右/6台もの鍵盤を配したキーボードブース)

情報提供
GARDEN WALL 河井章利氏、画像中2枚の撮影 Buchi氏

2008年4月13日
グラン・どファンク・マニアック
 2007年8月19日、世間は欽ちゃんが24時間マラソンのゴールが出来るか否かハラハラする中、残暑厳しい東京新宿は歌舞伎町、有名ホストクラブ愛の真向かいにあるライヴバー「Crawdaddy」へ行って来ました。 厚見玲衣氏所有のMellotron MARK IIの詳細画像を載せてメロトロンファンの度胆を抜いた、GRAND FUNK RAILROAD探究サイト「GRAND FUNK MANIAC」でおなじみのトリビュートバンドのライヴ、GRAN・DFUNK・MANIAC〜嵐の歌舞伎ちょうらくえん球場 Caught In The Crawdaddy〜です。 スリーピースでの初期ライヴ「Live Album」を再現した前半と、厚見玲衣氏をCraig Frost役のキーボードに迎えた「Caught In The Act」を再現する後半の二部構成。 MCには必ず楽器の解説をするマニアックさに、にわかGFRファンの私も前のめりで楽しませて頂きました。 第一部のラストでは、バンドの皆さんをはじめ、厚見さん、そしてアノCharさんも含めて議論されていたと言うピアノサウンドが流れる「Mean Mistreater」を披露。 やや暗いサウンドがWurlitzerと思われていましたが、様々な角度から検証した結果、Fender RhodesにMark Farner愛用のWESTアンプを組み合わせる事で、独特の音が出ていたのでした。(詳細はLINKから是非どうぞ) 解説しながら本物のFender RhodesとWESTアンプで実演していたのですが、なるほどRhodesの音には聴こえません。 面白いねえ、こう言う徹底した検証が21世紀のトリビュートバンドの醍醐味ですよ、素晴らしい。 そんな第一部を終えて、第二部へのインターバルに厚見さんはMellotronサウンドで「宮殿」「スターレス」を演奏し、観客がどよめく瞬間もあり、Mellotronマニアにとって思いがけないプレゼントとなりました。 GFRのMellotronソングといえば「Closer To Home」のMellotron 3ViolinsとFluteで、もちろんこれも完全再現。 そして最後は「We're an American Band」で大盛況のまま終了。 豪快なオルガンサウンドをE-mu E4とレスリーで、MellotronサウンドをMellotron Archives CD-ROMから、そしてマスターキーボードはKORG TRITON Extremeを使用していました。 GRAN・DFUNK・MANIACの皆さん、お疲れ様でした〜♪

情報提供 厚見玲衣氏

2007年8月22日
BIBLE BLACK Progressive Live 2007
 2007年4月1日、吉祥寺シルバーエレファントでProgressive Live 2007を観に行って来ました。 1999年に、GENESISトリビュートバンド「復刻創世記」を観に行って以来ですから、場所すら忘れてましたよ...シルエレ。 出演は、BIBLE BLACK、幼虫社、水鏡の三組。 BIBLE BLACKのキーボーディストIwanov(イワノフ)さんは、2002年に当サイトへChamberlinの
画像を御提供頂いているのですが、お会いするのは今回が初めてになります。 リハーサルの前にご挨拶をして、開演前に機材の撮影をさせていただきましたので、是非こちらを御覧ください。 BIBLE BLACKは1980年代から断続的に活動する、キングクリムゾン等に影響を受けたハードプログレッシヴバンド。 メンバーはギターのRose(ロゼ)さん、ドラムのKotaroさん、ベースのYukioさんのスリーピースバンドに、2006年からIwanovさんを加えた現在の形になっています。 コの字型のキーボードブースには、Mini Moog、Chamberlin M1、KORG BX-3(もちろん旧型)、Prophet5、EmulatorIII、Fender Chroma(ARP末期の製品)が並ぶという、ヴィンテージキーボードファン垂涎のセッティング。 オープニングを終えて1曲目「毒」が始まったとたん、今日はUKのカバーもやるのか? と思わせるほど、その筋の人ならニヤリとする楽曲が並んでいます。 RoseさんのハードなギターとIwanovさんの饒舌さを支えるリズム体の安定度は素晴らしく、リズムの切れ、オカズのセンスはお世辞抜きに抜群でした。 お目当てのChamberlinは3Violinsが選択されていて、どの曲でも積極的に使用されています。 Mellotronと同じマスターテープと言われる3Violins音源ですが、ソリーナ等のストリングスキーボードと錯覚するほどの軽快さは、Mellotronとはだいぶ違う印象です。 ラストの大曲「冥府の王」でもChamberlinは活躍、Mini Moogのチューニングに手こずりながらも、囲まれた鍵盤群を忙しそうに操る演奏は迫力がありました。 エイプリルフールだった当日、RoseさんがMCで「今日でバンドは解散します!」と宣言するも観客がキョトンとなり、場が和んだりしてBIBLE BLACK終演。 そして個性的な幼虫社、和プログレの水鏡も堪能して、全演目終了。 終演後には、観に来られた厚見玲衣さん(Roseさんとは旧知の仲)、Iwanovさんとヴィンテージキーボード談義を楽しんで、解散となりました。 現在、日本国内でこんなキーボードセッティングを堪能出来るバンドは他にありません。 今後の活動にも要注目です。

