ARTIST INDEX

■ VIDEOS [2/3]
Hearts and Armour
 イタリア映画「ハーツ・アンド・アーマー」(原題:I Paladini)1983年劇場未公開作品。 中世を舞台に、対立するキリスト教徒とムーア人(イスラム教徒)を、剣と魔法と恋をからめて描いた、低予算C級ファンタジーアクション作品。 COOPER & HUGHESなるクレジットのサントラは、微妙なエレポップ風味のスーパーマーケットBGM風から、喜多郎風、中近東風、アフリカ民族音楽風と、種々雑多な構成。 スーパーBGM風とアフリカ民族音楽風には、Mellotron Stings、Choir、Fluteが使用され驚かされます。 特にアフリカ民族音楽風は、Mellotron Choirをパーカッシブに演奏しMellotron Fluteの高音部を重ねるという変わったアイデアで、ちょっとした聞き物。 サントラ全体のメインテーマが無い中、エンディングにはスーパーBGM風の拡大版が登場し、デジタルシンセに負けじとMellotron Strings、Fluteの大音量でテーマらしき物を提示して終了となります。 このCOOPER & HUGHES、どうやらOMD(Orchestral Manoeuvres in the Dark)のメンバーだった、Martin CooperとDavid A.Hughesのソングライターチームのようです。 なるほど、この独特のデジアナ感はそこから来ていたか!

2007年9月29日
Picnic at Hanging Rock
 1900年聖バレンタインデーのオーストラリア、郊外の岩山へピクニックに出掛けたまま女子学園生が謎の失踪を遂げるという原作を、幻想的な映像で描いた1975年のオーストラリア映画。(1986年日本公開 邦題:ピクニック at ハンギングロック) Roger Deanの描く奇妙な景観を思わせる岩山と、洋絵画の貴婦人、美少女達が融合したかのような映像美を彩る音楽は、Pan Flute奏者のGheorghe Zamfir(ザンフィル)と、作曲家Bruce Smeatonの二人が担当しています。 ZamfirののどかなPan Fluteや、Bruce Smeatonの平穏なピアノ演奏に始まり、少女達が岩山の磁場に吸い寄せられ、事態が動いてくるに従い、Mellotronの出番が多くなってきます。 Bruce Smeatonのスコアになるのでしょうか、ピアノのシーケンスに乗せて極小の音量でMellotron Choirのフランジングが始まり、次第に音量が上がりそこへ大音量のMellotron 3Violinsが加わる狂気の音塊となります。 人の顔にも見える奇怪な岩のアップや、少女達を探し人々が右往左往するシーンでは、Mellotron Choirと3Violinsの冷酷な暗雲が否応なく画面を覆い尽くします。 生のストリングスが導入される曲もあるので、このMellotronはストリングスの代用としてでは無く、意図的に選択されたものなのでしょう。 牧歌的なPan Fluteとの対比もハッキリとしており、Mellotronの存在意義が明確なサウンドトラックとして高い評価を与えられると思います。

2007年9月29日
Mellotronen 20th Anversary Party 2007
 Mellotronen(メロトロネン)は、メロトロン愛好会の事ではなく、LANDBERK、PAATOSのベーシストStefan Dimleらが経営するストックホルムのレコードショップ、レーベル。 このDVDは、Mellotronen設立20周年記念船上パーティーの模様を収めた映像集。 NOVEMBER、SOLID GROUND等、プログレファンにも馴染みのあるバンドを始め、12アーティストの演奏が約3時間に渡り収録されています。 古参バンドの紹介や、幻のバンドを発掘するような主旨があると思われるラインナップは、北欧ロックシーンに精通されているコアなファン向けか。 日本盤ジャケットには、本国盤には無い「スウェーディッシュ・プログレッシヴ・ロック・フェスティバル」というキャッチコピーが加えられていますが、私の様にMORTE MACABREの暗黒Mellotronサウンド(Mellotronを使用するのはMORTE MACABREのみ)を目当てにした者にとっては、ちょっと肩透かしを喰らうかもしれません。

 深夜3時に始まったというMORTE MACABREのライヴからは「Sequenza Ritmica E Tema」「Balladen Om Bjorn bar Och Natmelor」の2曲を収録。 前者はステージ全体を見渡すカメラに加えて、観客に埋もれるハンディカメラの映像で、いかにもホームメイドな内容。 後者にいたっては、ライヴ直後から既に動画投稿サイトへアップされていたものと同じ物で、バックステージからの映像は携帯カメラで撮影されたようなクオリティです。 貴重なライヴを良い映像で鑑賞出来ると期待していただけに、これには残念としか言い様がない。

 販売元は、大変貴重なMORTE MACABREの未発表ライヴDVD-Rを購入者特典に付けています。 2007年8月にエストニアで開催されたプログレッシヴロック・フェスティバル「Kuri Proge 2007」でのライヴから「Lullaby」(映画「ローズマリーの赤ちゃん」サントラ)が収録されています。 火の灯された蝋燭と骸骨の映像をバックに、女性ボーカルがコールされステージへ上がる所から始まります。 キーボードのNicklas Barkerは、上にM-AUDIOのMIDIキーボード(PianoもしくはHarpsicord、Vibraphone音源)を載せた白いMellotron M400Sでステージ右に控えています。 左手でMellotron 3Violinsを演奏し、右手で巧みに音色チェンジしながらM-AUDIOを操っています。 間奏では、音を出したままMellotron 3ViolinsからMellotron Fluteへゆっくりと音色の変更をするところもあり、マニア心をくすぐる流石の演奏を披露しています。 ログハウスのウッドデッキを思わせる独特のステージには、前述の蝋燭と骸骨がテーブルに載せられ、上からは人形が首吊りになっているというホラー映画のサントラをカバーする彼らにはピッタリの演出。 女性ボーカルのスキャットと、寒々としたMellotronが会場に響き渡ります。

(画像左から2番目/船上ライヴにおけるNicklas Barkerを捕らえるハンディカメラの映像)
(画像中/特典DVD-R「Lullaby」のジャケット)
(画像右から2番目/エストニアでのライヴで無気味なスキャットを披露する女性ボーカル)
(画像右/いつもの様にうつむき加減でMellotronと対峙するNicklas Barker)

2007年9月27日
FOCUS in Concert
 1974年でしょうか、Hamburger Concertoの頃のTVパフォーマンス映像です。 グランドピアノ、Fender Rhodes、Hammond、Mellotronと大掛かりなキーボードをセットするにはステージが小さかったのか、Thijs van Leerだけ客席と同じ高さにはみ出してレイアウトされています。

(画像左/白いMellotronを含むキーボードに四方を囲まれるThijs van Leer)
(画像中/Hammondを弾く奥にMellotron M400S)
(画像右/キーボードブースを右手前に置いたステージ全景)

資料提供 カワカタ氏

2007年8月13日
日活ロマンポルノ
 1976年の日活ロマンポルノ作品「犯す!」、長谷部安春、監督脚本作品。 主演の八城夏子と蟹江敬三扮する強姦魔の心理描写が重苦しく、観た人を暗澹たる気持ちにさせる凄い(サスペンスホラーポルノ?)成人映画です。 音楽はキャンディーズ「春一番」や、郷ひろみ「林檎殺人事件」など、ヒット曲を多数手掛けた穂口雄右が担当。 ジャニーズJr.としてデビューしながらもスタジオミュージシャンに転向し、GS時代にはアウトキャストのキーボーディストとして、水谷公生らと活動を共にしていました。 劇中のサントラはMiles Davisを彷佛とさせるトランペットジャズで、ナイフを持ってうろつく蟹江敬三の病的な心理を、緊張感を持って際立たせています。 そして、PINK FLOYD「原子心母」のようなリズムトラックに、凄まじいピッチベンディングのMellotron 3Violinsを被せた問題作でエンディングとなります。 この1曲だけ他の曲と作風が違いますが(同じ頃に日活のサントラを多く手掛けたコスモス・ファクトリーとの関連性があるかは不明)、1967年の段階で既に轟音オルガンサイケへ足を踏み入れていた穂口雄右ならありえる演奏でしょう。 一見一聴の価値あり、ここまで破滅的なMellotron演奏をした例が他にあるでしょうか?

(画像中/Mellotronのサウンドをバックに事を成すシーンが繰り広げられます)
(画像右/耽美な映像はまるでキーフのジャケットアートの様です)

情報提供 井上誠氏

2007年8月8日
LIVE EARTH
 2007年7月7日、世界9都市で行われた、地球温暖化防止活動を呼び掛けるライヴイベント。 再結成THE POLICE、GENESIS等、数多くのアーティストが各国の会場を涌かせた中、ロンドン公演のKASABIANのステージにMellotronが映っているとの情報が入りました。 早速チェックしてみると、ありますよステージ右側にMellotronらしき白いモノが! しかしM400SやMARK VIに比べて匡体が大きいような気がする、と言う事はロンドンだけにStreetly M4000のお披露目も兼ねているのかと色めき立って画面に近づけば、幅が随分広い事に気が付きました。 こりゃ35鍵盤じゃないかもしれない! となると70鍵盤のMARK VIIもしくは超最新モデルのM5000じゃないのか! と、期待は膨らむ一方。 その後、キーボーディストのアップに続き、俯瞰の映像が出ると状況は一変...これはMellotronの格好をした箱、いわゆるウソトロン(←小川文明さん特許)じゃ〜ん。 音はイイ感じでMellotron Stringsが鳴っていましたが、箱の中身は76鍵盤か88鍵盤のキーボードのようです。 しかしながらこのKASABIAN、雰囲気のある楽曲と圧倒的な存在感でなかなか迫力がありました。

(画像左/ステージ右側に置かれたMellotron風キーボードコントローラー)
(画像中/鍵盤上部は塞いでおらず、キーボードのボタン操作ができる様になっている)
(画像右/上から見ると幅が広いのが一目瞭然、1400ミリ近くはあるでしょうか)

2007年7月8日
Chaos And Creation at ABBEY ROAD
 2005年のアルバム「Chaos And Creation In Backyard」発表に伴って行われた、ABBEY ROADでのスタジオショー。 この作品は、ほとんどの楽器を一人でこなし録音されたもので、その手の内を明かすのはマルチな才能とサービス精神を持ったPaul McCartneyならではだと思います。 新曲の演奏に織りまぜて、自慢のビンテージ機材を紹介する中に、大変貴重なブルーグレーのMellotron FX Consoleがあります。 これは元々ABBEY ROAD STUDIOの機材でしたが、後のオークションでMike Oldfieldが入手し、その後Paulの手に渡ったものです。 左鍵盤のリズム&フィルを、親指と小指の2本指を器用に使いムードたっぷりに歌います。 観客が大ウケする中、鍵盤一番左のエンディングフレーズを弾いて上手にオチを作り「I love It!」「I Love It!!」と連呼する姿は実に楽しそうです。 その後お約束の「Strawberry Fields Forever」のイントロを右鍵盤で演奏し、中央のピッチコントロールノブでベンドダウンし、拍手喝采となります。 ノリノリのPaulは喜んで、再び左鍵盤のリズム&フィルを弾いておどけて見せます。 Paul McCartney様、これはもう「Mellotron Album」を作るしかないでしょ。 ビートルズマニア、メロトロンマニアが狂喜する姿は容易に想像できるし、何しろあなたが一番楽しそうに演奏する姿が目に浮かびます。