(画像右/Chamberlin M1の上にMini MOOG)

取材協力 Iwanov氏

2007年4月5日
We Love Mellotron
 2006年6月17日に亡くなられた北村昌士さん。 私もMellotronを介して一度だけですがお会いする機会がありましたので、ここに記録しておこうと思います。

 2000年5月4日、ネット上を辿って私の元へ北村さんから突然メールが来ました。 明後日のYBO2再編ライヴでMellotronを使いたいのだが、自前のMellotronが動かなくなり、急いで探していると聞いて、私は二つ返事で協力しますと返信しました。 翌日、北村さんはスタッフの方と二人でレンタカーに乗り、我が家へやって来ました。 Fool's Mateは小学生の頃から読んで(見て)いたし、毎日修行のようにKING CRIMSONを聴きまくっていた私にとって、我が家へ神が降臨したような不思議な感覚でした。 北村さんはとっくの昔にCRIMSONもMellotronも通り過ぎている人だと思っていたのですが、私の趣味を察してか「メロトロンってやっぱりいいよね」「クリムゾンいいよね」と、見かけとは裏腹な優しい話ぶりに驚きました。 「クリムゾンのアルバムで何が好き?」と尋ねられたので、私はちょっと通ぶって「ISLANDSですかねぇ」と答えると、「あれはいいアルバムだよな」と同意してくれました。 さて、2台のMellotronを前にして、私は「調子の良い方(M400S#959)を使って下さい」と言うと、北村さんは「こっちの古い方(M400S#714)がいいな、綺麗なのはもったいなくて使えないよ」とボロい方を選びました。 その後、私のレコード棚を勝手に漁りはじめ、HAWKWINDの日本盤を取り出して歌詞カードを確認。 「ああ、歌詞が出てねえんだなぁ、ライヴでHAWKWINDもやるんだよ」と残念そう、明日ライヴなのに歌詞を今頃!?と思いつつも、その勢いに圧倒された私でした。(実際には演奏しなかったようです)

 5月6日、新宿LOFTライヴ当日。 Mellotronのモーター回転音が大きいのには驚いた。 どこかのマイクが音を拾って、リハーサル中の会場に鳴り響いている。 ベースは北村さん、ドラムは吉田達也さん、ギターはNULLさん、そしてMellotronはMERZBOWの秋田昌美さんが上にマックを載せてプレイしていました。 その日はオールナイトのライヴで、YBO2は夜中の3時頃に登場するらしいので、翌日仕事の私はリハーサルのみで退出。 帰りがけのトイレでNULLさんと隣になった事がミーハーな私の思い出(笑)

 翌日、Mellotron受け取りの為、北村さんの自宅へお邪魔した。 昨夜、北村さんと共にDIFFERANCEで活躍していた息子さんが、テレビゲームをやっている。 画面を見ながら「最近のゲームミュージックはすごいよ、昔のプログレみたいだ」と北村さん。 そして「お礼したいけど、どうしたらいいかわからないから、レコードと本あげるよ」といって、膨大なコレクションからYBO2、PHONOGENIXのアナログ盤や、古いFool's Mateに加えて、書籍キング・クリムゾン-至高の音宇宙を求めて-を頂いた。 古書店でもなかなか見つけられなかったこの本を、著者から直接頂けるなんて、心底うれしかった。 加えて、「俺の壊れたMellotron、もらってくれない?」の一言で、書斎で大量の本に埋もれている
YBO2TRONを発掘することになったのです。 もう北村さんはMellotronを使わないんだなと思うと、少し寂しい気持ちにもなりましたが、結局2台のMellotronを伴って我が家へ帰宅したのでした。 その後、YBO2TRON本体は我が家でインテリアと化していますが、2005年のANEKDOTEN来日公演では、そのYBO2TRONに入っていた音源テープが、ドラムのPeterが使うMellotron M400S#714にセットされ、ライヴレコーディングされました。 21世紀、YBO2の音はまだ鳴り続けていますよ。