(画像左/大好きなMellotronを紹介してノリノリのPaul)
(画像中/左の鍵盤を丁寧に押さえてエンディング)
(画像右/Strawberryにおける御自慢のピッチベンド奏法)

2007年6月12日
THE VINTAGE SYNTH. 海外編
 シンセサイザー界の重鎮、古山俊一さんが監修、解説するビデオの一作目。 MOOG、SEQUENTIAL CIRCUIT、OBERHEIM、ARP等の海外シンセの特徴や使用例を紹介しています。 中盤では当時の新機種であったRoland S-760サンプラーを紹介しながら、Mellotron M400Sがジャケットとなっている同社のサンプリングCD「Keyboards of the 60's & 70's Vol.1」に触れています。 最後に「都内ビンテージシンセサイザー取扱いショップとリペアーサービスの紹介」と題し3店舗紹介される中、今はなきアンディーズ・ミュージックの店内にあるMellotron M400S#714が映し出されます。 現在このMellotronは、我が家で大切に飼われておりまする...ナデナデ。

(画像左/Rolandの技術者と古山さんが仲良く手に持っているのは前述のサンプリングCD)
(画像中/KORG PS-3100を頭に載せてもらってゴキゲンなM400S#714さん)
(画像右/横顔もチラリ)

2007年6月12日
VOW WOW LIVE
 1986年5月28、29日、中野サンプラザに於けるライヴを収録。 圧倒的な歌唱力を持つ人見元基、マルチキーボーディスト厚見玲衣が正式メンバーとなってからのライヴ映像2作品目。 テクニックとビジュアルを兼ね備え、今まさに頂点を極めようとする彼らを捉えたハイテンションな70分。 メンバーが会場へ入る足下を映したと思えば、いきなりNOVATRON400のアップになるオープニングにびっくり。 ステージ左上段のキーボードブースには、Mini MOOG、Roland Jupiter-8、NOVATRON400、YAMAHA CP、DX7等が並び、自作曲の一つ「Shot In The Dark」ではKORG RK100ショルダーキーボードでステージ中央に出て盛り上げます。 「Go Insane」「Pains Of Love」「Stay Close Tonight」「Doncha Wanna Cum」「Nightless City」では、NOVATRON 3Violins、Flute、Chiorを自在に操り、歯切れの良いシンセサウンドとの共存でサウンドに強烈な陰影を作っています。

(画像左/Introductionでは、上にDX7を載せたNOVATRON400がハッキリと映し出されます)
(画像中/ステージ中央向き上からJupiter-8、DX7、黒いNOVATRON400)
(画像右/リハーサル風景では、リラックスするヴォーコー人見元基さんの横に黒いNOVATRON)

2007年6月11日
WINGS ROCKSHOW
 1976年、Paul McCartney & WINGSのライヴアルバム「WINGS OVER AMRICA」の映像版。 Paulも若々しく、ロックバンドとして脂の乗った時期の演奏は想像以上に激しい印象です。 キーボードのLindaのブースにはMellotron MARK Vがありますが、演奏技術に難のあるLindaの姿も含めて、この映像の中でMellotronがハッキリと映し出される事はありません。 しかしながら収録曲「Live and Let Die」「You Gave Me Answer」「Silly Love Songs」等で、かなりヨレて味のあるMellotronストリングスを堪能する事が出来ます。 そして最も興味深いのは、ホーンセクションのメンバー紹介で、4人のメンバーをそれぞれ紹介するたびに、爆発音やマシンガンの音が挿入されるのです。 確認しただけでも、パーカッション、爆発音、ピストル発砲音、ファンファーレ、マシンガン、歓声、笑い声、ローハイド、ラッパ、飛行機の効果音(SFX)が出てきますが、まずこれはLindaがMellotron MARK Vで再生している音源でしょう。 思い返せば、1976年のMUSIC LIFE特集号にLindaの楽器詳細が掲載されているのですが、MARK Vの鍵盤のいくつかに赤いマーキングがあった事とリンクします。 あの赤いマークは演奏上のものではなく、その効果音の鍵盤を示すものだったのではないでしょうか。
注:1976年MUSIC LIFE ポール・マカートニー特集号は「BOOKS」に詳細がありますので、「ARTIST INDEX」経由で是非どうぞ。

(画像左/Mini MOOGでソロをとるLindaを見守るPaul)
(画像中/1976年ML誌特集号に掲載されたキーボードブース全景)
(画像右/Clavinetを上に載せたMARK Vの鍵盤左端にある赤いマーキング)

2007年6月10日
Live at The Greek
 アメリカ人気シンガーソングライターNeil Diamondの、1976年ロス・アンジェルス、グリークシアターでのライヴ。 当時、ロックに接近していたNeilは、ステージングやレコーディングのアドバイザーに、THE BANDのRobbie Robertsonを迎えています。 収録曲「Sweet Caroline」「Beautiful Noise」「Cracklin' Rosie」「I've Been This Way Before」で、Mellotron MARK Vによるストリングスを聴き取る事ができます。 Alan Lindgren、Tom Hensleyの両名が担当するキーボードブースは上下2段になっていて、下段にグランドピアノ、Rhodes、Clavinetの打弦キーボード、上段にHAMMOND、Mellotron MARK V、シンセサイザー等の持続音キーボードが並んでいます。 MARK Vは恐らく上段右端にセットしてあるのですが、残念ながら画像で確認する事は出来ません。 演奏しているキーボーディストの背中のみ、それとわかります(無念)

(画像左/右側にキーボードブースを配する大所帯のステージ全景)
(画像中/画像右見切れている所にMellotron MARKがある)
(画像右/上段のキーボーディスト、只今Mellotron演奏中!!)

2007年6月10日
GRAND FUNK LIVE
 1974年のアルバム「Shinin'On」リリース後のコンサートツアー。 1972年に加入したキーボーディストCraig Frostも、HAMMOND、Rhodes、Clavinetに加え、白いMellotron M400Sをセットに加えています。 「Closer To Home」ではMellotronを使ったものと思われますが、この映像には収録されておらず残念です。 Mellotronの上には敷物らしきモノがありますが、その上に何か機材を載せていた日もあったのかもしれません。

(画像左/白いMellotron M400Sが良く見えるステージ袖からのショット)
(画像中/ステージ中央側にM400S)
(画像右/Mark Farnerと盛り上がるCraig Frostの後ろに白いM400S)

2007年6月10日
ELO Live at Wembley
 1978年人気絶頂のElectric Light Orchestra、ウェンブリーアリーナで行われた大掛かりなコンサート。 Jeff Lynne以下全メンバーが左利きになった、酷い裏焼きジャケットが目印です! ストリングスセクションがリストラされる前の7人編成ですので、キーボードのRichard TandyもMellotronのストリングス音源は使わず、Choir音源を使用しています。 収録曲「Concert For A Rainy Day」「Tightrope」「Wild West Hero」「Mr.Blue Sky」で、盛り上がる場面には当たり前のように大音量のMellotron Choirを聴かせてくれます。 しかしながら、キーボードブース奥にセットされたMellotron M400Sが画面に登場する事は無く、その音と影に隠れたRichardの手の動きを見るだけになります。

(画像左/Richardの右手すぐ横わずかに見えるMellotron M400Sのコントロールパネル)
(画像中/左手では下に置かれたM400Sの鍵盤を押している)
(画像右/しかたないのでジャケット裏の画像を・・・)

2007年6月10日
Rolling 63〜89
 THE ROLLING STONESバンド結成25周年のヒストリー映像、インタビュー集。 1967年の夏から秋にかけて撮影されたという「2000光年のかなたに」(2000 Lights Years From Home)のプロモーションフィルムに挿入されるスタジオ映像では、なんとKeith RichardsがMellotron MARK IIを演奏するシーンを見る事が出来ます。 翌年の1968年に撮影された映画「悪魔を憐れむ歌」(Sympathy For The Devil)で、Brian Jonesはドラッグとアルコールで完全に「ダメ」になっていましたので、このMellotronのレコーディングでもKeithはかなり関与していたのかもしれません。

(画像左/Mellotron MARK IIと格闘するKeith Richards)
(画像中/右手にタバコを挟みながらMARK IIを演奏するKeith)
(画像右/MARK IIを弾くKeithの様子を見守るMick Jagger)

2007年6月9日
LEGEND OF A BAND
 1989年に結成25周年を迎えたTHE MOODY BLUESの歴史を振り返る、インタビューと映像集。 初代キーボーディストMike PinderのPinder Tron(Mellotron MARK II)や、2代目Patric MorazのMellotron MARK V、NOVATRON400が多くのステージ映像やプロモーションビデオに登場します。 Mike Pinderは叙情を、Patric Morazはパワーを、それぞれ違った個性によってバンドを彩ってきた事がこの映像集で再確認出来ます。

(画像左/「I'm Just A Singer」でトラックセレクターを操作しながら演奏するMike)
(画像中/Mellotron MARK IIを演奏するMike Pinder)
(画像右/Patric Morazの右手側に黒いMellotron MARK V、左手側に黒いNOVATRON400)

2007年6月9日
RAINBOW Live in Munich 1977
 黄金期とも言える1977年のRAINBOWライヴ。 ライヴアルバム「On Stage」のキーボーディストTony CareyからDavid Stoneへメンバーチェンジがありましたが、機材の変化は少なく、Orchestronも引き続き使用されています。 キーボードブース奥、3段積みされた一番下にOrchestronを見つける事が出来、「Still I'm Sad」等で独特の無気味なChoir音源を使っています。

(画像左/背中を向けるDavidの左手最下段にOrchestron)
(画像右/拡大画像、木目の匡体と鍵盤左のシルバーのコントロールパネルが特徴)

2007年6月9日
BJH CAUGHT LIVE
 1974年The Drury Lane Concert、1977年Caught Liveの2作品を収めたDVD。 キーボードのWoolly Wolstenholmeは、上にMini MOOGを載せたMellotron MODEL300とピアノをメイン楽器として使用しています。 初期のBJHではMellotron MARK IIを所有していましたが、その重量からスタジオ以外での使用が難しい事を不満に思い、ミニチュアMARK IIとも言えるコンパクトなMODEL300を購入しました。 KING CRIMSONのようなパワフルなMARK IIストリングスを気に入っていたWoollyですが、MODEL300の上品なストリングスサウンドでBJH独自の世界を切り開いたようです。 1977年のライヴでは機材が増え、1974年のセットにMellotron M400S、オルガン、ARP Solina、Prosoloist等を加えています。 四方囲まれたセットの三方に、それぞれMODEL300、M400S、Solinaとストリングス系のキーボードが並ぶことからもその音楽指向を理解出来るような気がします。