北村さんその節は本当にお世話になりました。 心より御冥福をお祈りいたします。

(画像左/北村昌士著「キングクリムゾン-至高の音宇宙を求めて-」と、それに頂いたサインとメッセージ
(画像中、右/楽しそうに我が家のMellotronを試奏する北村氏)

2007年2月9日
HAL&RINGライヴ(恍惚のハナモトロニクスサウンド)
 2006年12月26日、天候は記録的な豪雨。 新月の前身HALと、新月のサポートキーボードでおなじみの小久保さん率いるRINGの合作による、HAL&RING「ALCHEMY」の新譜リリース記念ライヴへ行って来ました。

 ・・・話は少しさかのぼって11月26日、私が知人からMellotron Mk VIを譲り受けた事について新●月の花本さんとメールで雑談。 既にHAL&RINGでのライヴは告知されおり、花本さんはMellotronでゲスト参加と大々的に発表されていました。 12月14日、新●月御意見番のころんたさん情報から、花本さんのMellotronの調子があまり良く無い事を知り、よろしければ我が家のMk VIを使いませんかと花本さんに打診。 全体を仕切っている小久保さんと調整の上、集中リハーサルを含む、22日ピックアップ、27日返却の日程で使っていただく方向となる。 12月22日、小久保さんとスタッフの方が我が家へやって来る。 私は緊張、だってアノ新月のサポートキーボードやらバッハ・リヴォリューションで有名な小久保さんですよ。 御挨拶もそこそこ、外せる事のできるパーツをMellotronから外し、出来るだけ軽くしてから運搬。 小久保さん、気取りのないすごく温和な方で、私の緊張も少しほぐれる。 緊張がほぐれた勢いで、「新月」のアナログ盤のジャケットにサインを頂いた。 12月23日、24日、花本さんよりMellotronが好調と報告メール、御丁寧にありがとうございます、私も一安心。

 ・・・そしてライヴ当日12月26日、楽器搬入からリハーサルの時に観に来ても良いとの事なので、早めに出かける。 会場の初台Doorsへ到着、防音の重い扉を開けて会場入り。 入って早々、綺麗な女性が私に会釈してくれる、こちらもつられて会釈...ん、この方もしや松本かよさんでは? 事前にユーロロックプレス最新号でチェックしとりました、感激そして恐縮。(私は謎の侵入者〜♪) 小久保さんと花本さんに挨拶させていただき、サウンドチェックから数曲のリハーサルを観せていただくことになりました。 ステージは左から右へ、津田さんのギター、小久保さんのキーボード、高橋さんのドラム、桜井さんのベース、花本さんのキーボード、松本さんのキーボードとなっています。 津田さんはフェルナンデス(カタログモデルではないそうです)のサスティナー内蔵レスポールモデル。 小久保さんはKORG WAVESTATIONとシーケンス等の全体を管理するマック、他1台のシンセに、銅鑼やパーカッション等。 松本さんは、なんとYAMAHAコンボオルガンYC20をメインに据えて、他1台。 花本さんはMellotron Mk VIの上に、Virus Indigoというコンパクトなシンセを載せてました。 Mellotronは各鍵盤の出音を入念にチェックをして、プレッシャーパッドの微調整をし準備万端。 驚いたのは高橋さんのエレクトリックドラムを中心としたセット。 エレドラは今どき珍しいPearl DRX-1の2バスセットで、スネアは独特の音がする小径12インチもしくは10インチのメタル胴、ハイハットはこれまた小さい変わったタイプをスネアの右側に配していました。 エレドラタムタムの上に、小径シンバルのカップ側を2枚向かい合わせにしたものを4セット正面に並べたので、視覚的インパクトは凄いだけでなく、本番ではそれが視覚だけでは無い事を知る事になるのです。 本来あるべき位置のハイハットには、シンバルに換えてロートタムのフレームを上下組み合わせた様なものがあり、これがまた「ガッシャンガッシャン」強烈な音がするのでした。(高橋さん自家製との事) そしてリズム体のもうひとつの要、桜井さんはものすごくネックの幅広い6弦ベースと、楽器のラインナップも興味を惹かれるものばかり。 アンコールで演奏されると思われるアイアンバタフライ「In-A-Gadda-Da-Vida」他数曲を、オリジナルHALのリーダー鎌田さんを交えてリハーサル開始。 鎌田さんはステージ中央で、足下に置かれたE-MU音源をYAMAHAのショルダーキーボードKX5でMIDI演奏。 温和な外見からは想像もつかない気迫で演奏熱唱され、凄い人がいるものだと驚かされた。 私は食事の為に一旦退出、そういえば花本さんのMellotronフルートはメロディがループするような仕掛けになってたなあ、期待大です。 食事を終え、台風並の豪雨の中入場待ちをさせられ、全身びしょ濡れで再入場、この湿気でMellotronは無事に動いてくれるだろうか?