(画像左/1974年、中央のツマミが4つある事で、ピッチコントロールを装備した初期型M300を使用している事がわかる)
(画像中/鍵盤両脇の形状が微妙に異なるM400S、白いのは上面のみ)
(画像右/1977年、木目から白く塗り替えられたM300を弾くWoollyの背中にはM400S)

2007年6月9日
WINGSPAN
 Paul McCartneyとLindaの結婚記念日に用意されたホームムービーがきっかけで、このWINGS時代の映像集が出来上がったそうです。 Paulの娘Maryがインタビュアー、そしてMaryの夫Alistair Donaldが映像監督を務めています。 BEATLES解散からWINGS結成、そしてWINGSの活動休止までをインタビューと貴重な映像を織りまぜて時系列に並べてあります。 WINGSと言えば、まずLindaの黒いMellotron MARK Vを連想しますが、1973年の映像には黒いM400Sと、コントロールパネルを右に移設した白い改造M400Sの2台が写っているのに驚かされます。 よく見れば、黒いMellotronは限定のEMIバージョンのようだし、白いMellotronもEMIをベースに改造されているように見えます。 MARK V導入前に、2台のM400Sを使っていた事は新たな発見でした。 1977年、アルバム「LONDON TOWN」の船上レコーディングでは、船内に大きなMellotron MARK Vを見つける事が出来ます。 以前からPaulの改造Mellotronの存在は、マニアの間では有名でした。 左利きのPaulの為に、コントロールパネルを右へ移設したというのが定説ではあります。 しかし、この画像のように2台のM400Sを並列させた時、演奏しやすいように鍵盤同志を隣り合わせる事が主目的であったと推測する事も出来るでしょう。

(画像左/Paulの後ろに珍しい黒のMellotron400EMI)
(画像中/左利きのPaul用にコントロールパネルを右側に移設されたM400S)
(画像右/船上スタジオ内のMellotron MARK V)

2007年6月8日
Heat of The Moment
 ASIAのデビューヒット「Heat of The Moment」のプロモーションビデオ。 演奏シーンとイメージシーンを、格子状の分割画面で切り替えて行きます。 キーボードのGeoffry Downesは、初期ASIAの名物でもある山盛りのキーボードの中に、愛用の白いNOVATRON400を用意しています。

(画像左/画面左奥に白いNOVATRONが!)
(画像右/手前の琴に隠れて良く見えないなあ)

2007年6月8日
THE SONG REPLAYS THE SAME II
 本家も認めるLED ZEPPELIN完全コピーバンドCINNAMONの1998年のライヴビデオ。 演奏、衣裳、楽器、すべて抜かり無く再現されたステージは、本当にそっくりで驚かされます。 ステージ左側にはJohn Paul Jones役、John-Gさんのキーボードブースがあり、もちろん白いNOVATRON400があります。 John-Gさんは他にもMellotron M400Sをお持ちのようですが、楽器の脚が白いのとコントロールパネルのネームプレートから、このライヴではNOVATRONを使っているのがわかります。 注目の「天国への階段」では、本家「狂熱のライブ」よろしく、ブルーの照明の中で美しいNOVATRON Fluteを聴かせてくれます。

(画像左/どのシーンを切り取っても本家そっくり!!)
(画像中/キーボードブースからステージ中央を望む)
(画像右/奥のコントロールパネルにNOVATRONマークが貼付けてあります)

2007年6月7日
ANALOGUE HEAVEN
 ビンテージシンセサイザーコレクターMartin J.Newcombの膨大なコレクションを収めた博物館「The Museum Of SYNTHESIZER TECHNOLOGY」の開館式(1994年8月)とその所蔵品を映像に収めた資料的作品。 想像し得るメーカー(ARP、MOOGなどは当たり前)のシンセサイザーがほとんど並ぶ光景は壮観です。 キーボーディストJulian Colbeckの案内で館内を回り、デモ演奏も披露しています。 所蔵品にはBIROTRON B90も含まれるのですが、残念ながら映像には出てきません。 開館式にはStreetly Electronicsが持ち込んだMellotron MARK IIが並び、Mellotron開発者の子息John Bradleyの案内で主賓のBob Moog博士がMellotronを興味深げに覗き込む映像が出てきます。 MoogとMellotronの出会い...これは歴史的なワンシーンと言えるでしょう。

(画像左/Bob Moog博士にMellotron MARK IIを弾いてみせるJohn Bradly、奥には白いM400Sも)
(画像中/来館者にMellotron MARK IIを解説するMartin Smith)
(画像右/フルートのテープを選択しStrawbery Fields Foreverを演奏)

2007年6月7日
Umbria Jazz Festival 2001
 Medeski Martin & Wood、2001年12月29日イタリアのジャズフェスティバルにおけるライヴ。 キーボードのJohn Medeskiは、グランドピアノ、Wurlitzer200、Farfisaコンボオルガン、Mellotron M400S、HAMMONDオルガン、Honer Clavinetを四方に並べた、豪華ヴィンテージキーボードセットでステージに上がっています。 HAMMONDオルガンをメインには使用していますが、物凄いエフェクトをかけたWurlitzerやClavinetがそれ以上に目立っています。 パーカッションのインプロヴィゼイションに対抗して、Mellotron Fluteや3Violinsを演奏するMedeskiは、左手でフライホイールを押し付けながらベンドダウンして、もはや原音がわからないような個性的な音を出しています。 他の名立たる鍵盤楽器の中でも、Mellotronは他の楽器に出せない個性的な音が出せるものだと、再認識させられる演奏です。

(画像左/巨大なキーボードブースを左側に据えたステージ全景)
(画像中/様々なキーボードに囲まれて急がしそうなJohn Medeski)
(画像右/腕をクロスさせ左手でフライホイールの回転を遮りながら演奏)

2007年6月7日
IQ LIVE FROM LONDON
 1985年5月13日、ロンドンのCamden Palaceで行われたIQのライヴ。 キーボードのMartin Orfordは、ステージ中央向きにARP Odysseyを載せた白いMellotron M400S(黒いコントロールパネルですので、厳密には400SMか)を並べています。 派手なシンセリードやヴォコーダー等、ポンプロックの魅力を堪能出来るステージの目玉はやはりMellotronでしょう。 1曲目「Awake and Nervous」から爆発的なMellotron Choirを披露しています。 観客もノリノリで人気のほどが伺われます。

(画像左/間奏にMellotronを弾くMartin Orford)
(画像中/上に載せたARP Odysseyでのソロ)
(画像右/客席からも良く見える位置にMellotron)

2007年6月7日
LIVE AT ABBEY ROAD STUDIO 2004
 元DIZZY MIZZ LIZZY、デンマークのポップ職人Tim Christensenが、ビートルズ縁りのABBY ROAD STUDIOで行ったライヴレコーディング。 甘酸っぱいポップを、ビンテージ風味のストレートなロックで聴かせる彼の音楽にはMellotronが必需品で、スタジオアルバムはもちろん、このライヴでもたっぷりとMellotronサウンドを楽しむ事が出来ます。 ギターとMellotronを兼任するLars Skjaeraekは、なんとMellotronの匡体にMIDIキーボードを押し込んだ自家製コントローラーを使って演奏しています。 Timは他に2台のMellotron M400Sを持っているようですが、ライヴではこのコントローラーを使い、ビジュアルを損なう事無く、上手くやっています。 特典映像では、Timの案内でABBY ROAD STUDIOを探検するのですが、その時に着ているTシャツがMellotronの当時モノなのにはもう完敗です。親愛なるTim Christensen様、あなたのMellotron愛の大きさには感動しました!

(画像左/白いMellotronコントローラーが違和感なく並ぶステージ)
(画像中/シルバーのMIDIキーボードを収めたMellotronコントローラー)
(画像右/DMIのMellotron Tシャツを着て御機嫌なTim)

2007年6月6日
郡山 ONE STEP FESTIVAL 1974
 1974年8月、福島県郡山市開成山公園で開催されたロックイベント「ワンステップ・フェスティバル」を記録し、テレビ放送用に制作されたもの。 オノ・ヨーコ率いるPLASITIC ONO SUPER BANDの新曲「夢をもとう」を目玉に、多くの日本のロックアーティストが参加しました。 映像版に登場するアーティストで、このサイトとして注目するのは、沢田研二&井上尭之バンド、加藤和彦&サディスティック・ミカ・バンド、四人囃子ですが、Mellotronの使用を確認出来るのは、沢田研二&井上尭之バンドだけです。 キーボードの大野克夫さんは、当時シングルヒットしていた「追憶」に、真夏の屋外という過酷な条件の中、Mellotron 3Violinsを大々的に使用しています。

(画像右/沢田研二のステージ上、MELLOTRONと大書きされた白いMellotron M400S)

2007年6月6日
LIVE AT COVENTRY CATHEDRAL 1975
 1974年12月、英国リバプールのCoventry聖堂で収録された、アルバム「RICOCHET」のプロモーションライヴ。 Edgar FroeseはMellotron MARK V、M400Sの2台、Chris FrankeとPeter Baumannはそれぞれ1台づつのM400S、合計4台ものMellotronを含む膨大な機材を並べています。 映像は全編にわたりライヴ以外の素材を挟んだり、サイケデリックなエフェクトをかけてあり、現在の目ではかなりせわしない印象です。 音源もアルバム「RICOCHET」からのモノを被せてある為、画像とシンクロしておらず、Mellotron Flute、Mellotron Choirなどの使用が聴き取れるものの実際の演奏を確認する事は出来ません。 工場の稼動音など、いかにも彼らがMellotronから出しそうな効果音もどこからか聴こえてきて、Mellotronファンには悩ましい作品となっています。

(画像左/黒いMellotron MARK VのツマミをセットするEdgar Froese)
(画像中/上にRMIエレピを載せた黒いM400Sを演奏するChris Franke)
(画像右/M400Sのボリュームを調整するChris Frankeの手元)

2007年6月5日
EARTH & FIRE GREATEST HITS
 1970年から1989年までのテレビ番組、ビデオクリップと、2004年のインタビューを収めた映像集。 初期のビートポップからプログレッシヴロックを通過して、ディスコやテクノポップまで柔軟にスタイルを変化させて行った彼らを俯瞰出来る興味深い内容になっています。 特に初期の映像は、Mellotron M400Sがアップになるシーンが多く、まばたきすら惜しくなるような貴重な映像ばかりです。 「Storm And Thunder」「Memories」「Maybe Tomorrow Maybe Tonight」「Song Of Marching Children」等、Mellotronが全面に出る名曲は必見で、曲中3ViolinsからBrassへ音色を変更するシーンも見る事が出来ます。 キーボードのGerard Koertsの使用するMellotron M400Sは、コントロールパネル手前正面にフォンジャックが装備されているタイプで、俗に言う「M400C」と呼ばれる初期のM400の中でもシリアルが若い20台〜30台程度しか無い大変珍しいものです。