 「魔術師の帝国」をメインに据えたのRINGの演奏が始まる。 シンクロしたスクリーン画像と伴って、スペイシーでスケールの大きい表現。 ピンクフロイド「シンバライン」などを演っていた初期の四人囃子にもこんな空気があったなと考えていたら、RINGのCD帯には「ピンクフロイド風の幻のバンド」と紹介されている、なるほど。 70年代の日本にこんな隠れたバンドがあったのかと思うと、タイムマシンでリアルに体験してみたいと思った。 今現在ヒットしている音楽より、もっと豊かで夢がある。 小久保さんの歌声は、当時と全く変わらず甘く優しい印象。 松本さんの楽器がハモンド、もしくはそれをシミュレートした他社のオルガンじゃなくて、何故YC20か? きっと70年代の「日本の」ロックバンドである事を意識したからではないかと勝手に考えた。 オルガンロックの代名詞であるハモンドそのままの音を簡単に持って来るのではなく、70年代に一般的だった当時の楽器をベースに音づくりすることで、ジャパンオリジナルのオルガンロックである事にこだわったのではないでしょうか? 小久保さんによると、2種のエフェクトをかけてバンドサウンドに埋没しないよう大変苦心した音づくりだったそうです。

 休憩を挟んで後半はHALの演奏。 1曲目「SIR BORDENHAUSEN」から完成度高し、海外のプログフェスなどで演奏しても絶対好評価を得られると思う。 松本さんのオルガンプレイは更に凶暴になっています、こんな凄い女性キーボーディストがいたのかと再認識、そして今後も要チェック。 オルガンが暴れる裏では、小久保さんがシンセを「ギョィーーーン」と重ね、その音圧に私は大満足。 津田さんは相変わらず顔色一つ変えず超絶プレイを連発、オーラが出てます。 桜井さんはドラムとMellotronに挟まれた場所で腰掛けて演奏。 フィンガーピッキングでのソフトなトーンで、6弦を使い切る恐ろしい音域で淡々と支えます。 派手なアクションなど一切無いのに、フレットを押さえる左手がなんと柔らかく良く動く事か! これはたまらない職人芸です。 次の「TRIPLET COLORS II」で、花本さんはバックにMellotronを流すと予想していたがハズレ。 その次にゲストプレイヤーとして紹介され、いきなりMellotronソロからスタート。 Mellotron Fluteの音源を、微かなキータッチで「プッ、プッ、プッ」とリズムを刻んだかと思えば、「終末」(「科学の夜」T-5、「新●月●全●史」DISC4「Archives/HAL Serenade」T-7)をベースに、Mellotron Fluteの美しいフレーズがループになり、一人多重録音(サウンド・オン・サウンド)演奏が展開される。 ・・・やっ、やられた、こう来たかっ! これはフリッパートロニクスならぬ、ハナモトロニクスではありませんか!! 私はもう完全にノックアウト。 Mellotron Fluteのシーケンスに3ViolinsやCelloまで重なり、静かだったMellotronが轟音となりピッチを上げたフルートが悲鳴を上げて「ALTERD STATES II」へと繋がる。 鎌田さんの登場する「OPEN BEFORE KNOCK」を経て、アンコールの「In-A-Gadda-Da-Vida」では、Mellotronフルートでのソロが披露され驚いた。 それが結構な早弾きなのでハラハラドキドキ。 グリッサンドこそ無かったが、あそこまで早い演奏に追随するMellotronの音は滅多に聴けるものではないでしょう。 恐るべしハナモトロン・・・そして最後はすべてを見届けた鎌田さんの指揮で終了。 終演後、津田さんからは「究極のMellotronだ」とコメントを頂き、当日誕生日だった花本さんにはMellotronへサインしていただきました。

 ・・・ライヴ翌日12月27日、小久保さんとスタッフの方が我が家へやって来てMellotron Mk VI返却。 いろいろお話を伺わせていただいた後、秘蔵のバッハリヴォリューションのアナログと、Mellotron M400S(以前花本さんにサインしていただいた反対側のパネル)にサインしていただきました。 「新月」のジャケット裏写真と同じように、左に小久保さん、右に花本さん、のサインが並びました(嬉) まさか21世紀にMellotronを担いで階段を降りる事になろうとは、小久保さんも思ってなかったでしょうね。 皆様お疲れさまでした、早速ですがファンの一人として再演を熱望いたします。

(画像左/HAL&RING CD発売記念コンサート告知チラシ)
(画像中/LP、CD、Mellotron Mk VIに頂いたサイン) 拡大写真は
こちらをクリック。
(画像右/新月のLPを挟み対となったサイン入りMellotron M400Sパネル) 拡大写真はこちらをクリック。

2006年12月30日
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