(画像左/楽器左側の黒いフォンジャックが見えますか?)
(画像中/トップカバーが外されて、鍵盤の様子がよくわかります)
(画像右/紅一点Jerney Kaagmanの後ろに、外したトップカバーを立て掛けたM400S)

2007年6月5日
STRAWBS LIVE IN TOKYO '75
 NHKのスタジオに観客を入れて収録された、1975年のライヴ。 STRAWBSの渋い演奏と観客の大人しさが相まって地味な印象ですが、昇り調子にある彼らの演奏は意外と熱く、充実した作品になっています。 ステージ向かって左側に陣取るキーボーディストはJohn Hawkenで、左からグランドピアノ、中央に黒いMellotron M400SとMini MOOG、右側にも黒いMellotron M400S、Fender Rhodes、Mini MOOGというセッティングになっています。 収録曲「New World」で右のM400Sから3Violins、「Hero And Heroine」で中央のM400SからChoir音源を演奏しています。

(画像左/STRAWBSのロゴが入った黒いMellotron M400S)
(画像中/Rhodesの下に見えるM400Sのコントロールパネル)
(画像右/ステージ正面のM400Sを演奏するJohn Hawken)

2007年6月5日
NBC Saturday Night Live
 1980年11月22日放映、アメリカNBC「Saturday Night Live」でのCAPTAIN BEEFHEART AND THE MAGIC BANDのライヴ。 司会者が「全国ネットに初お目見え」と紹介し、当時の最新アルバム「Doc At The Rader Station」(邦題:美は乱調にあり)から「Hot Head」「Ashtray Heart」を演奏します。 「Hot Head」でキーボードのEric Drew FeldmanはMellotronの上のMini MOOGをメインに弾いて、途中一瞬だけMellotronストリングスの金切り声の様なフレーズを演奏します。 続く「Ashtray Heart」でEricはベースと兼任になり、こちらも途中に装飾的なMellotronストリングスを挿入しています。 使用されたMellotron M400Sは、木目が見える外観(茶色い塗装?)をしていますが、これは数台製作された特別仕様のそれでは無く、塗装を剥がした物と思われます。 特別仕様の物はトップカバーがヒンジで開閉されるタイプであり、楽器背面(つまり観客側)トップカバー下のスリットがありません。 Mellotronの使用量があまりにも少ない理由は、Fool's Mate1981年7月号に掲載されている彼の発言で理解出来ます。 「私はMellotronを適切に、経済的に使用すべきだと思う。大概のミュージシャンはMellotronを小さい珍しいもののようにバックグラウンドに使用するが、私の考えではMellotronは主要なインストルメンツの一つでありそれは少し使用すれば十分ことたりる。砂糖を多量に使用してはならない。(以下略)」 「BOOKS」に全文掲載しているので、このページ上部の「ARTIST INDEX」経由で再度御確認を!

(画像左/ベースレスにMellotronとMini MOOGのイカスバンド編成)
(画像右/トップカバーの下に、標準のM400Sと同じ横スリットがあるのがわかりますか?)

資料提供 カワカタ氏

2007年6月3日
Performance
 準主役でMick Jaggerが出演した、サスペンス・サイケデリックムービー「Performance」(邦題:青春の罠)1970年公開作品。 組織から追われる主人公が、Mick扮する元ロックスターの家に同居し、身を隠す事になります。 元ロックスターは幻覚剤に溺れながら、超モダンミュージックを生み出す実験中。 部屋にはMellotron MARK IIやMoogシンセサイザー等の、最先端機材が所狭しと置かれています。 このMellotronは、どうやらMickの所有楽器らしく、後に「Rock and Roll Hall of Fame」へ寄贈された模様です。

(画像中/主人公が初めて入る部屋には、紛れも無くMellotron MARK IIが!)
(画像右/Mellotron MARK II拡大画像)

情報提供 厚見玲衣氏

2007年4月12日
グレートマザー物語
 2005年2月13日放送、テレビ朝日「グレートマザー物語」第173話。 各界の著名人が母の想い出を語る30分番組で、今回のゲストは谷啓さん。 以前からMellotronオーナーとの情報がありましたので、期待して見ていると、待ってましたお宅拝見のコーナーです。 谷さんに案内されて部屋のドアを開けると、右側に応接スペース、左側に楽器スペースがありました。 コントラバス、ドラムセット、ピアノ、トロンボーン、その他録音機材の山に埋もれて、Mellotron M400Sが置いてありました。 最近では、楽器よりもホラー映画のマスクなどのグッズ収集に凝っているそうですが、ドラムセットの中にはエレクトリックドラム黎明期の製品ULT-SOUNDがあったりして、マニアを唸らせる事を忘れないのはさすが谷さん。 よく見ればMellotronの鍵盤の上に、モスラの幼虫が置いてありました(笑)

(画像左/ガイコツと御対面でおどけてみせる谷さんの向こう側に、白いMellotron M400S)
(画像中/お部屋を紹介する谷さんの後ろには、モスラの幼虫を載せたMellotron)
(画像右/楽器スペース全景、青いエレドラULT-SOUNDまでセットされています)

2007年3月15日
ROXY MUSIC Live Stockholm'76
 アルバム「SIREN」発表後の1976年1月23日、スウェーデンはストックホルムで行われたライヴ。 「Nightingale」の曲紹介をするBryan Ferryのバックで、Eddie JobsonがMellotronの試奏をする音が聴こえます。 曲中でももちろんMellotronストリングスを聴くことが出来ますし、次曲「Out Of The Blue」でもフェイザーを効かせた怪しいMellotronストリングスをたっぷりと堪能する事が出来ます。 ステージ中央向きに、Mellotron MARK Vを含むキーボードの5段積みに加えて、奥にはミキサーやVCS3の様な機材も確認出来ます。 要塞のようなキーボードセットで弾きまくり、クリスタルバイオリンのソロを披露するEddie Jobsonは、間違いなくステージの華だったことでしょう。

(画像左/ステージ向かって左側にEddie Jobsonのキーボードブース)
(画像中/下から黒いMellotron MARK V、Rhodes、Clavinet、その上に更に2台)
(画像右/「Out Of The Blue」で、MellotronとClavinetを演奏するEddie)

資料提供 安原尚昭氏

2007年3月8日
ANGE Per Les Fils De Mandrin
 ANGE全盛期、1976年の5thアルバム「Per Les Fils De Mandrin」発表時の映像。 岸辺のガレージの様な場所に設置されたステージで収録されています。 キーボードのFrancis Decampsは、独特のコンボオルガンサウンドやARP Odysseyに加えて、Mellotron ChoirやMellotron 3violinsで演奏を支えています。 ステージのマネキンに絡んだり、焚き火を囲んで演奏したり、パントマイムのような演劇的表現があったりしますが、主人公たるヴォーカルのChristian Decampsだけでなく、バンドメンバー一丸となっている様子が伺えます。

(画像左/ステージ全景)
(画像中/白いMellotron M400Sを演奏するFrancis Decamps)
(画像右/キーボードブース奥側にMellotron M400S)

資料提供 カワカタ氏

2007年3月7日
CASINO DRIVE Japan Tour 1994 -エデンの裏口から-
 ニューアルバム「エデンの裏口から」の発表に伴い1994年6月27日、日清パワーステーションにて行われたCASINO DRIVE日本凱旋公演。 キーボードの厚見玲衣さんは1990年VOWWOWの解散まで、Mini MOOGやNOVATRON等にMIDI以降のデジタルシンセを組み合わせてセッティングしていましたが、このセットではCASINO DRIVEの音楽指向と同様、自然とヴィンテージスタイルのセッティングになったようです。 キーボードブース向かって左側にHAMMOND C3とMini MOOG、右側にNOVATRON400とChamberlin M1、奥側にはレスリースピーカー、HIWATTのベースアンプ、Roland RE-201テープエコーが並んでいます。 セットリストの真中で披露されたローリングストーンズ「2000光年のかなたに」の前には、Chamberlin Female Voice(女声ソロ)が不気味な空気を発したり、ビートルズ「ストローベリー・フィールズ・フォーエバー」、キングクリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」の名フレーズを織りまぜたNOVATRONインプロヴィゼイションが披露されました。 NOVATRONのトラックセレクターを操作しながらのサイケデリックな演奏は、厚見さんの独壇場でしょう。

(画像左/Chamberlin M1を演奏する厚見さん)
(画像中/ヴィンテージキーボードで固めたキーボードセッティング)
(画像右/Chamberlin M1の下段に黒いNOVATRON400)

資料提供 厚見玲衣氏

2007年2月23日
GRAPEVINE「指先」P.V.
 GRAPEVINE、2007年2月7日リリースのニューシングル「指先」のプロモーションビデオ。 冬枯れた木立の中、円形に配されたメンバーの一角にMellotron M400Sを従えたサポートキーボードの高野勲さんが登場します。 1999年春にPARCOのTVCMで、Vincent Galloがお茶の間にMellotronを解禁して以来、久々の衝撃映像でしょう。 Mellotronは高野さんの自前でしょうか、匡体がやや色褪せた感じで、映像の雰囲気にマッチしています。 曲の方ももちろん、Mellotron 3Violinsが大活躍するもので、この映像と相まってMellotronファンにとって胸が高まる内容になっています。 嗚呼Mellotronよ、何故電源を捨て、荒野を目指すのか!!(感涙)

(画像左/夕暮れの木立に佇む白いMellotron M400S)
(画像中/Mellotronの特徴を良く捕えたショット)
(画像右/Mellotronの様々なアングルが楽しめる貴重映像)

2007年2月22日
ONE PLUS ONE
 1968年、Jean-Luc Godard作品。 The Rolling Stones「Sympathy For The Devil」(邦題:悪魔を憐れむ歌)のレコーディングを追いかけたドキュメント映画。 翌年バンドを脱退し、謎の死を遂げるBrian Jonesも、どうにかレコーディング作業をしていますが、映像の中では彼の発言も無く演奏もほとんどオフマイクという状態です。 このレコーディングには使用されないのですが、スタジオの壁際にはリッドを閉じたMellotron MARK IIらしき楽器を見つける事が出来ます。 MellotronだとすればもちろんBrianの愛機だと思うのですが、既に発言権の無さそうなBrianが弾く機会はほとんど無かったのかも知れません。 この「Sympathy For The Devil」を収録したアルバム「Beggar's Banquet」には、Brianの演奏するMellotronが、ほんの少しだけ登場する「Stray Cat Blues」が収録されています。

(画像左から2番目/パーカッションを録音するメンバーの左奥に茶色いMellotron MARK IIらしき楽器が)
(画像右から2番目/レコーディングで使われたオルガンの向こうにMellotron MARK IIらしき楽器)
(画像右/上には荷物や飲み物が無造作に置かれている様子)

2007年1月28日
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